ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.18(2006/09/09) C

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(Update:2006/09/14)

 

【高山植物】

黄色くなってきている部分があります

山肌が所々、黄色く変化し始めているのがお分かりでしょうか?ノリクラの紅葉はこんな感じから始まります。

 

コバイケイソウ(紅葉)−今年は花を咲かせませんでした

一番初めに紅葉しはじめるのは、高山植物のコバイケイソウ。高山植物の中では大型の部類に入りますので、遠くからでも紅葉する姿を確認することができます。

コバイケイソウは毎年花をつけないことで知られています。咲く年は一斉に咲き、咲かない年はどの株もまったく咲かないというきわめて変わった生態を持っています。近年では、2003年は咲きませんでしたが、2004年・2005年と連続して花をつけ、今年はまったく咲きませんでした。日照や土壌など栄養状態で開花が左右されるのは、クロユリなどでも見られますが、このように一斉に同じ現象を取るというのは不思議ですね。

 

ミヤマダイコンソウ(紅葉)

先週はきれいに開花したばかりのミヤマダイコンソウを紹介しました。こちらは8月上旬に開花したミヤマダイコンソウ。紅葉が始まりだしています。ノリクラではウラジロナナカマドやダケカンバといった紅葉を代表する木々よりも、これら高山植物の紅葉が一歩リードして色づきます。

このほか、チングルマ、ミヤマキンバイなどの高山植物もきれいに紅葉しますので、登山道沿い、スキーヤー専用道沿いなどで楽しむことができます。

ウラジロナナカマド(葉)

コバイケイソウやミヤマダイコンソウが紅葉を始めていますが、紅葉する木々の代表格のウラジロナナカマドは、ご覧のとおり青々としています。

 

ウラジロナナカマド(実)

例年なら、もう赤くなっていてもおかしくない実ですら、一部、赤くなり始めた程度です。

ベニバナイチゴ

秋の高山植物の観察は、紅葉を見ることだけではありません。こちらはベニバナイチゴ。ハイマツ林やウラジロナナカマドの脇には、密集して付く葉を大きく広げ、こんもりと付く葉の内側の様子は、まったく伺えないほど密集しています。

 

ベニバナイチゴ(実)

その葉をかき分けると、ご覧のようにかわいらしい実がなっているのを見つけることができます。大雪渓エリアでは、まだまだ、実がなり始めたばかりで、これからが楽しみなところです。

 

クロマメノキ(実) コケモモ(実)

どちらもまだ実がなり始めたばかりで、まだまだ青いもののほうが多い状態です。クロマメノキはクロウスゴのように実の先端が臼の底のように凹んでいません。これらきれいに色合いの実に熟していくはずです。

登山道 ウサギギクの群生

こちらは大雪渓から肩の小屋に向かう登山道。今年はまだまだたくさんの高山植物がこの時期になっても咲き、登山に訪れる方々も、足を止めながらウサギギクの群生を楽しみます。

岩の隙間から...

そんな中、登山道に積み上げた岩の隙間からこちらを凝視するものがいます。

 

ホンドオコジョ

オコジョです。まるでもぐら叩きのように、あっちの隙間から顔を覗かせたと思ったらこっちへと...しきりにこちらの様子を伺っています。

 

ホンドオコジョ − ライチョウの天敵であるがレッドデーターブックに掲載される絶滅危惧動物

体長は20センチほど。日本には本州中部から青森にかけて生息するホンドオコジョと、北海道に生息するエゾオコジョの2種だけで、虫やノネズミなどのほか、時には自分より大きな動物も捕食し、ライチョウの天敵とされています。しかし、このホンドオコジョもライチョウと同様に保護の対象とされていて、環境省のレッドリスト(レッドデータブック)の「準絶滅危惧(NT)」のカテゴリーに分類されるとともに、長野県の天然記念物にも指定されています。

ちなみに、ライチョウは、環境省のレッドリストでは、オコジョの「準絶滅危惧(NT)」より、一つランクの高い「絶滅危惧U類(VU)」のカテゴリーに分類され、文化財保護法による国の特別天然記念物に指定されています。

 

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