ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.25(2007/10/27〜28) H

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(Update:2007/11/01)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景

雪渓下部と同様、雪渓上部でもやはり先週と比べるとやや積雪量が全体的に少なく、中央の尾根を中心に岩の頭が目立つ状態になっています。

 

少ないところで10センチ、平均15〜20センチの積雪

やはりそれでも雪渓下部と比べれば積雪量は格段に多くなり、少ないところでも10センチ程度、平均して15〜20センチ程度の積雪はあります。

 

雪渓上部左側 − 先週とほとんど変わらない状況

他のエリアでは先週と比べて積雪量にかなりの違いを見せますが、雪渓上部左側は先週とほぼ同じ程度の積雪になっています。雪渓の南寄り部分より上方の蚕玉岳や朝日岳の山肌からの滑走では、石や岩の頭をそれほど気にしなければ滑走できます。

 

雪渓北寄り下端より − 先週より若干現象 雪渓下端は落書き付近はあまり積雪はありません

こちらはモーグルコースのあった雪渓北寄り部分。左の画像の岩の頭の出方から先週よりもやや積雪は減少しています。右の画像の落書きの岩では先週の段階では30〜40センチ程度の積雪でしたが、ほとんどなくなってきています。

 

 

【雪渓上部 U − ノリクラシーズン最後の新雪スキー】

雪渓南寄り部分

こちらは南寄りの部分。前述の北寄り部分よりも積雪量は多く、量的には先週とほとんど変わらない状態です。

 

さらに上部の朝日岳方面まで滑走可。表面のウェーブは先週より少ない

先週と同様、雪渓上端部分よりもさらに朝日岳方面まで登って滑ることも可能な状態で、雪渓表面にできていたウェーブは先週よりもさらに少ない状態になっています。

 

ノートラックバーンを南から1本ずつ刻んで行きます

「今日は2〜3本滑られれば満足です」と、言いながら大雪渓入口から雪渓上部に向かって行きましたが、ノートラックのバーンに南端から順番に1ラインずつ刻んで行きます。

 

表面は暑さ数センチの硬い表層ができたクラスト状態

写真ではきれいな雪質のように見えますが、実際には厚さ数センチの硬い表層ができるクラスト状態。雪面を割りながら滑る必要があります。

 

スキーの板は二人で一台ですから、交代交代で滑ります。今度は息子さんの番。登る途中でバランスを崩しかけると四つん這いになります。雪渓を歩くのはもう慣れているはずですが...

 

新雪の下は全面アイスバーン

昨日は雨から雪へと変化しているため、雪渓表面は完全なアイスバーン。しかもアイスバーンは部分的でなく全面でご覧のように硬く黒ずんでいて、注意して登らなければ、不意に足をとられます。その上の積雪は20〜30センチ程度です。今回は積雪量がそれほどでもありませんでしたが、もう少し降り積もると表層雪崩の危険も考えなければいけません。

 

新雪の積もったプライベートに一本ずつラインを刻める楽しさは他には味わえません

なかなか思うように滑られないコンディションですが、それでもノリクラシーズン最後に新雪スキーが体験でき、しかもプライベートゲレンデに一本ずつ自分のラインを並べる楽しさは絶対にゲレンデでは味わうことはできないでしょう。

 

 

【しばしのお別れ】

時刻は14時を回ると大雪渓はあっという間に日差しがなくなります。今日は位ヶ原山荘まで下山しないとシャトルバスに乗車できないため、急いで帰り支度に入ります。

 

もうすでにオープンしているスキー場もあって、今シーズン最後の雪渓スキーを楽しんだあとは、すぐにゲレンデスキーに取り掛かることができます。ノリクラに通うと、本当に年中スキーを楽しむことができ、「息子のように若いうちはオフシーズンがあってもすぐに勘を取り戻すことができるけど、歳をとると勘を取り戻すだけでスキーシーズンが終わってしまいます。ですから、年中滑走できることは、非常に重要なんです。」と、ノリクラでのスキーの重要性を語ってくださいました。

 

この風景を再び目にすることができるのはあと何ヶ月先のことでしょうか?しばしのお別れです。

 

 

 

【昨年の今ごろは?】

date:2006/10/28〜29

あまり記憶が定かではありませんが、昨年は10月7日(土)から10月8日(日)にまとまった降雪があったものの、それ以降はほとんど降雪はなく、一時的に凍結によって通行止めがあったものの、乗鞍スカイライン、県道乗鞍岳線ともに最後まで通行可能な状態が続いた非常に珍しいノリクラシーズンの終わり方を見せました。このときは二日とも良い天気に恵まれ、本当にこのまま冬季閉鎖に入ってしまうのか疑ってしまうような状態でした。そして、例年なら10月最終週にお越しになるスキーヤーは皆無なのですが、29日(日)は4名もいらっしゃり、最後まで楽しい雪渓でのひとときを送ることができた記憶があります。

 

 

<編集後記>

季節外れの台風でかなりまとまった雨が降り続ける乗鞍高原は本当に寂しい状態でした。少しだけではありますが、乗鞍高原を散策することができて、森林限界以上のエリアとはまた違った楽しさを感じることができたように思います。そして大雪渓付近では激しく降り続く雨と霙が徐々に雪に変わって行き、同じノリクラでもこれほどまで違いがあるかと思ってしまうほどです。そんな状態とは裏腹に翌日は本当に良く晴れた一日で雪化粧が施された大雪渓付近を散策していても、天候の急変をなんら心配することのない状態で、位ヶ原山荘までシャトルバスでお越しになった方々も大雪渓付近まで歩いて登ってこられる方々何人もいらっしゃいました。

こんな天気のよい日ばかりが続いてくれればよいと、取材に出歩いていてつくづく思います。天候が良くても悪くてもその時々のノリクラをお届けすることに意味があり、天候の悪いときがどれほど悪いのかをご存知いただければ、それなりの対策をとった上でお越しになることができると考えています。

■ 来シーズンについて ■
さて、今シーズンの活動は今回で終了いたします。今年は3月から開始したプレリリース版から数えて8ヶ月という長期に及んだ取材でした。長い間ご覧くださり、ありがとうございました。来シーズンの活動ですが、おそらく3月からプレリリース版を開始いたしますが、その前でも天候状況を見ながら、月に1度ペースくらいで取材に出向くことを予定しています。ただ、プレリリース版までの間は速報のみを予定していますのであらかじめご了承ください。(→ あとがきへ続きます

 

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