ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版Vol.6(2010/04/29〜05/01) E

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(Update:2010/05/06)

 

【5月1日(土)、春山バス運行開始】

早朝の位ヶ原山荘前

早朝6時の位ヶ原山荘前。気温はマイナス5℃。昨日から降り続いた雪はおさまりました。

 

屋根板は20〜30センチの新雪 − 県道乗鞍岳線も摩利支天バス停付近まで積雪に覆われる

天候は次第に回復傾向を示し、7時ごろになると北から南へ足早に雲が流れる中に青空が広がり始めます。位ヶ原山荘に宿泊された登山の方々は早くから山頂方面に向けて屋根板を出発します。
その屋根板は昨晩の降雪で20〜30センチほどの新雪があって、足裏には真冬なみの柔らかい感触が伝わってきます。

そのため、今日から春山バスがが通行する県道乗鞍岳線には位ヶ原山荘付近で5センチの積雪となっていて、その積雪はかなり山麓まで広がり、右の画像のように冷泉小屋付近まで真っ白。また、画像にはおさまっていませんが、摩利支天バス付近まで積雪となっています。

 

除雪が実施され、バス会社が路面状況を確認 − 第2便より運行開始

そのため、観光センター8時5分発(三本滝8時20分発)の始発便は早朝から運休が決まりました。完全に降雪に覆われた路面は自然融雪は到底難しく、急遽、位ヶ原山荘前除雪されます。一旦、アスファルトがのぞき始めると力強い春の太陽の熱で見る見るうちに路面の雪が消失して行きます。

9時過ぎにはバス会社の車が路面状況の確認にやってきます。観光センター10時45分発(三本滝11時00分発)の第2便の運行が決まり、この第2便が今シーズン最初の春山バスとなります。

 

位ヶ原山荘では訪れる方々の受け入れ準備に追われる

そして、春山バスの乗客を待ち構える位ヶ原山荘では、訪れる方々を受け入れる準備に追われているところに...

 

今シーズン初の春山バス到着

11時30分過ぎに今シーズン最初の春山バスが位ヶ原山荘に到着します。

 

バス4台、140名が降り立つ

この便で運行されたバスは4台。140名の乗客の方々が降り立ちます。

 

春山入山計画書の投函

始発便が運休となり、大半のスキーヤー・ボーダーの方々は、春山バスの乗車を断念してツアーコースに向けて歩いて行かれたことから、到着した第2便は大半が観光客の方々でした。それでも登山やスキー・ボードの方々もいらっしゃり、春山入山計画書に必要事項を記入して、専用の箱に投函する様子を見かけることができます。

位ヶ原より上部では、天候の急変などで完全に視界がなくなり、ツアーコースに戻ってこられないケースがあります。そのために必ず、春山入山計画書の投函をお願いいたします。

 

今年も無事に春山バスの運行が開始できました

第2便が運行される頃には路面は完全に乾いて、安全に春山バスの運行が開始でき、バス会社の係の方々も一安心といった所...これから6月末まで、天候や路面状況を見ながらの運行が続きます。

 

乗客はパノラマの広がる屋根板方面へ − スキーヤーは屋根板を登る準備を

春山バスを降りた方々は山荘前に広がる屋根板のパノラマへ続々と向かいます。そして、スキーヤーの方々はその屋根板を登って上部エリアに向かうため、ザックに板をくくりつける準備が始まります。

 

毎年、春山バス初日にお越しになります − 運行開始を心待ちにしていました

こちらは、毎年、春山バスの最初の便でお会いする方々...この春山バスが運行開始されることを心待ちにしていました。

 

一同、鶴ヶ沢へ!!

今日は鶴ヶ沢を目指して白と青のコントラストの世界へ一列に登って行きます。

 

ノリクラの春スキーは初めて − 「ツアーコースへはどのように向ったらいいですか?」

そして、屋根板への登り口で地図を広げて確認しているこちらの方々。夏のノリクラにはお越しになったことはあるものの、この時期は初めてとのこと...

「屋根板を上がったらツアーコースへの目印はありますか?」と少し不安な様子でした。

位ヶ原には点在するダケカンバの木にツアーコースを示す看板がいくつか見られますが、この看板は濃霧時にツアーコースの方角をある程度示すもので、初めての方がその看板を見つけることは困難かもしれません。

ウインターシーズンの場合は、ツアーコースを登ってくるため、帰りの際のツアーコースの入口となる位ヶ原急斜面周辺の様子を把握して上部エリアに入って行きますが、春山バスで位ヶ原山荘まで登ってくると、ツアーコースを全く把握できずにやって来てしまいます。

濃霧時などにツアーコースへ向う際は、ホワイトアウトとなる位ヶ原へは登らず、そのまま無理をせずに車道で向かうことをお勧めします。位ヶ原山荘からツアーコース位ヶ原斜面(11号カーブ)まで、車道で1.5kmです。

 

ご家族一緒で! − こんな楽しみ方も春スキーならでは...

春の穏やかな日はご家族一緒で春スキーという様子も見られます。この時期だからこそこんな楽しみ方ができるはず。この大自然のパノラマのすばらしさは、きっと小さな脳裏にしっかり刻まれることと思います。

 

春スキーバス運行開始で
ノリクラに新たなシーズンが到来

今日は比較的低めの気温を推移し、ダイレクトな力強い太陽が燦々と降り注ぐものの、ウインターシーズンのパウダー感を十分楽しめる またとないコンディション。スキーヤー・ボーダーは上部エリア目指して登って行き、観光客の方々を乗せた下りのバスが発車すると再び静かなノリクラが戻ってきます。そんな中に青と白のコントラストだけがいつものように輝いています。

いよいよ春スキー本番のシーズンがノリクラにやってきた雰囲気の一日となりました。

 

<編集後記>

いよいよゴールデンウィークが始まりました。今回は前半の4月29日(木)から5月1日(土)までの状況をお伝えしましたが、その後の天候は綺麗な青空が続く良い状態で、春スキーには持って来いの状況となりました。

春山バスが1日3便の運行となってから今年で3年目を迎えます。それまでは、春スキーを楽しむスキーヤー・ボーダーの方々への専用バスという目的だったため、朝の登り便が位ヶ原山荘から折り返して下山するときには乗客を乗せることができず、また、夕方の下り便が位ヶ原山荘に向う際には乗客を乗せることはありませんでした。そのため、一般の観光客が利用することはほとんどなく、また、積極的な広報もされませんでした。

しかし、1日3便となって、観光センター10時45分発の第2便は大半が観光客の方々が利用される状況です。この便は位ヶ原山荘に11時24分に到着し、折り返しは12時36分に発車します。そのため、位ヶ原山荘周辺で約1時間ほどの散策を楽しむことができるため、ちょっと雪山の感触を味わってみたいという方には利用し易いダイヤとなります。

グリーンシーズンにおいても3000メートル級の高山の楽しさを容易に手にすることができる点がノリクラの魅力でありますが、それと同様に、この春山バスは冠雪した山岳風景や大雪原を身近にしてくれる存在でもあると思います。

自然への魅力を気付かせてくれる第一歩に、高山帯へのアクセスが容易なノリクラがその一端を担っていてもおかしくないと感じています。

3月末から連載した ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版 は今回号で終了いたします。なお、5月中旬から ノリクラ雪渓カレンダー正式版 の連載を開始する予定です。

 

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