ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2008/06/21〜22) D

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(Update:2008/06/26)

 

【6月22日(日)、畳平周辺】

畳平は雨 − 80%の降水確率ですがシャトルバスはAダイヤで運行

翌日の6月22日(日)はごらんのように雨。6時から12時の降水確率は80%となっていますが、乗鞍スカイラインのシャトルバスはAダイヤで運行されました。

 

不動岳とお花畑 鶴ヶ池

左の画像の不動岳は先週の段階では昨年よりもやや雪解けの進み方が早い状況でしたが、今週は昨年とほぼ同じ状況です。右の画像の鶴ヶ池の右側部分の雪解けが先週以上に進んで池の右手前付近など、ほぼ半分は完全に雪解けが完了し、池の中に存在した積雪もなくなってしまいました。鶴ヶ池に関してもほぼ昨年と同じ状況です。

 

お花畑 奥の方はほぼ完全に雪解けが終わる

こちらはお花畑を東の方角から見たところ。先週は一番奥の遊歩道が折り返す付近の雪解けが進んでいましたが、右の画像のように今週は少し手前付近でも進んでいます。それでも全体から見ればごくわずかで、昨年はお花畑の中央付近でも雪解けが進んでいましたので、今年はやや雪解けが遅れていることが分かります。

分岐点−左が肩の小屋、右がコロナ観測所

こちらが肩の小屋とコロナ観測所の分岐点。

 

大雪渓 位ヶ原

高天ヶ原では沢筋に細く積雪が残る程度となり、大雪渓エリア以外ではかなり積雪が減少しています。右の画像の位ヶ原についても同様で、大雪渓駐車場から位ヶ原山荘への滑り込みもできない状態になってきています。どちらの画像も昨年とほぼ同じ状況といえます。

 

今回の肩の小屋専用道 − 左の壁は高さ2〜3メートル

肩の小屋への専用道は左の壁で高さは先週の4メートルから2〜3メートルと減少していますが、昨年の同じ時期では1.5メートルほどでしたので、この付近に関しては昨年よりも圧倒的に積雪が多いといえます。

2番目のトラバース箇所

雪渓下部に続く急斜面

こちらは2番目のトラバース箇所。先週の段階では肩の小屋への専用道の除雪が完全に終わっていませんでしたので、積雪量が分かりませんでしたが、車道より1メートルほど高い状態になっています。昨年と比べて1週間ほど遅い雪解けです。

ここから雪渓下部に続く急斜面はご覧のとおりまだまだ十分な滑走エリアがあります。蚕玉岳〜朝日岳の稜線からの滑走ができなくなり、また、剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線についても稜線直下の雪解けで滑走が困難な状態になってきましたので、唯一残された急斜面といえます。

 

雨がやんで雲海に吸い込まれるように滑り落ちる

今日は朝から雨に見舞われましたが、10時30分ごろからその雨もやんで山麓には雲海のパノラマが広がるようになって来ました。そんな風景に吸い込まれるように滑走できるのも今朝の雨にもかかわらず現地にやってきたスキーヤーだけに与えられたご褒美かもしれません。

 

三段風景 − ハイマツの絨毯 ・ 重厚な雲海 ・ 遠景の稜線

位ヶ原を境に重厚な雲海がたたえ、さらにその向こうには鉢盛山や中央アルプスの北端の経ヶ岳なども雲海に浮かび、三段紅葉というたとえがありますが、そんなことをふと感じさせる風景が広がります。それに彩を添えるかのように巣を守る雷鳥のオスがこちらの様子を警戒します。

 

【昨年の今ごろは?】

2007ノリクラ雪渓カレンダーVol.7(2007/06/23〜24)

梅雨前線の動きひとつで大きな変化をみせた二日間でした。北から張り出した高気圧で前線が南下して、23日(土)は終日に渡って青空が広がる天候に恵まれましたが、その高気圧が抜けて再び前線が北上した24日(日)は朝から雨の一日となってしまいました。そしてこの日は三本滝から大雪渓駐車場までの区間で第2回 信州・乗鞍天空マラソンが開催され、折り返し地点の大雪渓駐車場では気温6℃と冷たい雨にどの選手もずぶ濡れの体を小刻みに震わせ、千切れそうになる指先に係員の方々が手袋をはめさせてあげるなど過酷な大会となりました。

 

<編集後記>

平年より6日早い6月2日に梅雨入りしてから一度も雨に見舞われた週末がありませんでしたが、今回は梅雨らしい天候となってしまいました。平年の梅雨明けは7月20日ですから、まだ1ヶ月近くはこのような天候が続くことが予測されます。6月は梅雨の時期というイメージが強いかと思いますが、実際の所は先週や先々週のように良い天気の日が多く、大雨や濃霧に見舞われるのは6月下旬から7月に多く見受けられます。

大雨により乗鞍高原周辺の道路が冠水して、一時は陸の孤島となったことも過去にはありました。山岳地帯の道路は急激な降雨ですぐに川と化してしまい、実際、21日(土)の夕方から激しい雨が降り始めて、ものの数分の豪雨で三本滝付近の道路は冠水し始める所も出てきて前輪で巻き上げた水がフロントガラスを直撃して完全に視界が奪われるほどの状態でした。そんな豪雨に見舞われると山肌からは雨水と一緒に崩れた土砂が道路に激しく流れ込み、豪雨の去った後の路面は一面を小石に覆い尽くされる様子は三本滝周辺に限らず県道乗鞍岳線全線で良く見かけることができ、いつどこで土砂災害が起きてもおかしくないことが容易に想像できます。

これからの時期は鉛色の空に絶えず注意しながら過ごす日々がしばらく続くでしょう。

 

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