ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2004/05/23) D

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(Update:2004/05/27)

 

【大雪渓下部】

こちらも早いペースで雪融けが進んでいます。先週から比べると1メートル近く積雪が少なくなっていると思います。それでも昨年と比べて雪融けのペースは1週間程度早いだけのようですので、他の箇所よりは雪融けが少ないといえます。

 

先週は石碑が半分程度隠れていましたが、今週はご覧のように完全に見えています。70センチ程度は雪融けしたでしょうか?

 

ほんとに今年は異常なほどクレパスがたくさんあります。奥に見えているのは先ほどの石碑の岩で、その上部から縦方向にクレパスが走っています。先週は小さな溝でしたがしっかりとしたクレパスになっています。

 

先週も紹介したモーグルコーススタート付近の岩です。この岩の上端から大雪渓エリアでもっとも大きなクレパスが伸びています。先週は幅が1メートルほどと紹介しましたが、今週はところによって1.5メートルほどになっています。撮影した時は霧がひどくて全景を確認することができませんでしたが、最初のページの肩の小屋・コロナ観測所分岐点付近から滑り降りたところがその画像ですのでそちらを再度ご確認下さい。

先週に引き続き、今週は新たなクレパスが発生しております。十分注意しなければいけません。この発生状況を見ると雪融けで滑走できなくなるより、クレパスで滑走エリアが狭められる懸念も十分考えられます。

この時期は天候が不安定で冬と春がいったり来たりします。初めにもお伝えしましたが、今回は土日の両日とも一時的ではありますが、あられが降りました。以前は「あぁ〜、あられだ。」と暢気(のんき)な感じで構えていればよかったのですが、マイカー規制になりそんな風に暢気に構えていてはいけない状況になっています。

あられが降るということは路面に降雪があるということと現象は同じで、特に大雪渓エリアではたいした降り方でなくても北側の乗鞍スカイラインではまとまった降り方になる時もあります。しかもシャトルバスは夏タイヤを履いている関係から雪やあられが降り出した時点で通行止めが決定されることも珍しくありません。今回の23日(日)もお昼過ぎからあられが降りだし、13:30には通行止めが決定されました。

そこで問題なのか畳平以外にいる人々をどのように畳平へ誘導するかという点です。昨年はパトロールの方が大雪渓まで出向き、大雪渓にいる人々に畳平に帰るよう声をかけながらまわっていらっしゃいました。これは大変な労力ですが、結局今回もメガホンを持って大雪渓まで出向いて畳平まで誘導されていました。その労力にはほんとに感謝いたします。

みなさんも「雪やあられが舞いはじめる = 乗鞍スカイラインが通行止めになる」という方程式を必ず頭に記憶させ、どのような条件になると通行止めになりうるのかということを考えて行動されるようお願いいたします。

 

【昨年の今ごろは?】

date:2003/05/25

昨年はこの週が宮様杯乗鞍フィーゲルスキー大会でした。今年は5月30日(日)開催予定です。

 

◎ 一口メモ〜『退避場所(避難小屋)問題』 ◎

大雪渓エリアには雨風をしのぐ場所がない

昨年よりマイカー規制が始まり、乗鞍スカイライン・県道乗鞍岳線のシャトルバス運行が開始されました。シャトルバス運行の大きな課題の一つに悪天候による運休後、入山者をどのようにして安全に下山させるか?という点があります。この点については新聞報道でも取り上げられていますが、具体的な対応策はまだのようです。
新聞報道の中で、肩の小屋口バス停周辺には風雨をしのぐ施設がなく雷が発生した際、危険な状態になることを取り上げています。今回(5月23日)も昼すぎからあられ交じりの雨が降りだし、急遽、肩の小屋口バス停付近のトイレのひさしに逃げ込んだ次第です。

 

せめてトイレの入口さえ開いていれば...

 

せめてトイレの入口さえ開いていれば...
(2004年5月23日 みぞれ交じりの雨)

ご覧のように肩の小屋口バス停付近のトイレは6月末まではご覧の通り閉鎖されています。せめてこのトイレの入口だけでも開いていれば風雨をしのぐことができ、雷が発生した時も安全を確保することができます。また、肝心の退避場所設置については県・地元自治体や乗鞍岳自動車利用適正化連絡協議会などでも問題があがっているという認識はあるようですが、まだ議題のテーブルにはあがっていない状態です。

 

肩の小屋口バス停の利用者

昨年は冷夏のため、夕立・落雷がほとんどありませんでしたので、それほど大きな問題とならなかったかもしれませんが、猛暑の年はお昼過ぎになると夕立・雷が当たり前のように大雪渓を訪れます。

マイカー規制以前の大雪渓付近は大半がスキーヤー・ボーダーばかりで、剣ヶ峰登山に向かう人は畳平までマイカーを走らせる傾向がありました。しかし、シャトルバス運行により、剣ヶ峰登山に向かう人も肩の小屋口バス停で乗降車するケースが増えてきています。
肩の小屋口バス停付近の退避場所問題はスキーヤー・ボーダーだけでなく一般の登山者にも波及しつつあると各関係団体には考えてもらいたいと思います。

大雪渓の避難所に関して、ぜひ、皆様のご意見をお聞かせください。(E:mail WebMaster@norikura.org )

 

 

 

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