ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.22(2007/10/06〜07) C

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(Update:2007/10/11)

 

【高山植物】

シラタマノキ(果)

そろそろ高山植物の季節も終わりになってきました。冷泉小屋から魔利支天にかけての大雪渓より山麓付近ではすでにたくさんのシラタマノキの実を見つけることができましたが、大雪渓近くでは今週になってようやくシラタマノキの白い実を見つけることができるようになって来ました。

 

白い実はがくが肥大化して本来の果を丸く包み込んだもの

この白い実はがく(萼)が肥大化した偽果で、中にある本来のさく果を包んでいます。さく果を丸く包む容姿からシラタマノキと呼ばれ、この果肉からはサロメチールの香りがすることは有名です。

 

キバナシャクナゲ

こちらは常緑樹のキバナシャクナゲ。6月ごろに花期を迎え、高山植物の中でも最も早く開花する部類に入ります。ただ、大雪渓の内部など雪解けの遅いところでは7月下旬ごろに咲くものもあります。

冬芽(花芽) 常緑樹でも紅葉します

よく観察するとすでにつぼみができていることがわかります。キバナシャクナゲに限らず、多くの植物では来年の準備が行われています。そして常緑樹のキバナシャクナゲも古くなった下のほうの葉から順番に落葉します。ご覧のように最後はきれいに赤く染まり、キバナシャクナゲも落葉樹に負けない真紅を見せています。

 

チングルマ(紅葉)

こちらはチングルマの紅葉。先週に引き続き、大雪渓エリアのいたるところできれいな紅葉を見せています。

 

秋風と秋の澄んだ青空に溶け込むような綿毛

秋風に揺らされる綿毛が青空になびく様子を眺めながらミクロの世界の紅葉に浸るのが高山植物の紅葉の楽しみ方といえます。

 

マツボックリをくわえたホシガラス

まだまだがんばっているのがホシガラス。今日もハイマツの実をもぎって飛び回る様子を確認することができます。

 

マツボックリのうろこの隙間にクチバシを入れて種子をつつきだします

もぎってはハイマツの影まで運び、マツボックリのうろこの隙間から中の種子をつつきだします。

 

ホシガラスの捨てたマツボックリ

大雪渓エリアでこんな風にマツボックリが集まっているのを、ご覧になった方も多いのではないかと思いますがホシガラスの仕業です。よく見ると、あまりしっかり取っていないようで、いかにも「食い散らかしている」といった感じです。

 

ホンドオコジョ

そしてこちらも何かをくわえています。ホンドオコジョは岩陰から、もぐらたたきのごとくあちこちから顔を出してこちらの様子を伺います。そのしぐさは非常にかわいらしいもので、リスと間違える方もいらっしゃるほどです。リスよりも一回りもふた回りも小さいこちらのホンドオコジョは肉食の動物。その獰猛さはご覧の通りです。(くわえているのはヤチネズミ)

ホンドオコジョは絶滅危惧U類(VU)に指定されているライチョウの天敵でもありますが、ホンドオコジョ自体も準絶滅危惧(NT)に指定されています。

 

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