ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2007/06/09〜10) B
【肩の小屋へ】
分岐点−左が肩の小屋、右がコロナ観測所 |
こちらが肩の小屋とコロナ観測所の分岐点。ほとんど何も見えませんが、昨年とほぼ同じ積雪量です。
肩の小屋から先は踏み跡がなく引き返す | 手前の2枚目のフェンスが出てきた |
コロナ観測所との分岐点から肩の小屋へは、雪の斜面をトラバースしなければいけない所が3箇所あります。こちらは1箇所目の分岐点からすぐのところ。しばらくこの付近の撮影をしていたところ、帰ってこられる方とすれ違います。肩の小屋まで行ったものの、その先の稜線に向うルートには踏み跡がなく、この濃霧の中、どこを歩けばよいのかわからず、あえなく引き返してこられたそうです。
おそらく、雪解けと昨日の降雪で踏み跡が消えてしまったものと思います。しっかりとついていて消えそうにも思いませんが、平日など、訪れる人がいない状態が2〜3日続けば、消えてしまっても不思議ではありません。
右の画像の落石防止のフェンスが、先週は一枚だけ見えていましたが、今週に入り、手前の2枚目出てきています。
2番目のトラバース箇所(魔利支天岳山頂直下) |
こちらは2番目のトラバース箇所。こちらに関しては先週と余り大きな変化はありません。
3番目のトラバース箇所 |
そして、肩の小屋の手前のトラバース箇所では、座り込んでいる方がいらっしゃいます。
ノリクラは初めて − ボーイスカウトの下見で | これ以上は無理判断されて下山 |
ボーイスカウトの夏登山の下見に来られたとのこと。ノリクラは初めてで、この濃霧の中、とてもこれ以上進めないと判断して、引き返すところだったそうです。肩の小屋から稜線方面は、まだ、夏道が雪の下で、初めての方でなくても、迷ってしまう確立がかなり高いと思います。
【肩の小屋】
こちらは肩の小屋。
先週は屋根の少し下の辺りまで積雪がありましたが、ご覧のように屋根から1メートルくらいまで下がっています。
8日(金)の降雪で雪化粧 | 新雪は3センチほど |
小屋の西半分は前述のとおりすっぽりと雪に閉ざされていますが、東半分は地面が出ていて、6月8日(金)の降雪でうっすらと雪化粧しています。
このときの気温は4℃ですが、かなり柔らかめの雪質で、右の画像のように、所々で踏み抜いてしまうほどです。ただ、その断面を見ると、3センチほどの真っ白い新雪が古い雪質の上に積もっている様子がわかります。
次第に視界が開ける |
それまで30メートルにも満たない視界が、次第に抜けてくるようになります。
位ヶ原山荘から3時間かけてやってきました | バスの時間を気にしながら下山 |
肩の小屋の軒先で休憩していたこちらの方々、すぐ近くにいらっしゃったのですが、濃霧のため、全く気がつかなかったほどです。今日は位ヶ原山荘行きの春スキーバスでやって来て、山荘から3時間かけて登ってこられたそうです。
すでに14時近くになり、帰りのバスが気になり始める時刻で、ちょうど霧も抜けて、今のうちなら、ルートを迷わずに位ヶ原山荘に戻ることができます。
肩の小屋周辺 − 昨年より1ヶ月遅い雪解け |
霧が抜けてようやく周辺の撮影ができる状態になりました。肩の小屋の周辺は先週と比べて、50センチほどの雪解けです。雪解けの量としては、特に多いというものではなく、昨年より、1ヶ月ほど遅い雪解けです。
ハイマツ隊とキバナシャクナゲの緑 | キバナシャクナゲはまだまだつぼみ |
雪解けとともに、ハイマツ帯やキバナシャクナゲの木々が多くなってきました。雪面から出たばかりのキバナシャクナゲはまだ小さなつぼみですが、少し上の方のキバナシャクナゲでも、右の画像のようなつぼみの状態です。開花はもうしばらくかかりそうです。
雪解けの進んだ風衝地では... |
トウヤクリンドウが若葉をつけている |
常緑のハイマツやキバナシャクナゲだけでなく、こちらのトウヤクリンドウもそこかしこに、若葉をつけ始めています。昨年の秋の花がそのまま残っているので、トウヤクリンドウであることがすぐにわかります。一番初めに若葉をつけて、一番最後に花をつける...夏の短い時期に、若葉から開花・結実までを終わらせてしまう高山植物が多い中、トウヤクリンドウの長い3ヶ月が始まります。
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