ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2010/06/30〜07/04) G

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(Update:2010/07/08)

 

【雪渓上部 U − 基礎キャンプ】

基礎スキーのキャンプ

雪渓下部ではモーグルの方々がコブラインやエア台で練習されていましたが、雪渓上部では基礎スキーのキャンプの方々が濃霧の中、レッスンを続けています。

 

もう少しポジションを移動させると... このあたりにしっかりと加重を加えることが
できますよ

実際の練習内容は冬のゲレンデとは変わらないと思いますが、夏スキーの場合は一本一本の滑走が非常に貴重なものですから、ワンターン単位での意識の使い方が練習の成果に直結してきます。

 

集中力を切らさないように一日を使う

そのため、集中力を切らさないように一日を使うことが重要なポイントとなってきます。

 

しかしその前に体力が尽きてしまう...

ただし、集中力が切れる前に体力のほうが切れてしまうことも...

 

ゲレンデに近いコンディションに整備してから練習開始

大勢で同じバーンを繰り返し滑走すると雪渓表面を覆う細かなピッチはすぐになくなり、ゲレンデに近いコンディションまで整備することができます。しかし、一晩雨が降り続くと、雪渓は元の状態に戻ってしまい、朝一番はバーン整備から始まります。

 

自ら整備して「練習させてもらっている」という謙虚な気持ちで...

自分達が使用する練習フィールドは自分達で整備する...スキー場では朝一番に圧雪車が整備してくれますので、そんな当たり前のことを忘れがちになりますが、ここノリクラでは「練習させてもらっている」という謙虚な気持ちで練習に望むことが求められます。

 

濃霧が抜けて青空が...

濃霧の中での練習が続き、午後の練習はモチベーションを維持することが難しくなる中、霧が抜け始めて綺麗な青空が見え隠れするようになって来ました。

 

そして虹に指差して − 一日の練習を達成したご褒美!

そして、山麓方面にはしっかりと太陽の日差しが差し込んでいる様子が見えるようなり、さらにその雲の境目には眩しいばかりの虹の架け橋が...「あっ!」と、思わず誰しもがその方向へストックを突き出します。

今日一日、雨と濃霧の中の練習を続けてきたご褒美でしょう...

 

練習バーンの外はスプーンカットが広がる

練習バーンは綺麗なフラットですが、そこを一歩離れると斜光に照らされた雪渓は細かなピッチやスプーンカットが広がり、かなり滑りにくい状態であることが一目瞭然です。

 

スプーンカットの荒れたバーンを フラットバーンを滑るがごとく華麗に − こんな風に滑れたらと 誰しも思うもの

今日のレッスンの締めくくりに披露してくださったのは、スプーンカットが連続する練習コース脇の荒れたバーンでのショートターン...まるでフラットバーンを滑るかのごとく、ターンとエッジングを途切れなく繰り返す様子に、凝視せずにはいられません。

この基礎キャンプに参加される方でなくても、どんなシチュエーションでも意図する滑走できることを目指して、四季を問わずスキーの練習に励むためにノリクラに通うのかもしれません。

 

一本一本の滑りを大切にしながら、夏スキーの成果を次の季節へつなげて行きたいものです。

 

【昨年の今ごろは?】

2009ノリクラ雪渓カレンダーVol.8(2009/07/04〜05)

今回のような二日間とも雨に見舞われることなく、昨年はまずまずの天候だったようです。そして、昨年も今年と同様、県道乗鞍岳線の富士見沢付近の落石の危険性から大雪渓駐車場〜県境間の通行ができない状況。しかし、それも4日(土)13時には解除され、シャトルバスはその後通常通りの運行体制となりました。

翌日の7月5日(日)は早朝青空がのぞき、ご来光バスの運行も始まりました。シャトルバスの運行が通常ダイヤとなったこともあって、観光センター前駐車場のシャトルバス乗り場にはバスを待つ乗客の列ができるようになり、8時の便は3台も運行されるようになり、本格的な夏シーズンが訪れました。

 

<編集後記>

今回は通常の土日の大雪渓エリアの様子とは別に6月30日(水)に行われた神祠上げの様子も合わせてお伝えしました。

神祠を上げる2週間ほど前に古い神祠を山麓に下ろしましたが、風雪が直接当たる屋根部分はかなり痛みが激しいものの、内部はかなり綺麗な状態でした。山頂付近は冬季には氷点下20℃以下になり、絶えず風雪にさらされているわけですから驚くべきものです。

おそらく、あと1〜2週間ほどすると雪渓上部右側にリフト土台(→ 2009ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.9(2009/07/11) D 【雪渓上部 T】)が姿をあらわすと思います。これまで「リフト土台」と申し上げておりましたが、再度調査したところ、コロナ観測所が冬季に物資輸送のために使用する雪上車が、目印の乏しい大雪渓を走行する際にルートを示すために建てられた鉄塔であることが分かりました。走行ルートを示す鉄塔は雪渓上部右側のほか、肩の小屋から100メートルほど東のところにもありましたが、どちらも鉄塔部分は越冬後には完全に押しつぶされてしまったとのことでした。

最近は再び木製のものに注目を浴びるようになって来ましたが、やはり天然のものに勝るものはなく、また、自然に逆らえないということを意味しているかもしれません。

 

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