ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2009/06/19〜20) @

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(Update:2008/06/25)

 

【大雪渓】

今回は乗鞍天空マラソン開催のため、一日前倒しして19日(金)と20日(土)の様子をお伝えいたします。この二日間は梅雨入りしたものの、南にある梅雨前線が近寄ってこないため、まずまずの天候を送ることができました。

19日(金)は快晴の朝から始まります。強い日差しに包まれますが、弱い風が絶えず吹きぬけて、程よい気候に包まれます。それでも遠景の光景は霞んでいて、青空に包まれているもののすっきりとしない状況で、時間とともに雲が上空を覆うようになります。しかし、それ以上の天候の悪化はなく、夕方頃には再び青空が広がって今日一日が終わって行きます。雲が広がって日差しはなくなりますが、湿度が多いためか、蒸し暑さをやや感じる状況に、やはり梅雨の中休みであることを物語っています。

そして、20日(土)は前日以上の天候となります。透明度が高い澄んだ空気に包まれ、彩度の際立つ深い青空に筋状の雲がたなびいて、まるで秋を思わせるような光景が広がります。強い日差しに照らされているものの、少しばかりひんやりとした空気に包まれていて、真夏のように天候が急変することなく、午後になって雲が広がり始めるものの、本当に梅雨のシーズンに突入したかと疑ってしまうほどの絶好の好天に恵まれました。

ただ、そんな天候もここまでで、20日(土)は夜から雨が降り始めます。21日(日)は今年で4回目を迎える第4回乗鞍天空マラソンの開催日。この大会はいつも雨に悩まされ、今回もご多聞にもれず、昨晩からの降り続く雨の大会となりました。特に早朝の天候がひどく、折り返し地点の大雪渓駐車場付近は風雨が強く、レース開始30分前に位ヶ原山荘での折り返しに変更されるほどでした。レース中も雨は降り続き、レースがほぼ終わりかけた頃になって、天候が回復し始めます。

今週の雪渓のコンディションはやや雪解けが遅く、全般的に昨年より多い状況となっています。

今回は19日(金)、20日(土)の様子をお伝えし、21日(日)の第4回乗鞍天空マラソンの様子は、後日掲載する予定です。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月19日(金)、ほおのき平駐車場】        【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【畳平周辺】        【肩の小屋へ】
Page-3 : 【雪渓下部】        【肩の小屋 T】
Page-4 : 【肩の小屋 U − 小屋開けの準備】        【稜線を目指して】 
Page-5 : 【稜線】       【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
Page-6 : 【6月20日(土)、観光センター − 春スキーバス】
Page-7 : 【6月20日(土)、秋のような青空の中で...】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記>
 

  

 

【6月19日(金)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

早朝6時30分のほおのき平駐車場。梅雨入りとは思えない雲ひとつない快晴の朝を迎えています。

 

力強い太陽がジリジリと

6時の気温は12℃。力強い太陽にひんやりとした雰囲気は全くなく、蒸し暑さすら感じさせるほどの状況です。

 

良い天候に恵まれたものの、今日は平日ということもあって、訪れる方はまばら...

 

6時55分の始発のシャトルバスがやってきます。休日は30分おきの運行も平日は1時間に1便となります。それでも始発便と最終便の時刻は変わりありません。

 

10名ほどの乗客を乗せて、ほおのき平駐車場を出発します。

 

【乗鞍スカイライン】

乗鞍スカイライン、平湯峠ゲート

ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。

 

明るい緑に濃さが増してきます

平湯ゲートを過ぎるとしばらくは広葉樹が山肌を覆い、先週あたりから明るい緑に覆われてきた様子がはっきりとしてきましたが、今週はさらにその緑が濃くなっているようすがうかがえます。そして、マイカー規制前の料金所があった夫婦松駐車場を越えた辺りから針葉樹も分布するようになり、萌黄色の明るい広葉樹と深い緑のコンビネーションを楽しませてくれます。

 

先週の乗鞍スカイライン(4Kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @

今週の乗鞍スカイライン(4Kmポスト付近)
緑の密度が高い明るい山肌に

こちらは夫婦松駐車場付近から少し進んだ辺りの4kmポスト付近。先週の段階で周辺の積雪が完全になくなり、先週からさらに緑の密度が高くなっていることがわかります。乗鞍スカイラインは全体的に針葉樹の分布が多いエリアですが、下部では広葉樹が多く、秋の平湯峠付近の紅葉も見事なものです。

 

今週の猫の小屋(跡地)
昨年より1週間早い雪解け

先週の猫の小屋(跡地)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @

昨年の猫の小屋
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) @

さらに進んだ標高2200m付近の猫の小屋跡地付近。先週の画像と昨年の画像と比較しながらお伝えします。先週まであった沿道の積雪が完全になくなっています。この状況は昨年より一週間早い推移です。

 

森林限界へ

猫の小屋跡地を過ぎると森林限界に向かいます。それまでの日差しと影が繰り返される状況から明るいエリアに差し掛かります。今日は少しばかり水分を含んだ空気に包まれているせいか、日に照らされると空気そのものが明るくひかる様子が見られ、日差しの差し込む角度や様子がよくわかり、夏の朝のモヤっとした雰囲気が感じられます。

 

遠景は少し霞む 笠ヶ岳もぼんやりと

そのため、遠景はご覧のようにはっきりとしない状況。左の画像では手前のほおのき平スキー場は確認できるものの、高山の町並みやその向こうに聳えるはずの白山の姿はありません。そして、手に取るように見えるはずの笠ヶ岳もごらんの状態です。

 

昨年の烏帽子岳
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) @

今週の烏帽子岳
昨年よりやや早い雪解け

昨年の四ッ岳カーブ
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) @

今週の四ッ岳カーブ
昨年よりやや早い雪解け

こちらの二組の画像は昨年と今週の烏帽子岳と四ッ岳カーブを比較したもの。先週と比べてさほど雪解けは進んでいませんが、どちらも昨年よりやや早い雪解け状況を見せています。これまでにもお伝えしているように、乗鞍スカイライン沿線は全体的に昨年よりやや早い雪解けを見せているようです。

 

烏帽子岳の端正な姿を楽しみながら 広大な桔梗ヶ原へ

四ッ岳カーブを過ぎて烏帽子岳の端正な姿を真正面に眺めながらさえぎるもののない桔梗ヶ原へと進みます。

 

桔梗ヶ原 − 窓枠がなければと思ってしまうほどの光景

四ッ岳カーブ付近から桔梗ヶ原への風景の変化が乗鞍スカイラインの道程の中で一番ドラマチックで、今日のような快晴の日は一番の見せ場といっても良いでしょう。

 

今週の鶴ヶ池雪渓
ほぼ昨年並み

先週の鶴ヶ池雪渓
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2009/06/13〜14) @

昨年の鶴ヶ池雪渓
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2008/06/14〜15) @

桔梗ヶ原を過ぎて畳平に到着する少し手前に岐阜県側で唯一スキー滑走指定地とされている鶴ヶ池雪渓があります。先週と比べて雪渓中央のハイマツ帯の面積がやや大きくなっていますが、滑走エリアにはハイマツが頭を出している様子はなく、現段階では滑走には問題はありません。昨年と比べてもほぼ同じような積雪状況です。この後、滑走エリア上にハイマツ帯が出現すると、自然保護の観点から滑走禁止の措置が取られます。毎年、6月下旬頃になると立ち入り禁止となりますので、それ以降は長野県側の大雪渓での滑走となります。

 

そして、真っ青な畳平に到着です。 Next

 

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