ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2008/06/28〜29) B

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(Update:2008/07/03)

 

【春スキーバス到着】

大雪渓入口 − 出発の準備

さて、こちらは春スキーバスが到着した大雪渓入口付近。多くの方々が出発に向けた準備に取り掛かっています。

 

シールの装着 − こんなシーンも今月で最後かもしれません

スキー板にシールを張る光景はこれまで何度もご紹介したシーンです。「いまどきこんな細い板、持ってくる人いませんよね」とおっしゃりながら左の方はシールに防水ワックスを塗ります。これまでにもご紹介いたしましたが、うろこが刻まれた板やエッジのない板でお越しになる方もいて、なかなかゲレンデではお目にかかることのできないアイテムに巡り会うことが山スキーの世界にはあるようですね。そして、右の方も板にシールを装着しています。

6月も今週末が最後。7月ともなれば、もうこんなシーンは見かけることはできなくなるでしょう。

 

東の空には夏のような雲が広がります − 照り始めた太陽に日焼け止め

日差しが強くなり始め、東の空には夏を思わせるようなモクモクとした雲が湧いてきます。日差しも強く差し込むようになってきて、ザックに板をくくりつける前に日焼け止めを...塗り忘れると後が大変なことになります。標高が高いと紫外線を吸収する大気が薄く、また、雪面からの反射がありますので、夏山や海以上に注意が必要です。

 

大雪渓周辺は時折霧に包まれることがあるものの、その先に見え隠れする山頂を目の当たりにすれば、足取りも軽くなってくるもの。

 

一斉に山頂目指します

春スキーバスが到着して大雪渓から山頂目指して一斉に登って行く光景もおそらく今日が最後。7月ともなれば、大雪渓の風景は雪解けによる積雪量の変化以上にガラっと様変わりを果たします。

  

 

【雪渓下部】

ここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えいたします。

 

大雪渓入口付近は雪渓の下端が徐々に車道から離れてくるようになって来ました。

 

大雪渓入口付近 − 昨年より1週間遅い状況

先週は車道下を通る排水溝の上半分程度まで積雪がありましたが、ご覧のように完全に姿をあらわしています。昨年は排水溝付近にはすでに小川ができていましたので、今年の雪解けは昨年よりも遅れていることは間違いなく、先週の段階では昨年よりもやや遅い雪解けの状態を示していましたが、今週は確実に1週間遅くなっています。

 

スキーヤー専用道 ウラジロナナカマド(新芽)

雪渓上部に続くスキーヤー専用道はまだ雪に閉ざされたままですが、ハイマツ帯に寄り添うように分布するウラジロナナカマドは新しい芽吹きを始めています。明るい青空の元ではもちろんのこと、少し曇ったような日でも目立つ緑はまるで蛍光ペンで彩られたような明るさがあります。

 

登山道入口 − 昨年より1週間遅い雪解け

大雪渓入口から50メートルほど北側には肩の小屋への登山道口があります。先週から見え始めた標識が3分の2程度まで姿をあらわします。前述の大雪渓入口付近と同様の傾向を示し、先週の段階では昨年よりやや多いところでしたが、今週は1週間ほど遅い状況を示します。

 

雪渓下部全景 − 雪解けで縦溝が丸くなる

先週はバーン全体に広がる縦溝がかなり目立ち、たけのこ状の円錐が尖っていましたが、それらのうねりは雪解けで丸みを帯びてき、やや足をとられるものの、滑走には大きな問題になるものではありません。

ジュニアレーシングチーム − 今年もノリクラ通いが始まります

大半の方が山頂や稜線目指して大雪渓を登って行った後はほとんど人影のない雪渓下部のバーンで練習を繰り返すジュニアのレーサー。大雪渓の超常連とも言えるこちらのチームの方々はこれまでの鶴ヶ池大雪渓からフィールドを移してのトレーニングです。

 

今日は斜滑降での体の使い方を細かくチェックしています。7月ともなれば、ポールレッスンを繰り返すレーサーやモーグラーの方がバーンを共有するため、こんな風にバーンを広く利用して練習することも今週まででしょう。

 

昨年も足しげくノリクラに通い続けてウインターシーズンは満足いく結果を得られたでしょうか?冷たい雨の降る日のノリクラでの練習は大会成績とは別に何か得られるものがあるはずです。

 

今年も10月まで毎週のように訪れることでしょう

「今年も10月まで来ます。」とおっしゃるコーチ。その頃になればアイゼンを装着して硬く締まったバーンにできた氷の凹凸を鍬で整備するしながら次のウインターシーズンへ少しでも長く選手を雪の上に立たせてやりたいという気持ちなのでしょう。

モーグルコースの岩 − ほぼ昨年なみ

こちらは雪渓下部の北側上部にあるモーグルコースの岩。先週は1メートルほどの雪解けでしたが、今週は50〜70センチ程度と雪解けが落ち着き、昨年より1週間近く早い状況が今週は昨年並みの状況となっています。

 

ここから雪渓下端まで135メートル

雪解けとともに岩の頂点を中心に上下方向にハイマツが伸びてきています。ハイマツの下端から車道までの滑走距離は135メートル。1週間で5メートルずつ短くなる傾向は変わりありません。

 

石碑の岩 − 昨年より1週間程度遅い雪解け

こちらは雪渓下部の西側上部にある石碑の岩。先週より50〜70センチほどの雪解けが見られます。昨年と比べた場合、先週の段階よりもさらに雪解けが遅くなり、今週は1週間程度遅い状況を見せています。

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景 − 昨年より1週間遅い 魔利支天岳 − 昨年並み

雪渓上部は昨年より1週間ほど遅い状況をみせ、魔利支天岳についてもほぼ昨年並みの状態です。

 

雪渓上部は朝日岳直下から大雪渓エリアに入ってくる箇所で毎年クレパスがあります。画像では3つあるピークの右側が朝日岳で、その直下にある雪渓から斜め左に滑り降り、大雪渓に差し掛かった付近です。それ以外にも画像の右端付近でもいくつかのクレパスが走ります。

 

クレパス好発エリア − 今年はまだありません

こちらが例年クレパスが走る箇所。ご覧のとおり今年はまだありません。前述のモーグルコースの岩付近にも毎年クレパスができ、今年も一時クレパスがありましたが、すぐに消失してしまいました。

 

ノリクラは落石が少なく滑りやすい − 山スキーのシーズンが終わりになってあわててお越しになるとのこと

朝日岳から大雪渓を滑り降りてきたこちらの方々。WebSiteの記事を見てシーズン終わりに近づくと、いつもあわててノリクラにお越しになるとのこと。後立山に出向くことが多いものの、この時期は雪渓に無数の落石が散らばり、その点、ノリクラはほとんど落石がないので滑りやすいとおっしゃってくださいました。このノリクラで今シーズン最後の山スキーを締めくくり、これからはクライミングのシーズンを楽しまれるとのことでした。

この6月末という時期はやはり季節の変わり目の時期なのでしょう。少しばかり冬のノリクラが名残惜しく感じるものです。 Next

 

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