ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.25(2006/10/29) @

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(Update:2006/11/10)

 

【大雪渓】

今シーズン最後のノリクラ雪渓カレンダーです。例年、10月最終週は、長野県側の県道乗鞍岳線、岐阜県側の乗鞍スカイラインともに、積雪凍結により、通行止めが続き、そのまま、冬季閉鎖に入るパターンが一般的になっていますが、今年は、10月中旬の三連休とその前後に、積雪凍結通行止めがあった程度で、そのほかは、ほとんどの日が通行できる状態でした。県道乗鞍岳線では、24日(火)に夕方から通行止めになったものの、その後は、再び開通しました。また、27日(金)は、始発便が運休になったものの、その後は通常通り運行再開となり、午後からの降雪が、最終便が畳平を出発する頃には横殴りの状態になりました。しかし、28日(土)は、始発便から問題なく運行され、降雪があっても積雪凍結しない状況は、10月後半としては異例の状況です。また、各地で10月の気温が高い状況が見受けられますが、ノリクラにおいても例外ではありませんでした。

今回も先週と同様、28日(土)・29日(日)ともに快晴の二日間でした。大雪渓・畳平の気温は日が翳ると急激に低下するものの、日中は、強い日差しで、小春日和といった表現が当てはまるほどの状況。あと数日で冬季閉鎖に入るとは到底想像できないほどの気候でした。畳平の施設では、急な降雪へ対応して、いつでも営業を終えることができるよう、店じまいの準備を行っていましたが、予想に反して降雪がなく、片付け作業の進んだガランとした店舗で、とりあえず「お店だけ開けておく」といった営業スタイルをとっていました。

10月7日(土)〜8日(日)の降雪から三週間が経過し、このときに降った雪はほとんどなくなっています。状況としては、降雪の前の週の状況に戻っているといったほうが正解かもしれません。
大雪渓の積雪量は、これまで、例年より多い状態が推移していましたが、この降雪でさらに遅れ、最終的には昨年より、2ヶ月以上開きとなりました。過去にもこれだけ残っている状態はないと思います。

先週、ほぼピークを迎えた乗鞍高原の紅葉は、落葉が進み、見頃が過ぎてしまいました。昨年より一週間程度早い状態です。

今回は、10月28日(土)と10月29日(日)の画像を織り交ぜながらお伝えいたします。今回は雪渓の各コーナーにトピックスを掲載し、いつもと同様、 紅葉情報 を掲載していますので、あわせてご覧ください。また、今回はコンテンツが多いため、下記に目次を掲示いたします。

◎ 今回の目次

観光センター前
紅葉情報−乗鞍高原
紅葉情報−善五郎の滝 駐車場
紅葉情報−鈴蘭橋、三本滝
雪渓下部  − ◎Topics 最後のヒルクライム
高山植物
雪渓上部 T  − ◎Topics リカンベント
雪渓上部 U  − ◎Topics 最後の畳平
雪渓上部 Uつづき
10 あとがき
11 おまけ

 

【観光センター前】

観光センター前駐車場

10月28日(土)、朝7時の観光センター前駐車場です。ご覧のようにガランとした状態で、こんなに広々とした駐車場を拝見するのは、8月下旬のマウンテンサイクリング大会で駐車禁止の措置が取れた時以来、久しぶりのことです。この時点では、10台程度の車が止まっている程度の過ぎません。
なお、マウンテンサイクリング大会の模様について、大会前日分は掲載いたしましたが、当日の模様が遅れております。近日中に掲載を予定しております。大変お待たせいたしておりますが、もうしばらく、お待ちくださいますようお願いいたします。

 

畳平のバスターミナル内は営業終了

シャトルバスのチケット売り場に掲示されている案内に、畳平バスターミナル内の食堂などがすでに営業終了している旨が記載されています。この時期の降雪は、急に、しかも、まとまった量が降ることがあり、前もって、閉店の準備をしておかないと、とても間に合わない状況になってしまいます。したがって、この時期、ターミナル内の店舗が閉店になっても、致し方ないと思います。

 

それでも、最後の週末を山頂で楽しもうという方々がシャトルバスに乗り込んで行きます。

 

シャトルバスの車掌さん

こちらはシャトルバスの車掌さん。取材活動の中で、どこかで、また、どこかの時間帯の便で必ずお会いします。観光センターにシャトルバスが到着し、乗客の方々の改札の合間のお話しから、「紅葉が綺麗になってきたよ。」とか、「昨日は雪が降ったよ。」など、ちょっとしたナマの情報を教えてくれます。

路線バスの大半が、ワンマンカーという時代で、バスの車掌さんという存在が、珍しい状況になりつつあります。現に岐阜県側のシャトルバスは、途中にバス停がない関係もあって、運転手さんだけのワンマンカーになっています。しかし、ヘアピンカーブでの安全確認や、無線による待避所などの連絡業務など、改札以外にも、車内でのさまざまな作業があり、県道乗鞍岳線という特殊な路線では、運転手さんの負担軽減など、なくてはならない存在です。

ぜひ、また、来年もこの場所でお会いできることを楽しみにしております。

さて、バスに乗り込もうとしている、こちらのご家族...

 

偶然の再会 − 前回は親子三人ヒルクライムで

以前、ノリクラ雪渓カレンダーVol.9(2006/07/08) A でご紹介し、子供さんを背負って三本滝から7時間をかけてヒルクライムされたご家族です。偶然の再会で、背負子もそのときと同じもののようです。天気がよいうちに山頂方面の風景を楽しむため、今回はシャトルバスであがるとのこと。バスの改札の合間で、また、取材の都合から、せっかくの再会にもかかわらず、あまりお話もできず、大変失礼いたしました。ぜひ、また来年も、元気にヒルクライムされている姿でお会いできることを楽しみにしています。

観光センター前駐車場の朝は、やはりこちらの方々を忘れてはなりません。

 

タクシーの運転手さん

始発のシャトルバスが観光センターに到着する前には、もう何台かのタクシーが駐車場で待機し、利用される乗客の訪れるのを待ちます。同じく、マイカー規制が実施されている上高地で営業をされる日もあるようですが、上高地よりもノリクラのほうが、お客さんとの会話が弾んで、やっぱりこちらのほうがいいと、おっしゃる運転手さんもいらっしゃいます。

 

もちろん、運転手さん同士が集まれば、それはそれで、会話が弾みます。「オレはコマクサだけど、お前はよそ者だからセイヨウタンポポだ!」などと、冗談交じりの会話の中にも、ノリクラならではのネタが盛り込まれています。仲がよいのか悪いのかよくわかりませんが...

ちなみに、ノリクラに限らず、下界種が高山帯に侵入するケースは多く、セイヨウタンポポのほかにも、山野草であるイタドリも、オンタデやウラジロタデに混ざって、かなり上部まで自生しているのが確認されます。これは、気候の変化や、種子が登山者の足跡やクルマのタイヤに付着して運ばれるためと考えられています。

さて、ノリクラでの仕事もあと数日を残すところ。来年もこの場所で、お会いできることを楽しみにしています。

 

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