ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2002/10/12) A

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(Update:2002/10/22)

 

【日の出】

少し時間が逆戻りしてこちらは日の出の光景。3日間ともホントによい日の出です。日の出前はやはり少し寒さを感じますので、ご覧のように毛布に包まりながらじーッとその瞬間を待っています。

 

駐車場や道路わきには数多くの観光客がその瞬間をカメラに収めようと列をなしています。この時期の日の出は6時ちょっと前。この時間にこれだけのヒトが日の出を拝んで混雑していることはいまだかつてありませんでした。

 

【渋滞】

日の出を拝んでいる人で駐車場や道路わきが混雑している以上に県道乗鞍岳線は過酷な状態となっています。この画像は13日の日の出直後、6:30くらいのものです。車道上にクルマが3列になっていますが、まだ、山頂の岐阜県境のゲートが開く前で、一番左の列は畳平から下山するクルマではなく、駐車車両です。そして、中央と右の2列が7時の開門を待つ渋滞です。

 

渋滞が始まると渋滞の列を駐車車両と勘違いして反対車線を行き着けるところまで追い抜いていくクルマが今までにもたびたびあったのですが、たいていは数台追い抜くと気づいてバックで渋滞の最後尾に戻って収まっていました。しかし、この3日間はもう完全に収拾のつかない状態となってしまい、道路の幅いっぱいに渋滞の列が広がっています。

こんな感じですので、7時に岐阜県境のゲートが開いても下山する車が通行できず、この2列渋滞は7時が過ぎてもピクリとも動きません。下山するクルマを通行させるため上部から順番に2列になった渋滞を押し合いへし合いしながら1列におさめ、結局下山するクルマが県境からこの大雪渓エリアにたどり着いたのは8時を過ぎです。それまではこの付近の2列渋滞もまったく動けない状態でした。

 

 

まったく動かない渋滞の中、車内からクーラーボックスやガスバーナーを取り出して朝食の準備に取り掛かるヒトもいます。通常の渋滞の場合、大雪渓付近から畳平の駐車場に入るまでに2時間程度はかかります。

 

県境ゲート開門前ですが、渋滞の最後尾は大雪渓エリアをはるかに越えています。速報でもお伝えしたように渋滞は夜明け前から始まっており、位ヶ原山荘付近から県境付近を見るとそのテールランプの赤い列が長く伸びているのを確認することができます。ホントにいまだかつてない異常なほどの渋滞です。

ニュースや新聞などで「3連休の渋滞は10時間待ち...」などと報じられましたが、訪れている観光客の人々はマイカー登山最後の3連休ということは知っていても、渋滞に対する予備知識がないヒトが多く感じられました。特に犬を連れ込んだり、何時間もかけて大雪渓付近までやってきたのに「この先はいったい何があるんですか?」と問いかけてくるヒトなど、ノリクラに対してまったく知識や情報を持ち合わせていない人があまりにも多い(多すぎる)と、かなり驚きを感じました。

マイカー規制したり、立ち入り禁止区域を作って自然を守ることは簡単なことだとおもいます。しかし、なぜ、自然が大事なのか。どのようなものがそのエリアにあり、そして重要なのか。ということは肌身をもって感じないとホントに「大事にしなければいけないんだ!」というこころが芽生えてこないと思うのです。

「規制」という施策だけではなく、自然環境に興味のないヒトにいかに関心を持ってもらい、協力してもらうかが今後の自然保護には必要なのではないかと思うのです。

 

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