ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2010/07/10〜11) A
【大雪渓に到着】
シャトルバスが肩の小屋口バス停に到着するたびに、スキーヤー・ボーダーの方々が降り立ちます。
大雪渓の気温は10℃。バスを降りるとヒヤッとした冷たさを感じる気候。まずはアウターを着込むところからスキーの準備が始まります。同じ気温でも日差しの有無によってもかなり体感温度は違うもの。夏でも大雪渓エリアは長袖が基本と思ったほうが良いでしょう。
板をザックにくくりつけて |
まだ、この時期は大雪渓入口間際に滑走エリアがありますのでさほど考慮する必要はありませんが、今後、雪解けが進んで雪渓下部での滑走ができない状態になると、さらに上部エリアまで移動しなければなりません。その場合、ご覧のようにザックに板をくくりつけて行ったほうが良いでしょう。
肩の小屋口バス停にはスキーヤー・ボーダーの方々だけではなく、登山に向かう方も出発の準備を始めます。
出発前にガイドの方から今日の予定などの説明を受け、全員が揃ったのを確認して登山口へ向かいます。
こちらは肩の小屋への登山口。今日は周辺の高山植物の様子を観察しながら、畳平のお花畑を目指します。肩の小屋は雪解けが進んで、色々な高山植物が芽吹きをはじめています。登山道周辺でもそんな様子が各所にみられ、そのたびに足をとめながらゆっくりと登って行きます。
さて、肩の小屋への登山道はまだ大半が雪に閉ざされていますが、前述の通り、雪解けの進んだ肩の小屋周辺ではご覧のようにちらほらと高山植物の様子が見られます。
コイワカガミ(花) | アオノツガザクラ(つぼみ) |
左のピンクの花はコイワカガミ。今が丁度見頃を迎えています。そして、右のアオノツガザクラはこれからが花期の時期。アオノツガザクラはいたるところに分布しているため、雪解けしたエリアから順に花をつけ、雪渓上部左側など雪解けの遅いところでは8月になっても花を見つけることができます。
こちらはチングルマ。
チングルマ − 昨年の花茎 | チングルマ − 今年のつぼみ |
花期はもう少し先です。花が咲いていないと見つけることが難しいものですが、左の画像のように昨年の花茎が残っていて、それが目印の一つとなります。その傍らに右の画像のようなつぼみを見つけることができ、そんな新旧の入れ替わりが毎年繰り返されます。
【雪渓下部 T】
ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。
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昨年の大雪渓入口 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2009/07/11) A |
今回の大雪渓入口 ほぼ昨年並み |
大雪渓入口付近の様子を昨年の画像と比較します。ご覧の用のほぼ昨年並みの雪解けを示していることがわかります。
全体的には昨年並みの状況ですが、雪渓下端部分の雪解けが昨年と若干異なるようで、昨年は下端から車道まで18メートルほどの距離がありましたが、今年は10メートル程度と昨年よりもやや遅い雪解けを示しています。
スキーヤー専用道 − ウラジロナナカマド | つぼみ − ほぼ昨年並み |
雪渓上部につながるスキーヤー専用道沿いのウラジロナナカマドは花のつぼみがあちこちで膨らんでいます。例年、このエリアのウラジロナナカマドは開花が遅い傾向で、周辺ではすでに花をつけているウラジロナナカマドも多く見られます。
登山道入口 | 車道との間は4メートル − 昨年並み |
大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。入口部分の雪解けはほぼ終了し、昨年と同じ傾向で推移しています。
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昨年の大雪渓入口 2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2009/07/11) A |
今回の大雪渓入口 ほぼ昨年並みの推移 |
先週と比べて高さで50センチ程度の雪解けが見られ、昨年と同程度の雪解けを見せています。。
しかし、登山道は入口から40メートルほど進むと、ご覧のように雪に閉ざされます。登山道は画像上方の岩(モーグルコースの岩)の左側へとつながるため、真上ではなく、左上へ斜めに登って行く必要があります。(ご注意 : 雪渓を真上に上って行くとハイマツ帯に突き当たり歩行不能となります。)
雪の上にはルートを示すロープがありますので、それに沿ってモーグルコースの岩の左側を登って行けば、肩の小屋へとつながって行きます。(→ Next)
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