ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.1(2008/03/22〜23) B

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(Update:2008/03/27)

 

【ツアーコース V − 位ヶ原へ】

位ヶ原に近づくにつれて少しずつ急斜面に

E番の標識を越えたあたりから少しずつ傾斜が急になり、正面には位ヶ原へ続くバーンが広がるようになってきます。

 

雪崩を起こさないためのルート取りを説明 位ヶ原へ上がる急斜面

こちらは地元のアウトドア会社の企画募集したツアーの方々。位ヶ原に登る急斜面を雪崩などの危険を最小限に抑えるため、安全に登るルートを説明されています。ノリクラは比較的なだらかな斜面が多く、雪崩の危険性について注意が十分でないかもしれませんが、発生しているところでは必ず起きていますので、安心してはなりません。

 

20センチの新雪 この後、小規模な雪崩が発生

位ヶ原に登る急斜面には20センチ程度の新雪が積もっています。時刻は12時を回っていますが、今日は天気がよく多くの方はまだ上部エリアに滞在されているようであまり多くの方は滑っていませんので、さほど荒れていませんが、おそらくあっという間に新雪部分はなくなってしまいます。
また、この程度の積雪でも雪崩の危険性は十分にあり、実際にこの後スキーヤーが滑り終わった後、小規模な雪崩が発生しました。

 

眼下には八ヶ岳から中央アルプスまでが一望 この斜面を昇りきればもう位ヶ原

位ヶ原に登る急斜面からは樹林帯がなくなり、オープンバーンになります。したがってここから景色が開け始めます。そして東の空には八ヶ岳、南アルプス。中央アルプスを一望できるようになります。すぐ手前には野麦峠スキー場のある針盛山がありますが、本当に空気が澄んでいる日なら、近景の鉢盛山と遠景の南アルプスなどが同じくらいの鮮明度で楽しむことができるほどです。

このら先に広がる位ヶ原は斜面を登っている途中からでは確認することができませんがもうあと一息です。

 

【位ヶ原】

位ヶ原 − いつもの強風はなく、こんな風にゆっくりできる日はあまりありません

位ヶ原の台地に上がるとご覧のように景色は一変し、完全な雪原の世界が広がります。今日は午後から少し薄い雲が広がり始めましたが、午前中と同様、穏やかな天候が続いています。いつもならば強い西風にされされとてもここで腰を下ろして休憩をしようとはとても思えない状態ですが、こんな風にのんびりと広々とした光景を楽しむことができます。こんな日だからこそ、山頂などあえてピークを目指そうと思わず、ゆっくりと雲の動きをぼんやりと眺めるのも良いかもしれません。

 

風に吹き飛ばされることがなかったため
10センチ程度の新雪
所々に雪紋があり、強風がなかったわけではない

先ほどの位ヶ原へ上がるツアーコース最後の急斜面と同様、こちらでも10センチ程度のやわらかい降雪があります。位ヶ原は常に西風にさらされ、冬場はむしろ硬いバーンの方が多い状態で、左の画像のようにシールのトレース跡がこんなにはっきりとできる状態ではありません。また、右の画像のように風にさらされてできた雪紋はいつものように所々に広がっていますので、決して強い風がなかったわけではありません。

冬場の乾いてサラサラの雪は風で飛ばされ易いものの、春先になって湿って着雪し易い雪が降ったと考えられ、高い山はこれから積雪量が増えて行きます。

 

トイレ小屋が確認できればもう大雪渓

位ヶ原は目印の乏しいエリア。しばらく進むと大雪渓入口付近のトイレ小屋の屋根が見えてきます。大雪渓まではもうすぐです。今日は天候がよく、なんら迷うことのない位ヶ原ですが、一旦、視界が悪くなると完全に行く先の方向がわからなくなります。何度も訪れて地形の微妙な変化などを良く見ていてもわかるようにはなりません。ツアーコース内は視界が悪くても樹林帯の切り通しの中ですからルートを誤ることはないと思いますが、ツアーコースから一旦上部に上がるとツアーコースにすら戻れない状態にさえなります。夏場の位ヶ原とは別世界の怖さがここにあります。

 

【雪渓下部】

こちらは大雪渓下部の状況をお伝えします。

 

今回(3月22日(土))の大雪渓入口 先週(3月16日(日))の大雪渓入口

こちらは大雪渓入口付近。左は今回(3月22日(土))の画像で、右は先週(3月16日(日))のものです。先週の画像では「前川国有林」の看板の手前に登山口を示す標識の支柱の頭が見えていますが、19日(水)から20日(木)にかけての降雪でその姿がすっかり隠れています。

また、大雪渓入口を数メートル入ったところには「高山植物等の採取は禁止されています」などのお願いの記載された看板あります。ちょうど、先週の画像にある手前の登山口の標識の斜め右奥に位置しますが、先々週まではその看板の頭が見えていましたので、大雪渓では3月に入って徐々に積雪量が増えていることがわかります。

昨年の同じ週( 2007ノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2007/03/24) )は、悪天候で位ヶ原より先に進むことができませんでしたので、正確に比較することはできませんが、1週間前を比較すると、昨年とほぼ同じような傾向と積雪量であることがわかります。(→ 2007ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.2(2007/03/17)Page : 3

 

トイレ付近 駐車場縁石がほとんど隠れています

こちらは大雪渓駐車場にあるトイレ付近。大雪渓エリアの中でも雪付きが比較的悪いところで、左の画像ではトイレの手前は駐車場になっていて、縁石が常に見えていますが、今週はほとんど隠れています。

 

雪渓下部 − まだモーグルコースの岩は頭が見えます

大雪渓入口から入ってすぐの斜面で、7月になるといくつものコブのラインができるエリアです。画像の右上から左に降りてくる稜線はコロナ観測所のある魔利支天岳から延びるもの。ちょうどこのラインが接している付近の雪渓下部には例年「モーグルコースの岩」として紹介している岩があります。

5月になると雪解けが進んで、大雪渓の中で一番最初に頭を出す岩ですが、この画像では確認できないものの、まだその頭を出したままです。これからの積雪でおそらく埋まって行くものと考えられます。

今日は終日良い天候の中ですごすことができました。

 

雪崩(3号カーブ下) 長さ110メートル×幅40メートル

こちらは大雪渓エリアから屋根板へ降りる3号カーブ下の急斜面。取材日(3月22日)の前日に発生した雪崩です。長さ110メートル×幅40メートルの規模です。ここは2月中旬にも雪崩が発生しています。ツアーコースから位ヶ原へ上がる最後の急斜面でも小規模な雪崩が発生したと申し上げましたが、このように比較的大きな規模の雪崩も発生していますので、樹木のない森林限界以上のエリアでは十分な注意が必要といえます。 Next

 

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