ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2006/09/02) B
【雪渓下部 U】
石碑の岩−今日は遠景の山並みがすばらしい |
石碑の岩周辺は8月上旬に雪解けが完了していますので、大きな変化はありません。今日は遠景の山並みがくっきりと姿を現しています。石碑の岩の右上の山は鉢盛山です。画像右上には南アルプスの甲斐駒ヶ岳を見ることができます。
これらの遠景の山並みについては、この後、詳しくお伝えします。
スキーヤー専用道 |
こちらは石碑の岩の南側を通るスキーヤー専用道。ここは、雪渓上端に通じ、ちょうど雪渓上部を左右に分ける尾根付近に出ます。雪渓上部右側や雪渓上部左側へのアプローチはここから分かれて向かっていきます。
スキーヤー専用道上端(雪渓上部左側から雪渓下部へ滑り降りる箇所) |
スキーヤー専用道を登って行くと雪渓上部の下端部分にたどり着きます。先週は左の画像の右下に写る矢印がペイントされた岩まで積雪があり、雪渓上部の下端は先週より10メートルほど上昇しています。
雪解け水は先週より少なめ−今週は大雪渓全般で雪解けが減少 |
先週と比べて、雪渓上部から流れ出る雪解け水は少なめ。冒頭の部分でもお伝えしましたが、この一週間は気温が低く、そのため、雪解け水も減少しています。したがって、今週の大雪渓は全般的に積雪量の減少がやや少なめとなっています。
【雪渓中段】
雪渓中段 |
モーグルコースのスタート付近の岩と、石碑の岩の間を上っていくところで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。ハイマツ沿いには登山道があって、左方向へ進むと肩の小屋に行くことができます。
周囲に積雪がなくなってしまったため、わかりづらい状態ですが、画像の中央に大岩ヶあります。先週はその大岩の向こう側に雪渓中段の積雪を見ることができましたが、今週はこの大岩に隠れてしまうほど小さくなり、その姿を確認することができません。
雪渓中段 長さ30メートル×幅10メートル |
先週は長さ50メートル×幅10メートルでしたが、今週は長さ30メートル×幅10メートルほど。昨年と比較しても、先週は3週間ほど遅い状態でしたが、今週は3〜4週間遅い状態で、雪解けのペースがやや落ちています。
上端から −かろうじて滑走可能 |
雪渓下部のコーナーでも申し上げましたが、9月に入っても雪渓中段に積雪が残ることは、ここ数年ありません。
雲海 |
9月2日(土)の朝は、きれいな雲海に遠景の山並みがくっきりと浮かぶ光景を目にすることができました。これまでにも雲海を目にすることは何度もありましたが、夏場は気温の上昇により、空気中の水蒸気影響から、日の出直後でない限り、どうしても遠景がモヤっとした感じになってしまいます。遠景の稜線がはっきり見られるのは、空気中の水分の少ない秋の乾いた空気に入れ替わっているためです。
望遠鏡など特別な装備などなくても見られます |
こちらの画像は大雪渓入り口に一番近いトイレのある駐車場から、もうひとつ下にある駐車場方面を捉えたものです。ごらんのように、望遠鏡など、特別な装備がなくても、遠景の山並みをはっきりと観察することができます。
大雪渓駐車場から東方向(八ヶ岳方面) | 大雪渓駐車場から南東方向(南アルプス方面) |
剣ヶ峰まで登れば、360度の視界を楽しむことができますが、東北東から南東方向に開けている標高2600メートルの大雪渓駐車場からでも、浅間山方面から南アルプスまでの山並みを観察することができます。
■左の画像は八ヶ岳方面■
左の画像はほぼ東の方向を見たところ。八ヶ岳連邦を一望できます。@は百名山のひとつである蓼科山(たてしなやま−2530メートル)、その南側のA〜Dが八ヶ岳連邦で、Aは硫黄岳 B横岳、Cは八ヶ岳主峰の赤岳、Dは権現岳です。そして八ヶ岳の手前のEは鉢盛山です。
■右の画像は南アルプス方面■
右の画像は、ノリクラ雪渓カレンダーVol.13(2006/08/05) A と同じ方角のものですが、あまり詳しく紹介いたしませんでしたので再掲いたします。方角としてはひとつ上の画像をごらんになるとわかるかと思いますが、大雪渓駐車場から県道乗鞍岳線方向に沿って見るとそれらしい山並みを見つけられ、南アルプスを一望することができます。
@は南アルプスの北部に位置する甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ−2967m)、Aが仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ−3033m)で、Bが富士山に次ぐ第二位の北岳(きただけ−3192m)です。
富士山は、Aの仙丈ヶ岳とBの北岳の間付近に見えるようですが、大半が北岳に隠れてしまうようで、肉眼ではほとんど見られないようです。それにしても、第一の富士山が第二の北岳に隠されるのは皮肉ですね。
さらにC間ノ岳(あいのだけ−3189m)
D西農鳥岳(にしのうとりだけ−3050m)
E塩見岳(しおみだけー3047m)と南アルプスの峰々続きます。Fは中央アルプスの北端、経ヶ岳です。
高山植物と同様、すべてを覚えるのは大変ですので、目立つものだけから覚えれば、大雪渓での楽しみがまた一つ増えるでしょう。
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