ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.10(2007/07/14〜15) C

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(Update:2007/07/19)

 

【高山植物】

ハクサンイチゲ − 昨年より1週遅れの開花

大雪渓周辺はノリクラの中でも高山植物の生育が遅いエリアですが、それでも開花する高山植物が増えてきました。こちらは室堂ヶ原のハクサンイチゲは昨年より1週遅れで開花を始めました。今回は畳平のお花畑に出向くことができませんでしたが、おそらくかなりの数が開花していると思われます。

2週前のキバナシャクナゲ
2007雪渓カレンダーVol.8(2007/06/30〜07/01)C

花はすっかり終わっています

2週間前はきれいな大輪を咲かせたキバナシャクナゲは、ご覧のようにすっかり花を落とし、雌しべの根元が少し膨らみ始めています。

 

コイワカガミ(花) − 昨年より2週間遅い状況

そして、花の終わったキバナシャクナゲの周辺には、コイワカガミが季節を引き継ぐかのように開花を始めました。人工的に作られた公園などと異なり、一斉にいろんな花が咲き乱れるということはありませんが、一週間単位くらいで次々と花が咲き出すところに面白さを見出すことができます。

2週間前に開花したキバナシャクナゲも昨年より2週間遅れでしたが、それと同様、このコイワカガミも昨年より2週間遅れの開花です。

先週もお伝えした登山道入口付近の高山植物 2種類の高山植物があります

さて、こちらは先週のノリクラ雪渓カレンダーVol.9(2007/07/07〜08)C でお伝えした登山道入口付近で芽吹き始めた高山植物。2種類の高山植物があって、奥のまっすぐ伸びるのはコバイケイソウとお伝えいたしました。

 

シナノキンバイ(つぼみ)

そして、手前の高山植物は先週の段階ではもっと小さくて判別しにくいもののシナノキンバイであるとお伝えいたしましたが、ここまで大きくなるともうはっきりとシナノキンバイであることがわかります。大きく切れ込みのある葉の中央に黄色いガクのつぼみが見えるのが特徴です。次週には開花を始めるのではないかと思います。

ベニバナイチゴ(花)

実はこちらは先週が満開だったベニバナイチゴ。それでも何輪かの花がまだ見受けられます。

 

うつむき加減に咲く花の隣には... 秋には真っ赤は実ができることでしょう

うつむき加減に咲く花の隣には、受粉して花を落とした後の膨らみ始めた雌しべが残っています。秋になる頃には真っ赤な実がたわわにできる事でしょう。

クロウスゴ(花) 今年の枝先に花をつける

こちらはクロウスゴ(黒臼子)。ブルーベリーの仲間で秋になると良く似た実をつけ、実の底の部分が臼のような形状から命名されています。よく似た高山植物にクロマメノキ(黒豆の木)があります。どちらもツツジ科スノキ属で、花の形はほとんどそっくりで枝ぶりも良く似ています。わかりやすいのは秋になってから熟す実がクロマメノキでは臼状にならないことでしょうか?

ただ良くみてみると、クロウスゴは今年の枝先にだけ花をつけています。クロマメノキは前年の枝につけますが、クロマメノキの開花が見られましたらまた紹介いたします。

クロウスゴは萼(がく)が裂けない

そして、もう一つの違いはクロウスゴの萼(ガク)は裂けることなく均一ですが、クロマメノキは浅く裂けている点に違いが見られます。こちらに関してもクロマメノキの開花が見られましたらその時にご紹介いたしますが、これらの話はクロウスゴとクロマメノキにおいては定番中の定番ともいえる話題かもしれません。

 

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