ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.17(2007/09/01〜02) C

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(Update:2007/09/06)

 

【高山植物】

高山植物も花の時期は徐々に終わりに近づいてきていますが、それでもいろいろ見て回ると結構見つけられるものです。

 

ベニバナイチゴ(果)

花の時期が終われば今度は実の時期に入ってくるのは高山植物に限らず植物全般に言えること。こちらのベニバナイチゴはその代表格といえるのではないでしょうか?

ベニバナイチゴの実はキツネやクマの好物

葉が生い茂っていて実ができていることに気がつきにくいのが難点ですが、イチゴ特有の葉が一つの目印です。この形状の葉を見つけたらそーっと掻き分けるとご覧のように赤い実が見つけられるはずです。ベニバナイチゴの実はキツネやクマの好物とも言われています。

クマは乗鞍高原などの山麓だけでなく、大雪渓や屋根板など乗鞍岳上部でもよく見かけますので、これからの時期はラジオ・熊鈴などを携行して山歩きをされたほうがよいでしょう。

 

コウメバチソウ(花)

こちらは先週もお伝えしたコウメバチソウの花。

雄しべもしっかりと開きました

先週ははなびらはしっかり開いているものの、雄しべが開花していないことをお伝えしましたが、左の画像のようにしっかり雄しべが開き、雄しべに覆われていた雌しべを確認することができます。ちょうど緑のガクの上に見える白い線上ものが雄しべです。
そして、右の画像のようにはなびらを落としてしまったものもあります。

 

コバイケイソウ(果)

こちらはコバイケイソウの実。コバイケイソウは数年に1度しか咲かないといわれていますが、今年のコバイケイソウは当たり年だったように思います。

花は頂枝にも側枝にもつきます
ノリクラ雪渓カレンダー
Vol.13(2007/08/04〜05)F

しかし実は頂枝にしかつきません

コバイケイソウの花は頂枝にも側枝にもつきますが、果ができるのはご覧のとおり頂枝にしかつきません。これは ノリクラ雪渓カレンダーVol.13(2007/08/04〜05) F でもお伝えしたように、まっすぐ伸びる頂枝につく花は両性花で、側枝につく花は雄花であることに起因します。

 

中には側枝にも実ができるものがあります

「頂枝は両性花、側枝は雄花」というのはどうも教科書的なようで、実際にはご覧のように側枝にも実ができているコバイケイソウをいくつも見ることができます。

 

チングルマ(果)

こちらはチングルマ。きれいな綿毛がまるで風になびいているかのように波打っています。

 

一本一本の綿毛(花柱)の根元に「そう果」が一つずつつながっています

綿毛は根元から完全にひらき、根元の様子を確認することができます、右の画像のように綿毛(花柱)の一本一本の根元はそう果が一つずつ つながっています。このそう果(種子のよう見える果実)の集まりを集合果といいます。綿毛と一緒にそう果が風に乗って遠くに運ばれて行くわけです。

 

オヤマリンドウ(つぼみ〜花) イワギキョウ(花)

こちらの花はこれからが季節の高山植物。オヤマリンドウにも紫色のつぼみが見られるようになって来ました。ただ、オヤマリンドウはこの状態のままの個体が多く、しっかりと開花しないものもあります。イワギキョウはお盆過ぎからちらほら見かける高山植物。肩の小屋付近や畳平のお花畑では8月上〜中旬あたりから見られます。ご覧のようにまだつぼみのものも多くありますのでこれからもまだ楽しめそうです。

 

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