ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2010/06/18〜19) B

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(Update:2010/06/24)

 

【肩の小屋】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。肩の小屋は例年6月下旬に今シーズンの営業が開始され、今年も6月26日(土)よりオープンされる予定で準備が進められています。

 

昨年の肩の小屋周辺
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) B
今回の肩の小屋周辺
昨年よりもやや早い雪解け
昨年の肩の小屋周辺
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) B
今回の肩の小屋周辺
昨年よりもやや早い雪解け

肩の小屋周辺は先週よりもやや雪解けが進み、全体的に昨年よりもやや早い雪解け状況となっています。

 

南側の草原

肩の小屋の南側の雪原部分はミヤマクロスゲの草原へバトンタッチを始めています。草原はまだまだ枯れ草状態ですが、次第に緑が芽吹くようになってくるはずです。

 

キバナシャクナゲ(つぼみ)

そして、雪解けが進む肩の小屋の東側周辺ではご覧のように高山植物たちが数々の準備を始めています。こちらはキバナシャクナゲ。高山植物としては大輪の花が目立ちます。ご覧のように大きなつぼみが見られ、透き通るようなクリーム色の可憐な花弁が特徴です。

 

コメバツガザクラ(花)

こちらはコメバツガザクラ。ツガザクラ属に良く見られる壷型の花弁を見れば、同じように岩場に自生するコケモモと判別が可能でしょう。ただ、花のない時期は葉の状態で見分けるしかありません。コメバツガザクラの葉はコケモモよりも小さく(5ミリ〜1センチ)、葉の先端が尖って、葉の縁が少し巻き込んで葉脈の中心線がはっきりしている所が特徴です。

 

奥には宇宙線研究所が...

さて、肩の小屋からさらに奥には宇宙線研究所があります。

 

石仏 トイレ − 先週より利用可能に

これまで便宜上の観点から「肩の小屋への専用道」と申し上げていますがこの道路は宇宙線研究所の管理する道路です。その宇宙線研究所は一般の方の立ち入りができませんが、その手前にはトイレがあり、先週から利用が可能となっています。剣ヶ峰などこの先の山頂方面にはトイレの設備はありませんので、ご注意ください。

そして、ノリクラには各所に石仏があり、道路を挟んだトイレの反対側に見られます。

 

荒澤不動明王

朝日岳を拝むように建てられているこちらの石仏は荒澤不動明王。年号は記されていませんが、かなり古いものと見られています。

 

室堂 − 修験者たちの行場

石仏の右側には室堂の跡があり、ここで修験者たちの修行が行われていたものと考えられます。肩の小屋から目と鼻の先ですが、なかなかその存在に気が付きにくいものです。修験者たちは山道を切り開き、岩陰や洞穴などで行法をつとめ、滝に当たって身を清めたと考えれています。

ノリクラにはこのような岩陰や滝があるロケーションがいくつもあり、冷泉小屋付近にある冷泉(霊泉)では明治以降も行場として使われていました。

 

【稜線目指して】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

登山道

肩の小屋から山頂方面に向かう夏道(登山道)は、さらに雪解けが進み、肩の小屋から稜線までの区間の半分程度は雪解けが完了している状態です。そのため、肩の小屋からシールで登行することはできず、大雪渓の左上方面から進んで行く事になります。

大雪渓方面から稜線に向けて登行する場合、途中に大きなクレパスが発生しております。後ほどお伝えする【稜線】のコーナーにてクレパスの様子をお伝えしますが、濃霧時は見えにくいためご注意ください。

 

先週の肩の小屋〜山頂の登山道
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) C
今週の肩の小屋〜山頂の登山道

こちらは肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり、先週から比べるとかなり雪解けが進んでいる様子がわかります。

 

この先は積雪

先ほどの箇所から50メートルほど進んだところから積雪が始まります。この先、稜線までは完全に雪の中です。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道
2009ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.6(2009/06/19〜20) C
今回の肩の小屋〜山頂の登山道
ほぼ昨年並み

こちらは肩の小屋から稜線までのちょうど中間付近。昨年の画像と比較すると、ほぼ昨年並みであることがわかります。

 

摩利支天岳

今日はどんよりとした天候が続きますが、視界には問題はありません。雨と濃霧は厄介な天候に属します。もちろん、雨と濃霧に同時に見舞われることはありますが、雨が降り始めると霧が抜けて行き、雨が止むと霧が立ち込め始めるといった周期的な天候の変化を見せるときもあって、そんな霧の抜けた瞬間(雨の降り始めた時)を狙って撮影をすることがこれからの時期は必要で、辛抱強く天候の推移を待たなければならないものです。 Next

 

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