ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.6(2007/06/16〜17) G
【6月17日(日)、野鳥観察会】
早朝6時、野鳥観察会 |
6月17日(日)、今日も良く晴れた一日が始まりました。6時の気温は8℃。小鳥のさえずりが響き渡る中、位ヶ原山荘では野鳥観察会が行われました。標高2350mの亜高山帯で見られる鳥を中心に、ノリクラで雷鳥の研究を進める専門の方の解説のもとで観察会が始められます。
早速何かを見つけました。 |
ビンズイ |
歩き始めて数分、早速何かを見つけましたね。
図鑑で解説 |
「ビンズイは標高の高いところ繁殖する鳥で、シラビソのてっぺんなど高いところに目立つようにとまるので、すぐに見つけられますよ」と、図鑑を見せながら丁寧に解説されます。
@ 耳で鳴き声を聞き分ける | A 鳴き声の方向を双眼鏡で確認 |
山の中で、鳥を見つけるには、最初に耳で鳴き声を確認し、その後、鳴き声の方向を双眼鏡で探します。双眼鏡は8〜10倍程度のものが適しているとの事です。
あぁ〜、いっちゃったぁ〜 | 移動しながら探します |
木に止まった鳥たちを双眼鏡で見つけても、望遠鏡をセットするまで待ってくれません。移動しながら、今日のお目当てのルリビタキを探します。
沢沿い | 沢沿いにはこんな鳥が集まっているんですよ |
沢沿いなど、少しエリアを変えると、そこにはまた別の鳥を見つけることができます。
位ヶ原山荘から冷泉小屋までの間の区間を車道沿いに降りて、鳥の声を聞いては双眼鏡で確認する作業を繰り返します。
キセキレイ | ルリビタキ |
キセキレイ、ルリビタキなど、約一時間ほどの間に数種類の鳥を観察することができました。
毎週土日の早朝実施しています |
位ヶ原山荘では、毎週土日の早朝、前日の宿泊者を対象に無料で野鳥観察会を行っています。朝の散歩にちょっとしたエッセンスを付け加えるつもりで、気軽に参加されてはいかがでしょうか?
【大雪渓へ】
春スキーバスでお越しになったスキーヤー・ボーダーの方々が一斉に登って行きます |
それでは、位ヶ原山荘から屋根板方面を経由して大雪渓に向かいます。今日も春スキーバスでやってきたスキーヤー・ボーダーの方々が、一斉に登ってゆきます。
速報でお知らせいたしましたが、来週の日曜日、6月24日(日)は、三本滝ゲートから大雪渓駐車場までの区間で、天空マラソンが実施されます。そのため、当日の春スキーバスは運休されますので、ご注意ください。
雪解けとともに木々が活動を始める | ウラジロナナカマドの新芽 |
雪解けとともに、雪の中から色々な木々が深い眠りから起き上がり始めます。こちらのウラジロナナカマドは、その先に若葉となる新芽を天に向かって伸ばし始めています。
ミヤマハンノキ(冬芽) |
こちらはミヤマハンノキ。まだまだ、固い冬芽をしています。
ミヤマハンノキ | 垂れ下っているのが雄花 =カバノキ科特有の光景= |
しかし、少し下の道路沿いでは、ご覧のように、花が咲き始めています。カバノキ科特有の長く垂れ下がったのが雄花序、反りあがってこれから咲こうとしているのが雌花序です。ミヤマハンノキは、雄花序が2個から数個まとまっていてるのが一つの特徴です。
同じカバノキ科で、同じようなところに分布するダケカンバの芽吹きも、そろそろはじまっていますが、もう少し先のようです。
ハイマツの研究でお越しになりました |
こちらの方は、ハイマツの調査でノリクラに定期的にお越しになっています。ハイマツ帯の美しさはやはりノリクラの特徴の一つです。こちらの方の研究は、低温で日照を受けた場合のハイマツの葉の損傷の実態を調べることだそうです。
高校の生物の授業を受けた方なら、ご存知かと思いますが、光合成は光のエネルギーを取り込む第一段階の過程(光化学反応)と、そのエネルギーから二酸化炭素を糖に変える第二段階の過程(炭素固定反応)の二段階で進みます。低温になると、第二段階の酵素の働きがストップし、第一段階の光化学反応だけが進んで、そこで産出されたものが、葉に悪影響を及ぼすそうです。したがって、冬場に日光を浴びたハイマツはダメージを受け、夏になっても成長が遅くなるようです。
さて、これがノリクラのハイマツ帯とどういう関係があるかといえば、今後、温暖化で積雪量が少なくなると、冬場でも日の光を浴びることとなり、その場合のハイマツの生育状況が危惧されます。
ノリクラには、雷鳥の調査の方など、色々なテーマで調査研究を進められている方に出会うことができます。
自然が作り出したものは、その条件に適合しながら、ぎりぎりのラインで自生しているものばかりであることが知らされます。
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