ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.13(2007/08/04〜05) @

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(Update:2007/08/09)

 

【大雪渓】

いよいよ8月。1日(水)に関東甲信地方でようやく梅雨明けして最初の週末を迎えました。夏本番の真っ青な空を期待したいところですが、3日(金)に日本海を通過した台風5号がばら撒いた湿った空気の影響から、4日(土)は終日濃霧の天候でした。前回の ノリクラ雪渓カレンダーVol.12(2007/07/28〜29) の冒頭で、7月は濃霧の日が多かったとお伝えしました。それでも一日の中で霧の濃淡の変化があって視界が100メートル以上まで回復する瞬間が何回かあるのが普通です。しかし、4日(土)の濃霧はその瞬間すらない状態が終日続き、台風一過という言葉とは程遠い天候でした。この天候のため大雪渓を訪れるスキーヤー・ボーダーは少ないものの、シャトルバスは9時便が4台運行され、畳平に向かった観光客・登山客はまずまずの人出だったことがわかります。そして、8月26日(日)に実施される全日本マウンテンサイクリングまで1ヶ月を切り、濃霧と時折降る雨の中をたくさんのヒルクライマーが大雪渓前を通過して行きました。5日(日)は天候は回復し、朝から青空が広がる状況で、朝は雲量がかなり多かったものの、夕方には雲がほとんどない状態を見せるときもあって、時間の経過とともに天候が安定していく様子を感じ取ることができ、やっと夏らしい天候になってきたこと実感します。山麓も山頂もよい天候ともなればシャトルバスも混雑をみせ、9時便は7台運行され、今シーズンの最高の台数となりました。

今週は雪解けが若干少なく、雪渓下部では昨年より1週間ほど早かったのが昨年並みに。雪渓上部でも中間付近から下半分は雪解けのペースがやや速い状態ですが、それ以外の部分ではやや遅くなって昨年より2週間程度遅い状況です。そして、雪渓下部では滑走距離をとることが困難なため、モーグルコースを含め、雪渓上部がメインのバーンになってきました。

それでは濃霧の4日(土)と晴天の5日(日)の画像を織り交ぜながら、二日間の様子をお伝えいたします。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月4日(土)、観光センター】     【シャトルバス、大雪渓へ】
Page-2 : 【大雪渓に到着】
Page-3 : 【基礎キャンプ】
Page-4 : 【8月5日(日)、観光センター】    【大雪渓へ】    【ノリクラの環境を守る − 森林官、グリーンサポートスタッフ】
Page-5 : 【雪渓下部 T】
Page-6 : 【雪渓下部 U】    【雪渓中段】
Page-7 : 【高山植物】
Page-8 : 【雪渓上部 T】    【雪渓上部 U − レーシングキャンプ】
Page-9 : 【雪渓上部 V − モーグルコース】
Page-10: 【畳平のお花畑】    【昨年の今ごろは?】     <編集後記>

  

 

 

【8月4日(土)、観光センター】

こちらは観光センター前駐車場。

 

昨晩から降りだした雨は夜明け前にはやんで、駐車場のアスファルトは乾きはじめていますが観光センター前のテラスはまだご覧の通り。駐車場の車の台数もまだ少なく、晴れていればテラスでのんびりと過ごす方がいらっしゃいますが今日は人影はありません。

ちょうど台風5号が日本海を通り過ぎようとしている最中で、ご覧のように山頂付近には厚い雲がかかったままです。

 

チケット販売所にも捜索者のチラシ

こちらはシャトルバスのチケット販売所。お知らせのコーナーでもお伝えしておりますが、7月14日から行方のわからない方の行方を捜しています。画面右に捜索のチラシが掲示されています。乗鞍高原や畳平の各施設・売店など主要な箇所にありますので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

現在のところ、有力な情報はなく、先週も捜索が行われましたが状況に進展はありません。どんな些細なことでもかまいませんので、お気づきのことがありましたらぜひ情報提供お願いいたします。
行方不明者の詳細と連絡先は7月26日付けのお知らせ 「7月14日(土)から音信不通の行方不明者の情報提供のお願い。」 をご覧ください。

 

時刻は6時50分。7時のシャトルバスに乗車される方々が停留所に集まり始めます。夏休みに入り、レーシングキャンプに参加するジュニアの姿も目立つようになって来ました。

 

乗客数をカウントします 「ノリクラはほとんど曇なんですね」

ハイシーズンを迎えると、ほとんどの便が2台以上の運行が必要となり、配車するバスの台数を算出する必要から、車掌さんが事前にやってきて停留所にお越しになった乗客の人数をカウントします。

今年からこの路線を担当して1ヶ月が経過しました。そこでノリクラはどんなところかお聞きしたところ、「ノリクラは曇の日がほとんどなんですねぇ〜」とおっしゃってくださいました。7月は梅雨の時期であり、もともと日照が多くない時期のため、曇や雨の日が多いのは確かです。特に位ヶ原より上部では大気の状態が安定していないときれいに晴れることが少なく、すぐに曇ってしまうことも多いため、梅雨明け後も一日中晴天という日は少ないと思います。
そんなノリクラを間近に体得しながら、ノリクラのよさや厳しさを訪れた乗客の方々に伝えられるようになるといいですね。

 

7時便

今日の7時便は28名で1台で運行されました。

 

雲が足早に流れて行きます

観光センター前駐車場はほとんど無風ですが上空の雲は足早に西から東へと流れて行きます。台風の影響がまだまだ続いている様子を伺うことができ、大雪渓など上部の様子が気がかりです。

 

それでは大雪渓に向けて出発です。

 

 

 【シャトルバス、大雪渓へ】

シャトルバスは一時間足らずの間に標高1200メートルも上昇するため、山麓と山頂の天候の変化が良くわかります。山麓の乗鞍高原ではほとんど無風だったものの、三本滝ゲートを通過する頃から少しずつ周辺の木々が揺れるようになってきます。

 

幻の滝 部分的に赤く色づくナナカマドがちらほらと

左の画像は荒田沢橋を過ぎて2つ目の石畳を過ぎて3つ目の石畳の手前付近です。左の谷の中間付近に滝が見えます。以前にも紹介した通称「幻の滝」です。雨の日しか見ることができないため、このように呼ばれていますが、ここ最近は晴れていても枯れることなく流れが続いている様子を見かけることができます。

そして右の画像のルームミラーの斜め右あたりに赤くなった葉をご覧になれると思います。本格的な紅葉までまだ2ヶ月近くありますが、こんな状態のものがあちこちにあります。また、今週に入って部分的に枯れ始めたウラジロナナカマドもあり、夏が来る前に秋が先に来てしまうのかと思ってしまうほどです。

 

位ヶ原山荘付近にやってくると乗鞍高原から眺めていた雲に到達するようになってきます。この付近からシラビソなどの針葉樹が少なくなって、ダケカンバ、ミヤマハンノキなどの亜高山帯〜高山帯の樹木に変わり、風をさえぎる高木が無ってきます。それと同時にこの付近から天候が大きく変化することも多々あります。

 

ツアーコース入口付近から濃霧と強風

霧などは地形に沿って流れることが一般的で、画像はツアーコース入口付近に差し掛かったところ。ツアーコースの沢に沿って霧が流れ込んでゆきます。その流れ入った瞬間から視界が奪われます。

 

視界は30〜50メートルほどしかありませんが、ノリクラでは特に珍しいことではありません。ひどいときだと、運転席から目の前のセンターラインがほとんど見えない状態の時もあるほどです。

一瞬たりとも視界の回復しない大雪渓の一日が始まりました。

 

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