ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.6(2010/06/18〜19) C
【稜線】
こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。先週から帯状に岩場が広がるようになり、今週はかなりの範囲になっています。昨年と比べると一週間以上早い雪解けですが、2008年はすでに岩場部分だけでなく、その南側(左側)の砂地部分も雪解けが終わっていて、この部分だけが特別雪解けが早いわけではないようです。
先週はまだ一部しか見られなかった夏道(登山道)のつづら折れ箇所が数箇所にわたって見られるようになります。
それでも、大雪渓方面に滑り降りる箇所は滑走においても登行においても全く問題のない状態です。ただ、この下部でちょうど大雪渓エリアに差し掛かる部分では、かなり大きなクレパスがあり注意が必要です。
こちらがそのクレパス。滑走エリア全面に渡ってクレパスが走っています。
クレパスの幅はご覧のように人が渡るのに苦労するほど。もちろん、はっきりと確認できれば問題ありませんが、右の画像のように濃霧の場合は、稜線から滑り降りて来たときはかなり確認しにくい状況ですので、細心の注意の上、滑走してください。
昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D ↓ |
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) C ↓ |
他のエリアが雪解けスピードが速くなって、昨年よりやや早い雪解け状況を見せていましたが、稜線部分はほぼ昨年並みです。
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昨年の権現ヶ池 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D |
今回の権現ヶ池 ほぼ昨年並み |
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昨年の朝日岳 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D |
今回の朝日岳 昨年よりやや多い |
権現ヶ池は先週と同様にほぼ昨年並みですが、朝日岳については他のエリアと異なり、やや多い状況を見せています。
左の画像は先ほどの蚕玉岳〜朝日岳稜線の画像をクローズアップしたもの...岩の上に雷鳥が止まっているのがお分かりでしょうか?
これは雌のライチョウ。これまでは縄張り争いをする雄の姿はよく見かけましたが、雌に出会える機会はなかなかありませんでした。えさをついばむのに忙しく、人の気配などお構いなく動き回っています。しかし、遠方から雄のライチョウの鳴き声に気が付くとそちらに向って歩いて行きます。
雌が戻ってくるのを待っているのか、こちらが立ち去るのを待っているのか、岩の上で雄が鳴き続けています。こんな状況も人の少ない今日のような天候だから巡り会えたのかもしれません。
【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
それではここからはいつものように剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線の様子をお伝えします。
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昨年の蚕玉岳山頂 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D |
今回の蚕玉岳山頂 昨年よりやや多い |
こちらは蚕玉岳山頂付近の様子。先ほどの朝日岳の山頂付近の状況と同じく、こちらも昨年よりもやや多い積雪を見せています。
稜線からの滑走エリアを見ると、先週までは全く見えなかった右側部分の砂礫帯が現れ始めました。この状況は昨年よりも一週間ほど遅い雪解けで、他のエリアが昨年並みか、昨年よりも早い雪解けを見せる中、雪解けの遅い状況が続いていることがわかります。
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昨年の位ヶ原 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D |
今年の位ヶ原 ほぼ昨年並み |
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昨年の剣ヶ峰直下の岩 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2009/06/19〜20) D |
今回の剣ヶ峰直下の岩 ほぼ昨年並み |
眼下に広がる位ヶ原の唐草模様はほぼ昨年並みの状況(上段)。先週まではハイマツ帯よりも積雪面積のほうが多い状況でしたが、今週はハイマツ帯の方が目立つ状況になっていて、完全に緑のビロードに覆われる状況になるのもそれほど先のことではないと思います。
そして、下段の剣ヶ峰直下の岩付近は先週までは昨年よりも多い状況でしたが、他のエリアと同様に雪解けスピードが上がっていることから、ほぼ昨年並みとなっています。
ほとんど岩がなかった沢全体も所々で岩の頭が見え始めています。それでも滑走に支障となるような状況ではありません。
今回は日差しがなく、やや硬めのバーンコンディション。そして、右の画像は稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近を境に滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります。現段階では岩の頭は全くなく、例年よりも積雪量は多い状況です。
下部に差し掛かると両脇をハイマツ帯に縁取られるようになります。そのハイマツ帯が少しずつ高さを増すようになり、そんな所から雪解けが徐々に進んでいることも感じ取ることができるでしょう。
下部では少し縦溝が見られますが、例年、もっとひどい状況もあって、今年は比較的縦溝が少ないように見受けられます。
県道乗鞍岳線 |
稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。
切り通しの高さは2〜2.3メートルほど。昨年よりやや少ない状況です。(→ Next)
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