ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2009/07/11) F

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(Update:2008/07/16)

 

【畳平のお花畑】

それでは、畳平のお花畑の様子をお伝えします。

 

入口付近 − 開花している高山植物はまだまだ...

お花畑は、バスターミナルの南側に広がっていて、遊歩道が整備されていますので、観光客の方でも気軽に訪れることができます。こちらは入口付近の様子。開花している高山植物はほとんどありません。

 

ショウジョウバカマ

その中でも、唯一、花をつけているのがショウジョウバカマ。大雪渓などでも、比較的、早い時期に花をつける高山植物です。

 

遊歩道入口付近 −ハクサンイチゲはまだつぼみ

先ほどの階段を下りて、遊歩道入口付近のお花畑の様子です。畳平のお花畑は色々な高山植物がありますが、その中でも、最も多く群生するのがハクサンイチゲです。

畳平の雪解けは、遊歩道の奥から始まり、遊歩道入口付近が最後となることから、この付近のハクサンイチゲが一番成長が遅い状態。そのため、部分的に開花しているものはあるものの、大半のものは右の画像のようにつぼみの状態です。

 

遊歩道分岐点

遊歩道を進むと、ご覧のような分岐点があります。この遊歩道はお花畑内を一周していて、どちらを進んでもかまいません。先ほども申し上げたように、遊歩道の奥のほうから雪解けが進むため、この先のほうが高山植物の成長が進んでいるはずです。

 

遊歩道を進んで、中央付近に達しても、ハクサンイチゲはつぼみのまま。

 

ハナゴケ

ハナゴケ以外、他の高山植物の成長もまだ遅い状態です。

 

遊歩道奥 − ハクサンイチゲが開花を始める

こちらは遊歩道の一番奥のエリア。ようやくハクサンイチゲが開花している様子に巡り合えます。

 

ハクサンイチゲの群生 花茎の長さから、開花して間もない状態

ハクサンイチゲは開花した後も、花茎がどんどん伸びて行くため、花のすぐ下の葉の間の花茎の間を観察することで、開花して間もないものか、そうでないのかが、分かります。右の画像の状態は、まだ、数センチしかなく、開花して間もない状態。

昨年は、花のピークが終わりかけ。花茎の長さもかなり延びていました。今年は少し、遅れているようです。

 

コイワカガミ

本来なら、もう少し他の種類の高山植物も開花していても良い時期ですが、今年は本当に少なく、コイワカガミが、若干、開花している状態です。

 

今週の畳平お花畑は昨年より生育が遅れています

今週の畳平のお花畑は全体的に昨年より生育が遅れていますが、それだけ、楽しみが残っているということでもありますので、これからが楽しみです。

 

【昨年の今ごろは?】

2008ノリクラ雪渓カレンダーVol.9(2008/07/12〜13)

猛暑という言葉が無縁な状態が続いています。特に12日(土)は寒気が流れ込み、位ヶ原より上部には西から絶えず雲が供給され、気温も10℃前後を推移する状態。長袖どころか、アウターを一日中手放せない状況でした。そのため、登ったり滑ったりを繰り返すスキーヤー・ボーダーも汗を全くかくことのなく、平地とは全く別世界が広がっていました。

13日(日)はきれいに晴れ上がった空にしっかりとノリクラの稜線が浮かんでいます。日差しは真夏ほど強くなく、この時期は晴れればヒルクライムにとっては最適ともいえ、今日も多くの方がペダルを回して行く様子をうかがうことができました。

畳平のお花畑は10日(木)に開放され、今年は雪解けが遅かったこともあって、いつもならすでに終わっているハクサンイチゲがこれからシーズンを迎え、ミヤマクロユリもちらほらと見かけるようになって来ました。

 

<編集後記>

関東甲信地域は、14日(火)に梅雨明けしました。昨年よりも5日早く、平年より6日早い梅雨明け発表でした。今回の週末前の数日間はかなりひどい雨が降ったものの、梅雨入りから振り返ってみても、週末に関しては、ほとんど雨に見舞われることがなく、過ごしやすい状況が続きました。また、各コーナーでも申し上げたとおり、雨が少ないために、バーン状態も良好で、基礎キャンプやアルペンレーサーの方々にとっては、かなりの好条件が保たれています。

今回、カラスの記事を掲載しました。数年前からかなり多くなっています。今までは、追い払えば、しばらく寄ってこなかったものでしたが、今年は執拗にザックを続きまわし、悪態が見られます。カラスはほとんど匂いを感じ取ることができないことから、匂いで食料を察知しているわけではなく、ビニール袋には何か食べ物が入っていると学習しています。街中で回収日に出されたゴミ袋を狙うのも同じ理由です。

登山者と異なり、大雪渓でスキーやボードをする方々は、ザックを放置して一日の大半を過ごすため、食べ物などが無防備な状態となります。それがカラスにとって都合のよい条件であって、効率よく食べ物を得ることを覚えてしまい、大雪渓に集まってくるわけです。

カラスが高山帯の自然環境にどのような影響を与えるのか分かりませんが、平地の動物が定着することはあまり好ましいことではなく、その点からも、絶対に食料をザックから出さないようお願いいたします。

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

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