ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2007/09/29〜30) C
【高山植物】
コバイケイソウの紅葉ももう終わり |
これまで大雪渓エリアの山肌を黄色く色づかせていたコバイケイソウもご覧のように完全に紅葉が終わってしまいました。
中から種子が飛び出そうとしています |
そして、紅葉が終わり始めるとご覧のように種子の部分は緑から黒色に変化し、やがて裂けて中から種子が飛び出します。
チングルマ(紅葉) |
大雪渓エリアで一番の紅葉を見せているのがチングルマ。ただ、石碑の岩のチングルマでもお伝えしたように、紅葉が始まっていないものも数多くあります。ご覧のように綿毛が残っているとなかなか見栄えがしますが、綿毛が終わっているものもあります。
クロマメノキ(紅葉) |
こちらはクロマメノキの紅葉。まだ始まりかけの状態です。
クロマメノキ(果) | こちらはまだこれから |
よく見ると葉の影に隠れるように黒い実ができているのがわかります。また、大雪渓エリアは生育が遅れていて、右の画像のようにまだ黒くなっていないものも見つけることができます。
少し奥まったところについて目立ちにくい |
クロマメノキは前年枝の先端に花がつきます。ですから葉よりも少し奥まったところに実をつけ、さらに熟すと暗紫色になってきますので、ちょっと見にくいのも仕方ありません。
まだ咲いているのはミヤマアキノキリンソウ | マルハナバチが寄ってくる |
9月ももう終わりになると咲いている高山植物もかなり少なくなってきます。大雪渓エリアでは開花が遅い分、比較的遅くまで花が残っていますが、さすがに少なくなってきました。
そんな中、きれいな花をつけるのはミヤマアキノキリンソウ。数は少なくなってきましたが、探せばまだ結構見つけることのできる花です。そして、開花している花を懸命に探すのはマルハナバチ。
じーっと止まってほとんど動きません |
日本固有のマルハナバチは15種類が確認され、平地から高山まで分布しています。マルハナバチは比較的冷涼な地域を好むようですが、それでも高山のお花畑でもっとも見かけることのできるのはオオマルハナバチとヒメマルハナバチの2種のようです。昆虫に関しては門外漢ですが、オオマルハナバチとヒメマルハナバチは毛の色(パターン)に明らかに違いがあるためわかりますが、こちらのマルハナバチのようにかなり毛の色が薄いですが、個体差や経年変化で色に変化があります
ただ、マルハナバチ特有の小刻みに体を震わせながら飛び回るしぐさはなく、じーっといつまでも花の上にしがみついたままです。
小刻みに振動してあちらこちらへ飛び回る |
こちらは前述のマルハナバチよりも一回り大きく、忙しそうにあちこちの花を飛び回まわって小刻みに体を振動させながら蜜を取っています。これから冬に向かいますが、たっぷり密を吸い込んで越冬(冬眠)するのは女王蜂だけ。働き蜂である雌や女王蜂と交尾を終えた雄はすべて絶えてしまいます。
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |