ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.3(2007/03/24) D

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(Update:2007/03/29)

 

【位ヶ原山荘からツアーコースへ】

位ヶ原山荘からツアーコースへ戻るルートについて紹介いたします。通常、位ヶ原・大雪渓からツアーコースへ降りる際には、このルートは使用しませんが、春スキーバスで位ヶ原山荘に来たときは、登山道で宝徳霊神方面を経由するか、このルートでツアーコース入口まで出て、大雪渓に向かうことになります。

県道乗鞍岳線をそのままトレースしていきますので、冬山を経験されている方なら問題はないかと思いますが、何箇所かは注意が必要な点があります。

【ご注意】 これまでにもツアーコースを経由した位ヶ原・大雪渓へのアクセスについてご紹介しておりますが、ある程度の経験がある方を対象としておりますので、初めての方は、必ず経験者との同伴にて行動していただきますようお願いいたします。

 

位ヶ原山荘から県道乗鞍岳線を登っていきます。右の画像は橋を渡って車道が次のヘアピンカーブまで急な直線部分に差し掛かる手前の部分の斜面です。

 

雪崩の好発斜面 必ず上部斜面の様子を確認して

この斜面は雪崩の好発箇所で、今回の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.3 C で、すでに雪崩れた様子をお伝えしたように、県道乗鞍岳線を直撃します。この箇所を通過する場合は必ず、上部の様子を確認しつつ、途中で休憩することなく通過されたほうがよいでしょう。

車道をまっすぐ進みます 急斜面をトラバース − スノーシューにはつらい

ここを通過した後は車道に沿ってすすみますが、次のヘアピンカーブにたどり着くまで急斜面をトラバースします。シールであれば、問題ありませんが、スノーシューで急斜面のトラバースはコツが必要です。この時期に冬山を歩きまわっている経験のある方なら、このようなシチュエーションは珍しくないかと思いますが、平地の雪原しか経験のない方だとかなり危険です。両サイドにしっかりとした歯のあるタイプが必要でしょう。

 

車道沿いに進みます

直線を登りきり、ヘアピンを曲がると、平坦な状態になります。この後はツアーコースの入口まで、車道をすすんで行きます。

 

白一色

遠景の山並みも見えるようになってきます

秋ならダケカンバの紅葉で黄一色に染まる山肌も白一色の光景。遠くには穂高の山並みも確認できます。

 

高天ヶ原が見えてきます 右手の斜面も雪崩の好発箇所

しばらく進むと、高天ヶ原が見えるようになってきます。そして、車道右手の斜面にダケカンバなどの樹木がなくなり、開けた感じに差し掛かったところが雪崩の好発箇所です。

 

雪崩に注意。静かにトラバース

通過中の下部の斜面(切りとおしがない点に注意)

開けた感じになってきましたが、ツアーコースはもう少し先です。ここを通過する際にも右手の斜面の状態を確認しながら、静かにトラバースする必要があります。左の画像の中央に見えるダケガンバの木々の向こうがツアーコースです。

左の画像の左下の様子が右の画像です。ツアーコースの入口付近とよく似ていますが、ツアーコースの切りとおしがありません。間違えないように注意が必要です。

 

さらに進んでダケカンバの木々を超えると、すり鉢状の斜面が見えます。ツアーコース入口です。

 

ツアーコース入口

切りとおしの箇所を確認することができれば、ツアーコースに到着です。有視界状態であれば、ご覧のように問題なくたどり着くことができますが、霧で視程が悪くなったときは、こんな簡単なコースでも迷う危険性があります。

 

ツアーコース隣の谷へ間違えないように

ツアーコースの入口部分を行過ぎると、すぐ横に谷があり、間違えてそちらのほうへ進入しないように気をつけなければなりません。この沢は途中で滝があり、滑り降りることはできません。

特に、大雪渓方面から滑り降りてきたとき、少し右に巻きながらコース取りをすると、ツアーコースと隣の沢の鞍部分に近いところに出て、天候の悪いときは間違える危険性があります。必ず経験者との同伴のもとで行動されるようお願いいたします。

 

 

<編集後記>

今回は二つ玉低気圧とその低気圧から伸びる前線の影響で、天候が悪化し、降雪の次に雨が降って、いろんな箇所で雪崩が起きていました。位ヶ原の濃霧もひどく、大雪渓には向かうことができませんでした。本来、このような天候のときは、最初から山に入らないというのが鉄則で、多くの方が24日(土)の午前中に下山していました。

3月のノリクラの状況をお伝えしていますが、どの週も決してよいコンディションとはいえません。先週は最高気温がマイナス8℃の極寒の状態。今回は風雪・大雨・濃霧でどちらを向いているのかすらわからなくなるほどの状態。夏のノリクラとはまるで環境が異なります。したがって、夏の大雪渓の状態を熟知していても、それだけではダメで、少なくとも、位ヶ原やその周辺の位置関係・地形は知っていないと、この時期に訪れることは無理です。

当WebSiteでルートなどを詳細を紹介をしていますが、有視界状態での状況しか紹介しておりません。したがって、天候が急変したときのことを常に想定し、経験者との同行でお越しになることを強くお勧めいたします。

 

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