ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2004/08/01) @
【大雪渓】
いよいよ8月です。今年の雪融けはかなり早いことは毎回お伝えしております。しかしそのスピードは全く衰えることを知らないようで、今週は完全に雪渓下部や雪渓中段で滑走することはできなくなってしまいました。8月上旬で雪渓下部が滑走できなくなることはそれほど珍しくありませんが、今年の場合、それ以上に雪渓上部の雪融けが早いことが懸念されます。猛暑・大雨など各地で異常気象が発生していますが、そのようなことと何らかの関連があるのかもしれません。
今回は速報でもお伝えしたように秋のようなさわやかな天候の一日で、ご覧のような高い空のもと終日にわたって良い天気が続きました。1日中良い天気が続いたことは久しぶりのことです。特に前日の7月31日(土)は曇でバーンもひどいスプーンカットとまるで同じバーンかと疑ってしまうほどの変わりようです。
お届けする画像は8月1日(日)のものですが、一部、7月31日(土)に撮影したものも掲載いたします。
【雪渓下部 T】
雪渓下部はさらに雪融けが進み、もう滑られる状態ではありません。左の画像をご覧になるとお分かりと思いますが、大雪渓へ向かう道路(スキーヤー専用道)と肩の小屋に向かう登山道(剣ヶ峰登山口)の標識が新しくなっています。
以前からこの標識が立っていましたが、字かはっきりしていなく、一部折れていてわかりづらいものでした。これで濃霧の日など肩の小屋への登山道と間違えて大雪渓へ向かってしまう登山者が少なくなることを期待したいところです。
ご覧の雪渓は先週から比べて3分の2程度の大きさで、縦の長さは20メートルほど。この状態では滑走どころかランディングゾーンを確保できないためエア台を作ることもできません。
雪渓下部は雪の多かった昨年から比べると1ヶ月近く、ほぼ平年並みの一昨年と比べても3週間程度雪融けが早いといえます。
登山ツアーのバス(大雪渓駐車場) |
雪渓下部に積雪があり、滑走できた頃は隣接する大雪渓駐車場もスキーヤー・ボーダーで賑わっていました。しかし、雪渓下部の雪がなくなり多くのスキーヤー・ボーダーが雪渓上部へ移動してしまうと、シャトルバスの発着時刻以外はあまり人影を見ることができません。しかし、夏山シーズンが到来しそんな状況をとって変わるかのように、このところ登山ツアーのバスが大雪渓駐車場に頻繁に訪れるようになって来ました。
準備体操 |
ますは準備体操。シャトルバスでもタクシーでもそうですが、いきなり3000メートル近い高地に上がってきており、体が順応していない人もいるかと思います。体を慣らすためにも安全に登山するためにも準備運動は年齢に関係なく欠かせません。
もちろんスキーやボードでも怪我を防ぐためにはストレッチなどの準備運動は必要でしょう。
登山道入口(バス停から県道沿いに山頂方向へ50m先) |
先週もお伝えしましたが、肩の小屋を経由して山頂へ向かうこの登山道は今までは岩を乗り越えたり、岩と岩の隙間を縫っていくように歩かなければならないところが何箇所もありましたが、石畳が敷かれ、幅も幾分拡張されるなどだいぶ整備されています。特に登りよりも下りの場面でその恩恵を受けることが多いのではと思います。
先週もお伝えしましたが、肩の小屋口バス停はちょうど雪渓上部へ向かう道の入口に立っていますので、初めてノリクラにお越しになった方がこれを登山道と間違えられるケースがたくさん発生しています。特に濃霧の時はバス停から50メートル先の登山道を見つけることができず、雪渓に向かう道を登って行き、雪渓に到着してから右往左往してしまいます。
もしそのような方を見かけましたら、雪渓に向かう道が登山道でないことや登山道の位置を伝えてあげてください。特にバーンの固い日に登山靴で雪渓を登っていくことはかなり危険です。登山者にとっては余計なおせっかいかもしれませんが、ぜひお願いいたします。
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