ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.5(2007/04/15) F

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(Update:2007/04/19)

 

【光と影のグラデーション】

午後になると雲が立ち込める

午前中はきれいに晴れ上がっていても、午後になると、雲が立ち込め始め、春の日差しを覆い隠すようになってきます。

 

沸いては消えてまるで生き物のような動き

山頂付近にかかり始めた雲は、ノリクラの西の山肌から湧き上がり、まるで山頂付近から噴煙が上がっているかのようです。湧き上がる雲は、沸いては消えて、まるで何か生き物のように絶えず変化を繰り返します。

逆光に照らされた雲は、雪の白さなどとはまるで異なった、まるで筆で一つ一つ書き上げたようなきれいなグラデーションが見事です。また、そのグラデーションのそれぞれが、微妙に変化していくさまを見入ってしまうと、山麓からここまでやってきた疲れなど一瞬のうちになくなってしまいます。

 

光と影のグラデーション

その雲から零れ落ちる光と影のグラデーションは、フラットで真っ白な大雪渓をまた別の表情に変えてしまう力があります。少し現実離れした光の変化の様子は、なかなかめぐり合うことはできません。自然の銀幕に自然の演出が人々を魅了することは間違いないことは確かです。

 

いかに丸く、いかにメリハリのある、きれいなラインを刻めるか

太陽が傾き始めると、何もないバーンの上に、自らが彫ったトラックに斜陽にあたり、その陰影をより鮮明に映し出してくれます。今日も大雪渓を繰り返し繰り返し滑り、ご自身のシュプールを写真に撮っていらっしゃる方がお見えになりました。

いかに丸く、いかにメリハリのある、きれいなラインを刻めるか?スキーヤーにとって永遠のテーマーであることは間違いありません。

 

斜陽に雪肌の細かな表情が浮かび上がる

日中、正面からの日差しに照らされ、なかなかわからない雪肌の細かな表情が、斜陽になると、はっきり浮かんできます。フラットに見える一枚のバーンにも細かな模様があります。圧雪をかけるゲレンデでは絶対に拝見できない雪の表情も、今日のような斜陽がきれいな天候の時しか確認できません。こんな日にめぐり合えたら最高でしょう。

 

もうすぐ日没、最後の最後まで透明感あふれる空が広がっています

すでに17時を回り、太陽は剣ヶ峰の反対側に落ちています。今日は本当に一日きれいに透明感のある空が続きました。高天ヶ原にたなびく雲が赤く染まります。ここからツアーコースを滑り降りて帰る必要がありますが、もう少しここで空の青さと透明感を味わっていたい...そんな気分にさせられます。

 

 

<編集後記>

3月9日取材分から始まり、2007ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は今回で5回目を迎えました。当初は、例年、5月中旬からスタートするノリクラ雪渓カレンダーの正式版を開始するまでの期間を補完する意味合いから開始したものの、ほとんど、正式版と同じ程度のボリュームと更新間隔となってしまいました。おそらくこのペースで5月中旬の正式版へとつながっていくかと思いますが、どうか、これからもご愛読の程、よろしくお願いいたします。

今回は一日だけの取材で、すべてのエリアを回る必要がありました。当初、午後は天候が崩れる予報でしたが、幸いにも午後のほうがよいくらいの状態で、さらに夕方近くの斜陽はすばらしいものでした。

実はこれまで帰りのツアーコースを紹介していません。この時期にノリクラに滑りにこられる方なら、ある程度想像ができると思いますが、昼を過ぎたら要注意です。圧雪などされず踏み荒らされ、さらに日中解けたものが午後になって冷え込むと、そのままの状態で凍ります。もし、ツアーコースを楽しく滑り降りたいのであれば、日が傾く前にツアーコースを降りられることをお勧めします。

もうすぐ、GW(ゴールデンウイーク)が始まります。春スキーバスの運行はまだ未定ですが、多くの方がお越しになることが予測されますので、アイスバーンになる前に、早めにツアーコースを下って、山麓でゆっくりされるのもよいでしょう。

 

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