ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.5(2008/04/19〜20) A

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(Update:2008/04/24)

 

【かもしかゲレンデ】

かもしかゲレンデ − うっすらと降雪

休暇村ゲレンデを後にしてさらにかもしかゲレンデを登り、ここからスキー場最上部にあるツアーコース入口を目指します。こちらは国設第3ペアリフトの乗り場付近。ご覧のようにうっすらと降雪があったことがわかります。

 

春の汚れた雪面が再び真っ白に ブッシュはまだほとんどありません

この降雪によりゲレンデ内は春の汚れた雪面が再びきれいな白さに戻っています。かもしかゲレンデは完全に一枚バーンではなく、下から見て左部分が少し傾斜が異なっている部分があり、雪解けが進むとその傾斜の境目部分からブッシュが出てきます。

右の画像がそのブッシュの部分ですが、昨年はかなりの範囲でブッシュが出ていましたが、今年はご覧のようにまだ部分的にしか出ていませんので、昨年よりも積雪量が多いことがわかります。(参考 → 2007 ノリクラ雪渓カレンダーVol.6(2007/04/21)Page : 2

 

車道部分は2〜5メートルの切り通し − 先週とほぼ同じ

かもしかゲレンデ内を通過する県道乗鞍岳線は先週の段階で除雪が進み、ゲレンデは上下で2箇所にわたってご覧のような切り通しができています。この切り通しの高さは先週とほとんど変わらず、低いところで2メートル、高いところで5メートル近くあります。

 

切り通しは降りる場所を探さないといけないほどの高さ

この雪の壁から一旦車道部分に降りて再び次の雪の壁を登って行くことになりますが、登ってきた場所によっては完全な垂直の崖に出くわすことになり、降りる場所を探さないといけない状態になっています。

もちろん登りについても同様です。

 

車道を歩いて上のゲレンデへ

したがって、前回もお伝えしましたが、一旦車道を歩いてヘアピンカーブを過ぎたところからゲレンデに向かうほうが良いかと思います。また、取材時は、車道脇にまだたくさんの雪がありましたので、車道脇をシールをつけたままヘアピンカーブを回って上部のゲレンデに向かうことも可能です。もっとも今後の融雪にもよりますので、そのときの状況次第となります。

 

ヘアピンカーブ過ぎの初心者コースからゲレンデへ
昨年よりも30センチ以上多い積雪量

こちらから上部のゲレンデへ向かいます。この切り通しについても先週とほとんど変わらず、1.5メートルほどの高さで、昨年より少なくとも30センチほど多い積雪量です。

 

【ツアーコース T】

かもしかゲレンデ最上部 − 山麓から激しく霧が流れ込む

休暇村ゲレンデの途中あたりから霧が抜けて時折青空ものぞいた天候も、かもしかゲレンデ最上部では山麓から激しく霧が流れ込むようになってきます。

 

ツアーコース入口 − 重たい新雪が5センチ

そしてツアーコース入口付近に差し掛かるとご覧のように霧に飲み込まれてしまいます。雪質はかもしかゲレンデとほとんど変わらず湿った重たい新雪が5センチほど積もっています。

 

ツアーコース急斜面

こちらはツアーコース最初に訪れる急斜面を登りきる場面。この斜面の中でも一番斜度があって、雪質によってシールが滑りやすい箇所です。

 

水分をかなり含んだ雪質に苦労させられます

シールは雪が硬くても滑りやすく、雪の結晶が崩れていても滑りやすく、また、急斜面のトラバースはシールの接地面積が少ないため、さらに滑りやすい状況となります。今回はかなり水分を含んだ雪質であるため、トレース跡の結晶が崩れた部分だけでなく、新雪部分でも比較的滑り易い状況で、特にトラバースの切り替えしでは苦労している光景を目にすることができます。

この急斜面を登りきるとさらに霧がひどくなって行きます。

 

周期的に変化する天候で時折太陽がのぞく

それでもツアーコースを覆う霧は周期的に濃淡を繰り返し、時折太陽がのぞくようなときも見られます。

 

ツアーコース途中で休憩 GWの登山に向けて今日は足慣らし

早朝は山麓でも霧が立ち込めて、ツアーコースに出向いた方の多くは通常よりも遅めの出発となりました。すでに正午を過ぎていますが、まだまだツアーコースを登ってゆく方もいらっしゃいます。

こちらの方々はGWの登山に向けて足慣らしでノリクラにお越しになったとのこと。急斜面でシールがスリップしながらも道中を楽しそうに歩いて行きます。

 

ツアーコースは全面的にきれいに雪化粧 見た目以上に重たい雪質

ツアーコースは全面的に新雪に覆われてきれいな雪面に見えますが、雪質は下部から上部に進んでもほとんど変化せず、水分を多く含んだ重たい雪質。まだ、上部から滑り降りてくる方はいらっしゃらないものの、斜度の緩いところでは失速し、ターンしていても前のめりしてしまうような状況です。

 

積雪量は先週とほとんど変わりません

こちらはツアーコース中間付近にあるB番の標識。先週と同様、今週も積雪量に変化はありません。

 

激しく動く雲の流れ − この先の天候悪化を予測させる

さらに上部へ進むと時折青空が見え隠れするようになり、ツアーコースから位ヶ原へ上がる急斜面も見え始めます。この天候が曲者で、一瞬、青空が広がると気分的に位ヶ原へ上がりたくなります。今日は比較的、晴れ間の時間帯が短かったため、多くの方がすぐに引き返してこられたようですが、このように雲が激しく動く時は天候が不安定であることは誰しも容易に想像がつくと思います。

「@晴れていても雲の動きが激しい」 → 「A天候が悪化してホワイトアウトになる可能性が高い」 → 「B位ヶ原から先に進んではいけない」と、現在の現象から状況を連想させることが日常生活以上に山の中では必要です。

 

先週より数センチ増加

こちらはツアーコース上部のD番の標識。B番付近はほとんど積雪量に変化はありませんでしたが、こちらは若干増加しています。

 

晴れ間は30分も持たず再び濃霧へ 位ヶ原は完全にホワイトアウト、山頂に行けず残念

先ほどの晴れ間は30分も持ちません。かもしかゲレンデで「山頂まで向かう予定です」と、おっしゃっていた方々がツアーコースへ戻ってきます。「位ヶ原から先は何も見えない。山頂に向かえず残念!」と、上部の状況を教えてくださいました。

雲海のようにさらに先に進めば霧の上に出るのではないか?という考えもあるかもしれません。しかし、滑り始めれば再び霧の中を通過しなければなりません。そのときは完全に帰路方向がわからなくなります。上部へ行きたいという気持ちが先行するとそんな当たり前のことですら見失ってしまうものです。

 

ここを過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原へ上がる急斜面です。 Next

 

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