ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2007/06/30〜07/01) C

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(Update:2007/07/05)

 

【高山植物】

キバナシャクナゲ(花) − 昨年より2週間遅れで開花

キバナシャクナゲがようやく開花を始めました。大きな淡いクリーム色の花弁がハイマツ帯の中で咲き誇る様子を見ると、いよいよ高山植物の季節がやってきたと感じるものです。

 

雌しべ1本、雄しべ10本

画像の花の中を数えていただくをお分かりになるかと思いますが、全部で11本あるはずです。少し黄緑掛かった一番太いものが雌しべ、それを取り囲むように少し短めの10本が雄しべです。

雄しべの花粉がめしべに届いて受粉が行われますが、昆虫などを介した他家受粉(別の花の花粉で受粉すること)が一般的です。高山帯における主な訪花昆虫はマルハナバチで、ずんぐりとふさふさした体にいっぱい花粉をつけ、花から隣の花へと巡回します。また、キバナシャクナゲは自家受粉して結実まではするものの、種子の形成率は極端に低下するようです。

 

ミヤマタネツケバナ(花)

そして同じような時期に開花し始めるのがこちらのミヤマタネツケバナ。全体の高さは5センチにも満たないもので、よく見ていればわかりますが、この時期に同じような花にイワハタザオがあります。大きさ、花のつき方、葉の形が違いますので、慣れてくれば、ぱっと見ただけで判断できるようになってきます。

ちなみにミヤマタネツケバナはミネガラシと別名があります。そして県道乗鞍岳線沿いで、同じようにこの時期に咲く、ヤマカラシという高山植物があります。見た目も大きさもまったく別物です。機会があればまたヤマカラシもご紹介したいと思います。

 

ハイマツ 昨年の実と今年の花

こちらはハイマツ。よく見るとつぼみをつけ始めています。ハイマツの実は結実してからいわゆる「マツボックリ」になるまで2年かかります。右の画像では、結実した赤い実(左)とつぼみ(右)が並んでいます。赤くなっているのが昨年結実した実で秋には成熟し、そのころになるとあちこちでホシガラスが首を思いっきり振ってもぎ取る光景を目にすることができるかと思います。

つぼみは1ヶ月程度すれば開花をはじめ、ハイマツの濃い緑のじゅうたんの中に、赤い雄花のコントラストがかなり目立つことでしょう。

 

ウラジロナナカマド(新緑とつぼみ) 釜戸に七回くべても燃えない木も、
実の方は一冬越せばごらんのよう

ウラジロナナカマドもそろそろ白い花を咲かせようとしています。よく見ると今年のつぼみの脇には昨年の実が朽ちた状態になっています。木のほうはかまどに七回くべても燃えないといわれますが、実の方は一冬越せばごらんのような状態になってしまいます。

そして、つぼみがついている枝をよく見ると、真上に伸びようとしています。ウラジロナナカマドの特徴である、実が真上に向かって伸びる様子は、こんなつぼみの時期から見ることができます。

 

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