ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2007/06/23〜24) B

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(Update:2007/06/28)

 

【肩の小屋へ】

分岐点−左が肩の小屋、右がコロナ観測所

こちらは肩の小屋とコロナ観測所の分岐点です。先週は右側のコロナ観測所に向かう道路の脇に積雪が残っていましたが、ご覧のようにすっかりなくなっています。

 

左の低いが壁が1.5メートル、右の手前の切り立った部分で2メートルほど

こちらは分岐点から肩の小屋方面の車道を見たところ。両側に雪の壁があります。先週は左の低いほうが高さ2メートル、右の高いほうが手前の切り立った部分で2.5メートルほどでした。今週はそれぞれ1.5メートルと2メートルほど、先週と同様、昨年より1週間ほど遅い雪解けです。

 

大雪渓全景 −昨年より3週間〜0週間遅い雪解け 位ヶ原方面 − 位ヶ原山荘へは駐車場南の沢から滑走

大雪渓全体を見ると、徐々にハイマツの面積のほうが多くなってきているのがわかります。特に高天ヶ原方面では沢筋に少し積雪が残る程度になってきました。山頂付近でも特に肩の小屋から朝日岳山頂に向かう付近の雪解けが目立ちます。個々のエリアの積雪状況は、後述の各コーナーでご案内しますが、全体としては山頂付近など上部は昨年より3週間程度、大雪渓エリア内は昨年とほぼ同じ程度の状態で、若干、雪解けのスピードが速くなったようです。

位ヶ原方面もハイマツの面積がかなり多くなってきました。これまで、春スキーバスを利用された方が下り便に乗車するために位ヶ原山荘まで滑走して帰ります。通常のルートは、大雪渓駐車場のトイレの沢から、宝徳霊神バス停のある5号カーブをかすめるように左方面に向かって滑り降り行きますが、トイレからの沢がご覧のように分断されていますので、駐車場の南側の沢から滑り始めてください。そのまま滑り降りれば、同じ5号カーブのところに出ます。

 

2番目のトラバース箇所(魔利支天岳山頂直下)

雪渓下部に続く急斜面 − 昨年より1週間遅い状況

こちらは分岐点のところから数えて2番目のトラバース箇所。先週は大雪渓側に積雪が1メートルほどありましたが、ご覧のように高さはほとんどなくなりました。昨年より1週間ほど早い状況です。また、右の雪渓下部に続く急斜面は、先週は昨年よりも2週間ほど遅い状況でしたが、今週は1週間程度に短縮し、今週は雪解けが多かったようです。

右の画像の遠景には、左側に八ヶ岳、右側の南アルプスがあります。これまで個々の画像はご紹介いたしましたが、連続しているものをご覧になると、大体の位置関係がわかるかと思います。(八ヶ岳、南アルプスの詳しい説明は、 2006ノリクラ雪渓カレンダーVol.17(2006/09/02) B Topics - 大雪渓から見られる遠景の山々 でご紹介しておりますので、そちらのページを再度ごらんください。)

 

雪渓下部全景 クレパス

2007雪渓カレンダーVol.4(2007/06/02〜03) B で雪渓下部のクレパスをお伝えしてから3週間が経過しますが、あまり大きく成長していないようです。詳細については【雪渓下部】にて紹介いたします。

 

ライチョウの調査 − 9月までほぼ連日 今日は雌のライチョウ見かけませんでしたか?

こちらの方はライチョウの調査を行っています。春から9月末くらいまで、ほぼ連日、調査を行っています。「今日は雌のライチョウ見かけませんでしたか?」と、お聞きになります。「もうそろそろ抱卵期に入り、なかなか、巣からでてこないんですよ。」と、おっしゃるのです。

つい2週間ほど前までは、ツガイが餌をついばむ姿を見かけたのですが、最近は雄ばかり。抱卵期の雌は1日に30分程度しか巣から出ないと言われ、その短い間に食事や排泄を済ませてすぐに巣に戻るため、なかなか見つけられないようです。

ノリクラでのライチョウ調査は、足輪の装着で個体識別調査が実施されていますが、冬の生態など、まだまだ不明な点も多いとのこと。このような地道な調査が、ライチョウの保護につながって行きます。

 

 

【高山植物】

キバナシャクナゲ(つぼみ)

さて、高山植物も雪解けが進むにつれて、その種類と数がだんだん増えて行きます。3週間ほど前からつぼみを見せ始めたキバナシャクナゲは、開花直前に近い大きさになっています。ただ、ほかの株はまだつぼみは小さく、今年は7月にずれ込みそうです。

 

自生する場所や形もふきのとうそっくり...

さて、自生する場所もその姿など、どうみてもふきのとうに見えてしまうこちら植物もれっきとした高山植物。

 

ハクサンイチゲ

よく見るとハクサンイチゲの新芽であることがわかります。大雪渓や位ヶ原では、キバナシャクナゲに次いで、もっとも早く咲く高山植物の一種です。例年だと、この時期になると、開花を始めますが、もう少し時間がかかりそうです。

 

ウラジロナナカマド(若葉) すでにつぼみをつけ始めています

そしてこちらはハイマツに次いで、ノリクラを代表する高山植物、ウラジロナナカマドです。曇天で暗い条件の中、ただ、一人だけ蛍光色を発しています。葉の中にはすでにつぼみをつけ始めています。

 

ベニバナイチゴ − 枯れ枝から若葉が...

こちらは枯れ枝から突如新芽が出ている様子が見られます。枯れ枝に見えるベニバナイチゴは木の仲間。したがって、草の仲間が1年ごとに枯れ枝となってしまいますが、木の仲間は落葉して丸坊主になっても、再び翌年春を迎えると、芽吹きを始めるのです。

 

若葉だけでなくすでにつぼみも

よく見ると、一番上の葉の中につぼみがあるのを確認することができます。このつぼみも、もう少し時間が経つと下向きになってきますが、真紅の色が恥ずかしそうにうつむき加減に咲く様子が見られるのは、まだ1ヶ月程度かかりそうです。

 

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