ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2010/06/25〜26) D

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(Update:2010/07/01)

 

【稜線】

ここからは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳稜線の様子をお伝えします。

 

岩場の帯がバーンを左右に二分する

稜線からの沢筋を二分するように岩場の帯が広がっています。そして、肩の小屋から登って来ている登山道はこの付近でつづら折れを繰り返して高度上げて稜線へと続きます。そのつづら折れ箇所の大半が現れるようになって来ました。

 

滑走エリア(朝日岳直下から) 滑走エリア(蚕玉岳寄り) − バーンが途中で途切れる

この岩場の帯が面積を拡大することによって、滑走エリアがかなり制限されるようになって来ました。左の画像は岩場の北側(朝日岳直下付近)から撮影したもの、大雪渓方面へはかろうじて積雪がつながっていますが、右の画像の蚕玉岳寄りの滑走部分から大雪渓方面を見たところでは一部積雪が途切れ始めました。状況としてはほぼ昨年並みで、蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑走は次の週末は困難な状況です。

 

週末は天気が悪そうなので、日程を変更してやってきました

「週末は天候が悪い予報が出ていて、金曜日に休みが何とか取れたので来ちゃいました!」と、おっしゃるこちらの方は、もう何度もノリクラには足を運んでいらっしゃる常連です。今日は梅雨とは思えない良い天候にしばらく剣ヶ峰山頂でゆっくりと時間を過ごされていたとのこと...
「ゆっくりと時間を過ごすことが楽しんですよ。」...自分の時間を過ごすためのフィールドにノリクラは最適なのかもしれません。

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) D
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) C

今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
昨年よりやや遅い雪解け

稜線部分を見ると、昨年はほとんど積雪がなくなっていて、先週から今週にかけての雪解けの変化が少なかったことから、昨年よりやや遅い雪解け状況を示しています。

 

昨年の権現ヶ池
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) D
今回の権現ヶ池
ほぼ昨年並み
昨年の朝日岳
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) D
今回の朝日岳
昨年よりやや多い

権現ヶ池についてはほぼ昨年並み。朝日岳については昨年よりやや多い状況。両者とも先週と同じ推移を見せています。朝日岳についてはほとんど積雪量がなくなってきましたので、次週末はかなりの部分で雪解けが完了すると考えられます。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

蚕玉岳〜朝日岳の稜線をさらに南側に移動し、こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線。

 

登山道と稜線直下で地肌が見えてきた − 昨年より一週間遅い雪解け

ようやく登山道の姿が見えてきて、稜線直下の一部で地面が出てきました。昨年よりも一週間遅い雪解けです。

 

昨年の稜線直下付近
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) E
今回の稜線直下付近
過去5年間で2007シーズンに匹敵する積雪量の多さ

稜線から滑り込む箇所をも見ても、今年の雪解けの遅さは一目瞭然です。過去5年間の中で、2007年に匹敵する積雪量といえます。

 

横幅75メートル − 十分な幅があります

右側の砂礫帯がかなり目立つようになってきたものの、横幅75メートルとまだまだ十分な滑走エリアが確保できます。

 

昨年の位ヶ原
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) E
今年の位ヶ原
ほぼ昨年並み
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) E
今回の剣ヶ峰直下の岩
昨年よりもやや多い

眼下に広がる位ヶ原の唐草模様はほぼ昨年並みの状況(上段の画像)。残雪の白とハイマツの緑の織り成す模様が美しい所ですが、ハイマツの方が大勢を占めるようになって来ました。そして、下段の剣ヶ峰直下の岩付近は先週の段階で一旦昨年並みになりましたが、今週は再び昨年よりもやや多い状況となっています。

 

午後になっても天候は安定

午後になって少し雲が広がってきたものの、遠景の山並みは午前中とほぼ変わらず広がっています。

 

今シーズン最後の滑りを天候の良い日に締めくくりたかったんです

ウインターシーズンからノリクラに良くお越しになっていて、「今シーズン最後の滑りを良い天候のもとで締めくくりたかったので、今日を選んでやってきました。稜線からの滑り込みがノリクラの魅力の一つですよ。」と、おっしゃりながら、まだまだ広大に残るターンエリアを独り占めしながら、位ヶ原めがけて飛び込んで行きます。

 

昨年の急斜面から緩斜面に差し掛かる部分 
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2009/06/27〜28) E
今回の急斜面から緩斜面に差し掛かる部分 
岩の頭が現れる − 次週末は滑走可能か微妙

稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。この付近の雪解けが進んで沢筋が上下に二分されるようになると、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からの滑走ができなくなりますが、先週までは全く確認できなかった岩の頭が見られるようなって来ました。昨年も雪解けペースの遅いシーズンでしたが、今年は昨年と比べてもさらに雪解けが遅い状況です。

前述の稜線直下は過去5年間の中で、2007シーズンに匹敵する状況とお伝えしましたが、こちらは2007シーズンより少しだけ雪解けが早い状況です。

また、横幅は約20メートルと先週よりもかなり狭まって来ていますので、次週末の滑走が可能かどうか微妙な所です。

 

落石に注意

先ほどの狭い箇所を過ぎれば、後は再び広大なバーンが広がります。ただ、落石がかなり多く、しかも小石ではなく、直径が20〜30センチほどもあるものがいくつもあって、雪解け時期の落石は注意が必要です。

 

大雪渓入口付近の落石撤去作業 − 人の背丈ほどの大岩

これまでにもお伝えしたように、乗鞍スカイラインは落石危険箇所が発生したことから通行止めが続き、県道乗鞍岳線でも大雪渓入口から100メートルほど北側でかなり大きな落石がありました。

雪解け時の落石に注意しなければいけないことは間違いありませんが、不安定な岩場に不用意に立ち入ったり、長時間滞在することを避けなければなりません。特に山頂直下では2005年10月には集団登山中の中学生の列に直径1.5メートルほどの岩が直撃し、太もも骨折、頭部強打の重傷を負った二人のほか、二人が軽症を負う事故が発生しています。
剣ヶ峰山頂直下は登山道以外の場所には絶対に立ち入らないようお願いいたします。

また、これから雪解けが進むと大雪渓エリアでも落石箇所があります。特に雪渓上部左側は夏以降も落石が多発しております。滑走される際は常に上部の岩場の状況を注意してください。

 

全景

下部に差し掛かると縦溝がありますが、この時期としては比較的フラットな状況です。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。

 

切り通しの高さは1.6メートル − 昨年よりやや多い

切り通しの高さは1.6メートルほど。先週の昨年よりやや少ない状況から一変して、やや多い状況となっています。 Next

 

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