ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2010/05/29〜30) @

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(Update:2010/06/03)

 

【大雪渓】

5月最後のノリクラ雪渓カレンダーをお伝えします。少しずつ雪解けが進むものの、まだまだ春スキーのシーズンは続き、今回も静かな雰囲気の中で、暑くもなく寒くもない雰囲気を楽しむことができたように感じます。

5月29日(土)は先週と同様、乗鞍スカイラインから畳平に到着した後、大雪渓・稜線方面へと向かいました。この一週間、低めの気温が続いたこともあって、雪解けはやや少なめであるように感じます。天候は曇〜晴れを周期的に繰り返す状況で、めまぐるしく雲が動き回っています。それでも風は全くなく、穏やかな天候の下、低めの気温であったにもかかわらずバーンはかなり緩んで、シールのグリップが効きづらい状況でした。先週と比べて訪れる方がやや少なめであったこともあって、雷鳥が激しく縄張り争いする以外は、完全にサイレントな状況に静かに移り行く雲の様子を眺めていると、それだけで一日が過ぎてしまうような状態でした。

翌日の5月30日(日)も低めの気温が続き、乗鞍スカイラインや畳平、そして、鶴ヶ池雪渓では周期的に雲に覆われ、じーっとしていると寒さを覚えるほど。急勾配の続く乗鞍スカイラインをヒルクライムしても汗ばんでくるどころか、ウインドブレーカーを着込んでペダルを回してちょうど良いほどのコンディションで、5月の乗鞍スカイラインはヒルクライムにはまだ寒い状況が続いているように感じました。

それでは乗鞍スカイラインから大雪渓・稜線方面の状況と岐阜県側スキー滑走指定地の鶴ヶ池雪渓の様子をお届けします。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【5月29日(土)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【畳平に到着】       【畳平周辺】       【肩の小屋へ】
Page-3 : 【肩の小屋】       【稜線目指して】       【稜線】
Page-4 : 【剣ヶ峰〜蚕玉岳】       【雪渓下部】
Page-5 : 【鶴ヶ池雪渓 − ジュニアレーシング】       【昨年の今ごろは?】        <編集後記>
 

  

 

【5月29日(土)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場である ほおのき平駐車場。昨晩から立ち込め始めた霧に包まれ、水墨画のような朝霧の中、ぼんやりとした朝日が昇りはじめ、モノトーンな雰囲気の朝を迎えます。

 

出発の準備

6時の段階で駐車場には15台程度しかお越しになっていませんが、シャトルバスの始発便にあわせるように、出発の準備を始めるスキーヤーの姿があちこちで見られます。

 

畳平は氷点下 − この数日間は始発便の運休が続いた

ほおのき平駐車場の気温は10℃ですが、乗鞍スカイライン終点の畳平はマイナス1.5℃。天候によって二通りあるシャトルバスのダイヤは、正常ダイヤであるAダイヤで運行されます。

この一週間は低い気温が続き、先週の5月22日(土)は正常運行されたものの、その後は積雪凍結などが続きました。
翌日の 5月23日(日)の速報 でもお伝えしたように積雪で終日通行止めとなり、24日(月)も通行止め。25日(火)以降も早朝の凍結で、シャトルバスの始発便などが運休となりました。

このように、積雪凍結で運休になることは珍しくなく、また、天候の急変で、突然、シャトルバスが運休となることもしばしばあり、畳平から大雪渓・山頂方面など、遠方に出かけられる方は、天候の急変には十分注意してください。特に長野県側では降雪がなくても、岐阜県側で激しく降雪が見られることもありますので、頭上の天候の状況だけで判断せず、バス会社への運行状況の確認などを取りながら行動されることをお勧めします。

 

始発便に乗車される方々続々と...

早朝は朝霧の立ち込める状況でしたが、次第に天候も回復し、始発便に乗車される方々が続々とお越しになります。バス乗り場の係の方がお待ちになる乗客の人数をカウントします。

 

今日は乗鞍高原側へ下山の予定... ツアーコースは滑走不能です

今日は畳平から長野県側のツアーコースを滑り降り、今晩は乗鞍高原に宿泊を予定されているというこちらの方々。ツアーコースの積雪状況が心配な様子。

前回の ノリクラ雪渓カレンダーVol.2(2010/05/22〜23)D【ツアーコース】 でもお伝えしように、ツアーコースは滑走困難な状況となっています。ツアーコース上部は積雪がありますが、滑走不能となった山麓側の入口急斜面は積雪はなくなって全面ブッシュとなってしまい、歩いて降りることもできない最も難所なエリアとなっています。

山麓間際まで滑り降りてきて再度登り返すことは事実上困難ですので、ツアーコースを滑走されずに、春山バス下り最終便(位ヶ原山荘14時56分発)に乗車して、乗鞍高原に下山されるようお願いいたします。

 

今日は山頂登山にリベンジ!

この時期のシャトルバス始発便は、スキーヤー・ボーダーの方が大半を占めていますが、もちろん山頂登山に向かう方もいらっしゃいます。毎年、乗鞍スカイラインオープンに合わせて山頂登山に向かうこちらの方々。今年も初日に山頂目指しましたが、畳平から肩の小屋方面に向かう専用道上の積雪が例年以上に多く(→ ノリクラ雪渓カレンダーVol.1(2010/05/14〜15) E 【畳平周辺】 )、急斜面をトラバースすることができずに断念されました。

その後、肩の小屋方面に向かう急斜面箇所でルートが確保されたことをWebSiteで確認すると(→ ノリクラ雪渓カレンダーVol.1(2010/05/14〜15) E 【肩の小屋へ】 )、再びトライしようという想いをとめることができず、急遽、お越しになったとのこと...

毎年、季節ごとに移ろう状況を肌身に感じないと気が気でない...ノリクラにはそんな想いにさせてくれる魅力がある証拠です。

 

そして、始発のシャトルバスがほおのき平駐車場に到着。

 

スキー板はトランクへ − キズなどご心配の方はスキーケースをご利用ください

トランクにスキー板を積み込みます。トランクが一杯となり積み込む場所がない時など、特別な事情がない限り、客室への持ち込みはできません。そのため、搬入搬出などに伴うキズなどをご心配される方は、スキーケースなどに収納した上でトランクへ搬入されるようお願いいたします。

 

乗車しきれず、すぐにもう一台を手配...

平湯温泉からやってきたシャトルバスは1台。すべての方に乗車していただくことができず、今回はすぐにもう1台のバスを手配しました。

 

【乗鞍スカイライン】

平湯峠 − 乗鞍スカイライン入口

それではここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。

 

先週の平湯峠付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @
今週の平湯峠付近
新緑の輝きはまだ...

ほおのき平駐車場付近では新緑の眩しさが輝くようになってきましたが、乗鞍スカイラインの基点である平湯峠(標高1648m)付近では、まだその息吹を感じることができません。特にこの一週間は低い気温が続いたこともあって、先週の画像とほとんど変化のない状況です。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) @
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @

今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
昨年よりもかなり多い積雪

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。先週と比べると沿道の積雪の減少が見られます。ただ、ヘアピンカーブの奥に見られる法面の積雪状況を見ると、昨年は大半が雪解けを終えている状況ですが、今週の画像を見るとかなり残っていて、昨年よりもかなり積雪量の多いことが分かります。

 

昨年の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) @
先週の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2010/05/22〜23) @

今週の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)
昨年よりも多い積雪

さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。こちらの先週と同様、昨年よりも多い積雪状況を示しています。

 

森林限界へ − この付近はヒルクライマーにとって難所の一つ

猫の小屋跡地を過ぎてしばらくすると森林限界に到達します。乗鞍スカイラインは平均勾配が約7%と急勾配です。その中でも、猫の小屋跡地を過ぎた8kmポスト付近から1〜2km程度は、直線の急勾配が休むことなく続きます。そのため、平湯峠から夫婦松駐車場までの3km程度の部分とあわせて、ヒルクライマーにとって難所の一つでしょう。

 

昨年の烏帽子岳
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) @
今回の烏帽子岳
ほぼ昨年並み
昨年の四ッ岳カーブ
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) @
今回の四ッ岳カーブ
ほぼ昨年並み

森林限界を超えて最初に目に飛び込んでくる烏帽子岳、そして、その先には乗鞍スカイラインで最も雪の壁の高い四ッ岳カーブがあります。どちらもほぼ昨年並みの積雪です。

 

桔梗ヶ原 − 雲上に穂高の頂を垣間見る

今日は雲量が多く、遠景の山並みを望むことができませんが、桔梗ヶ原に到達すると、雲の上に穂高の頂を垣間見ることができます。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2009/05/30〜31) @
今回の鶴ヶ池雪渓
上部は昨年並み、下部は雪解けがやや早い

桔梗ヶ原を過ぎて畳平に到着する手前には、岐阜県側で唯一スキー滑走指定地とされている鶴ヶ池雪渓が広がります。実際に滑走するエリアは、画面の右上部分に当たる魔王岳北斜面で、この付近に関しては昨年並みかやや早い雪解けを示す程度ですが、画像左手前部分は昨年以上の雪解けを見せています。

今後、さらに雪解けが早い場所が多くなると、6月下旬を待たずに滑走禁止の措置がとられる可能性があります。

 

畳平

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。 Next

 

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