ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2007/07/21〜22) @

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(Update:2007/07/26)

 

【大雪渓】

関東甲信地方・東海地方の平年の梅雨明けは7月20日。昨年はそれぞれ7月30日・7月26日と大幅に遅れ、今年もすでに梅雨明けを迎えた地方の様子を見ると、平年よりも遅れそうな気配を見せていて、平年の梅雨明け日を過ぎた今週末はなんともぱっとしない二日間をおくることとなりました。特に7月21日(土)は日本列島を串刺しするように梅雨前線が伸び、ノリクラでは日中のほとんどが霧雨と濃霧に覆われる状態で、翌日の22日(日)は午前中は視界が確保されたものの午後からは濃霧に覆われ始め、15時くらいからは本格的な雨に見舞われました。ただ、両日ともに雨はそれほど強いものではなく、合羽などの雨対策を備えていれば十分対応でき、合羽を着ていれば滑走する上でそれほど苦痛になるほどの状態ではありません。気温も12〜18℃程度で、まだまだ夏が訪れたとはいえないものの、板を担いで登ると蒸し暑さを感じるようになってきたところが少し夏に近づいてきている証拠ともいえます。

雪渓の状態については後述しますが、雪渓下部・中段・上部の各エリアがだんだん区分けされるようになってきて、雪渓下部のモーグルコースではコース長に若干短さを感じるようになってきて、雪渓上部に移動する日もだんだん近づいてきているのではないかと思います。

高山植物は大雪渓・畳平ともに開花し始めた種類・数が多くなってきました。特に畳平のお花畑はハクサンイチゲが一斉に開花を始めて、見ごろを迎えています。

濃霧のため不鮮明な画像も一部ありますが、二日間の様子をお伝えいたします。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月21日(土)、観光センター】     【シャトルバス、大雪渓へ】
Page-2 : 【雪渓下部 T】
Page-3 : 【雪渓下部 U − モーグルコース】     【雪渓下部 V】
Page-4 : 【雪渓中段】    【高山植物】
Page-5 : 【雪渓上部 T】    【雪渓上部 U − レーシングキャンプ】
Page-6 : 【雪渓上部 V − 基礎スキーキャンプ】
Page-7 : 【畳平のお花畑】    【昨年の今ごろは?】     <編集後記>

  

 

 

【7月21日(土)、観光センター】

観光センター前駐車場

7月も中盤を過ぎて小中高の各学校も夏休みに入ったかと思いますが、今朝の観光センター前駐車場はご覧のような状態。天気予報で「週末には再び前線が南下し日本列島にかかるため...」と、アナウンスされてしまうと、当日の天候が悪くなくてもやはり敬遠してしまうものです。

 

昨晩降った雨は朝にはやんで、駐車場のアスファルトは乾き始めています。

 

こちらは観光センターの売店。7時前ですが すでに営業を始めています。現在のところ、土日は朝5時30分、平日は8時からの営業開始で、近日中には平日も5時30分からの営業を予定しているそうです。

 

土日は5時30分から営業 − おにぎりも販売されています

前回のノリクラ雪渓カレンダーVol.10(2007/07/14〜15)@ でもお伝えしましたが、乗鞍高原にはお土産を販売するお店はあるものの、いわゆるパンなどを販売するお店はほとんどないのが現状です。また、朝早くから営業している店舗は皆無でコンビニはもちろんありません。

したがって、シャトルバスの運行が開始される前の朝5時30分から営業をしているこちらの売店がノリクラに向かうスキーヤー・ボーダー・登山客にとって重要な存在となります。

ご覧のようにおにぎりの販売も行っています。通常、おにぎりなどの生ものはコンビニなどの店舗でしか調達できませんので、重宝することと思います。

 

7時のシャトルバス

7時のシャトルバスは観光センターから6名の乗車。次第に天候は回復に向かい、影ができるほどの日差しがさすようになってきました。

 

こちらの車掌さんも今年から...

こちらの車掌さんも今年からこの路線を担当されました。乗鞍岳のシャトルバスは全行程で標高差約1500メートル、観光センターからでも1200メートルあります。山麓から持っていった菓子袋が膨れ上がったり、大雪渓など上部で栓を開けたペットボトルが山麓でへこんむという経験をされている方もいらっしゃるかと思います。

いわゆる高山病と呼ばれているものは、登る標高差とそれに要した時間との関係に起因し、ゆっくり登れば体は順応するものの、短時間で山麓と山頂を行ったりきたりすることは体への影響は大きなものがあります。したがって、単に上り下りするだけでも体への負担は大変なものですから体調には十分ご注意ください。

 

それでは標高2600メートルの大雪渓に向けて出発です。

 

 

【シャトルバス、大雪渓へ】

小雨 濃霧

天候はめまぐるしく変化します。観光センターを出発した頃は日差しが見え始めていたものの、ご覧のように雨が降り出し、三本滝ゲートを通過する頃には霧が立ち込めるようになります。

 

位ヶ原山荘 屋根板方面は濃霧

三本滝ゲートを過ぎて冷泉小屋付近までは薄い霧がかかっていたものの、位ヶ原山荘付近は晴れ、その上の屋根板方面はご覧のように霧に覆われています。このあたりは位ヶ原山荘の裏手から小大野川の沢が始まり、地形に影響して霧の流れができているのかもしれません。

 

ツアーコース付近は晴れ間が見えます

位ヶ原山荘を過ぎて、ツアーコース入口付近に差し掛かると、今度は青空が見えてくるようになります。この雲の上に出ることができれば、眼下にきれいな雲海が広がるはずです。

 

再び濃霧

ツアーコース入口から二つカーブを曲がったお花畑付近。先ほどの雲の中に入っていますので、ご覧のように視界の聞かない状態です。

 

大雪渓に到着

大雪渓前に到着しましたが結局雲の上に出ることができず濃霧の中です。気象条件の不安定なときは特にそうですが、地形などの影響で雲が溜まりやすい(発生しやすい)箇所があり、その部分にちょうどはまってしまうと、天気予報では「晴れ」となっていますが、局所的に雨だったり濃霧だったりします。特に位ヶ原より上部は天気予報が全くアテにならないことがあります。

これから梅雨が明けて安定した天候が続きます。しかし晴天だからといって安定した天候とはいえません。強い日差しに照らされて地表が温められるとその気温差で積乱雲(入道雲)が発生します。真夏の空にもくもくと湧き上がる雲がそれです。積乱雲が発生し始めるとノリクラなど高山では午後から雨に見舞われることがあり、場合によっては雷を伴うこともしばしばです。

 

濃霧に差し掛かったら合羽の準備

濃霧に見舞われた大雪渓に下車した瞬間から霧の粒で全身が濡れてきます。なかなか霧でずぶ濡れになるという経験が平地ではありませんが、ノリクラではよくあることです。霧でぬれてしまうかどうかは霧の粒の大きさにもよりますが、「濃霧に差し掛かったら合羽の準備」と条件反射的に思っていてもよいくらいです。

 

合羽はどうも格好が...という方もいらっしゃるかと思います。機能以上にそのスタイルに質が求められるスキーウェア・ボードウェアと異なり、合羽は機能が最優先されているのが現状です。

 

これってビニールの合羽じゃん! 見てコレ...ダボダボで格好悪っ

合羽の稼働率が高いノリクラでは合羽の良し悪しが一日の作業効率に大きく影響してきます。ビニールの合羽がよいのかダボダボの合羽がよいのかはそれぞれご自身の判断に任せますが(笑)、通気性のよい素材を使用した合羽をお勧めします。

梅雨が明けるまではそれほど気温が高くないので、どんな合羽でもあまり気にはならないかと思いますが、これから梅雨が明けると気温は一気に上昇します。その場合、通気性のよい素材の合羽でないと、汗を発散することでできず、内側からぬれてしまいます。この状態はかなり辛いもので、せっかくノリクラにやってきたのに楽しさが半減してしまいます。

 

雨対策をしっかり整えたら出発

雨対策をしっかり整えたら出発です。最近の合羽はスキーウェアとしても通用するようなデザインのものも出回っています。また、色合いも安全性を重視して濃霧の中でも目立つ色が基本です。ただ、黒系統など地味な色合いのものありますので、「合羽はどうも...」と敬遠せず、ノリクラにお越しになるのでしたら必ず持参してください。

また、合羽も持たずにノリクラの天候を心配されるスキーヤーの方がいらっしゃいますが、登山者で合羽を持参しない人はまずいないと思います。大雪渓エリアは山岳地帯であることを忘れずに...

 

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