ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.23(2006/10/15) C

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(Update:2006/10/19)

 

【高山植物】

チングルマ(実・紅葉)

高山植物のだんだん終わりに近づいてきました。こちらはチングルマ。真っ赤に色を染めて、今が一番ピークの色合い。

 

クロマメノキ(実・紅葉)

大半のクロマメノキは落葉していますが、大雪渓エリアでは一部、少し暗めの紫から赤の紅葉を見せてくれる箇所があります。そろそろ、大雪渓エリアでも高山植物の季節は終わりに入ろうとしています。

石を積み上げてできた隙間には... 小さなねずみのような生き物が俊敏に

さて、このように石が積み上げていて、石と石の隙間がいくつもできる環境がいろんなところにあります。ここを、小さなねずみのような生き物が行ったりきたりと忙しそうです・

 

ホンドオコジョ

ホンドオコジョは、夏場は茶色と白の体毛を持ちますが、冬は全身真っ白の装いになります。今回の画像では尾が写っていませんが、冬毛になっても、黒い尾先だけはそのままのようで、ホンドオコジョの特徴になっています。ホンドオコジョは ノリクラ 雪渓カレンダー 2006シーズン Vol.18(2006/09/09) C でも紹介しています。そちらでは全身の画像もありますので、ご覧ください。

国内では、環境省のレッドリスト(レッドデータブック)の「準絶滅危惧(NT)」のカテゴリーに分類されていますが、海外では真っ白の冬毛に覆われたオコジョは高級毛皮として扱われています。

 

ハイマツ・ダケカンバ・ウラジロナナカマドの林

そしてこちらにも動物の姿を目にすることができます。紅葉の終わったダケカンバやウラジロナナカマドの林の中で、ミシミシと枝を折りながら進んでいく様子を観察することができます。枝が折れる音の大きさから、小さな動物ではないことは間違いありません。

 

ツキノワグマ − 信州では害獣でも、四国・九州では絶滅危機

姿を現したのはツキノワグマ。見た限りでは体長は1メートル20センチ程度。こちらの存在に気づかず、上のほうへ登りはじめましたが、クマ鈴を鳴らすとすぐに気がつき、進路を下に向けて、この場を立ち去っていきました。

通常、ヒトへの警戒心が強いため、人間の発する音などで早期に気がつけば自ら立ち去っていきます。この日は、大雪渓内の新雪にクマの糞や足跡を見つけたという情報もあり、注意が必要です。早期に気がつけば、クマの方から立ち去っていきますが、岩陰などで、突然、鉢合わせした場合は、不測の事態となります。大雪渓のような広々としたエリアで見通しがよいので大丈夫と侮らず、クマ鈴・ラジオの携帯をお勧めします。

秋口は、ミズナラ、コナラなどのどんぐり類を探して、歩き回りますが、今年は長野県では、全般的に、どんぐり類の不作が報じられ、人里に姿を現すケースが多くなっています。

ツキノワグマは本州以南に生息する唯一のクマで、クマとヒトとのトラブルが連日報道されますが、九州ではすでに絶滅したと考えられ、四国においても、絶滅寸前とされるほど、生息数が減少し、環境省のレッドデータブックでは、紀伊半島、東中国地域、西中国地域、四国山地、九州地方、下北半島の6地域で絶滅の恐れがある、「地域個体群(LP)」のカテゴリに指定されています。

 

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