ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2007/10/06〜07) B
【雪渓下部】
大雪渓入口 | 4週間前の段階で雪解けは完了 |
それではここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。雪渓下部は4週間前の段階で完全に雪解けが完了しています。今週になっていたるところで色の変化を感じさせてくれます。
魔利支天岳の山肌もようやく始まりました |
大雪渓入口のウラジロナナカマド |
魔利支天岳の山肌もようやく本格的に色の変化が始まり、大雪渓入口のウラジロナナカマドもほぼ全域に渡って多少なりとも緑が薄くなって黄色く変化し始めたものが多くなってきました。実の方は少ししわが出てきましたが、先週とほぼ同じ状態です。
ハイマツの実があちこちで捨てられています |
そして、至る所でハイマツの実(マツボックリ)が、岩の上やハイマツの木陰など、数個ずつ捨てられている状態を見かけることができます。
石碑の岩 | 石碑の岩の下部のバーン |
こちらはモーグルコーススタート地点の岩の南側にある石碑の岩。先週あたりから岩の周辺がスゲ類が黄金色に変化し、今週はかなり濃い色になってきました。また、右の画像の石碑の岩の下部では、ハイマツ帯の縁がウラジロナナカマドの紅葉に縁取られるようになって来ました。
チングルマ − ようやく色づいてきた |
毎週定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週は全体的に緑が薄くなり、紅葉が進みつつある状態でしたが、ご覧のように全体的に進んできました。また、大雪渓全体を見回しても大半のチングルマが真紅になってきている様子がうかがえます。チングルマの紅葉は高山植物のコーナーでもお伝えいたします。
【紅葉はこんなカメラで撮ってみたい】
今日もたくさんのカメラマンが三脚を並べます |
さて、こちらは大雪渓付近の県道乗鞍岳線の沿道。先週に引き続き今日もたくさんのカメラマンが三脚の並べています。最近はデジタル一眼が台頭していますが、やはり風景写真をとる方はまだまだリバーサルフィルムでの撮影が多く、中には35mmフィルムよりも一回りサイズの大きい、中判サイズの一眼レフで撮影される方も多いようです。
そして、この時期は普段見かけることのできないような専門的なカメラが沿道に並ぶ様子を見つけるのもまた楽しいものです。
獅子舞のごとく | 大判カメラ(シノゴ) |
そんな中、こちらのカメラもなかなか見かけることのできないものです。先ほどの中判と呼ばれるものは6センチ幅フィルムを使いますが、こちらは4×5インチ(10.2×12.7センチ 通称:シノゴ)と、はがき大のフィルムを使ったカメラ。フィルムは一枚のシートになっていて撮影のたびに一回一回装填します。
引き伸ばしも畳一枚分ほどの大きなものにするそうで、隅から隅まで全域にわたってピントを合わせるため、「アオリ」といった特殊な技法で調整します。
電気仕掛けの部品は一切ありません |
「一枚一枚撮影するのは大変ですが、電池がなくてもちゃんと撮影できますから...」とおっしゃるとおり、カメラ本体、レンズ、そして、シャッターがすべて別々。その代わり、ピント・露出調整 → シャッターのセット(シャッターを閉じる) → フィルム装填 → 遮光版の抜き取る → シャッターを切る → 遮光版の装着 といった一連の儀式を絶対に間違えることなく行う必要があります。
ほかのカメラマンからも注目の的です |
一日に何百枚も撮影できるデジタルカメラとは対極に存在する大判カメラは、さしずめ「スローフードカメラ」といってもいいかもしれません。忙しく枚数を稼ぐのではなく、こんなカメラでじっくりと構えて心穏やかに撮影してみたいと思うのは、どのカメラマンであろうと同じかもしれません。
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