ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2010/07/24〜25) C

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(Update:2010/07/29)

 

【雪渓中段】

雪渓中段

雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。先週から画像中央に岩の頭が見え始めました。

 

中央の大岩 − 先週より高さ80センチの雪解け

その画像中央の岩がこちら。高さは1.8メートルほどで先週から80センチ程度の雪解けです。

 

前年同時期よりも二週間早い時期画像 − 今年の雪解け推移とほぼ同等
2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2009/07/11) C

こちらは同時期より二週間ほど早い昨年の画像。ほぼ同じ状況であることから、今年は昨年よりも二週間ほど雪解けが遅いことが分かります。

 

しっかりとしたスプーンカット

雪渓中段エリアの上部で雪渓上部右側と接する箇所は、ご覧のように雪渓底部に水の流れがあって、所々で雪渓が崩れています。底部を流れる雪解け水や雨水は勢いの強いときは雪渓表面に噴出するため、雪渓表面が土砂で覆われます。また、夏の雪渓特有のスプーンカットがはっきりとしてきました。

 

雪渓中段北側 − 登山道付近

こちらは雪渓中段北側にある肩の小屋への登山道付近。先週よりも高さ1メートルほどの雪解けを見せています。

 

雪渓中段全景 − 全体的に昨年より一週間遅い雪解け

雪渓中段エリアは先週と同様に全体的に昨年よりも一週間ほど遅い雪解けを見せています。

 

雪渓中段〜下部 − ポールをセットしてスキー合宿

さて、今週は学校が夏休みに入ったこともあって、雪渓中段から下部にかけて、ポールをセットしてスキー合宿される様子が見られました。

 

怪我をしないため暑くても長袖で...

日焼けをしたい人・日焼けをしたくない人など様々ですが、怪我をしないためにも暑くても長袖を着用することをお勧めします。雪渓の雪はどんなに緩んでもザラメで雪面も細かな硬いピッチがあり、ひどい怪我をすることとなります。

 

【高山植物】

ここからは大雪渓エリア周辺の高山植物の様子をお伝えします。

 

コイワカガミ(花)

大雪渓から肩の小屋への登山道周辺はどこを見ても高山植物ばかりという状況になってきました。こちらはコイワカガミ。他のエリアではそろそろ終りに近づいてきましたが、これから雪解けが進む大雪渓エリアでは、まだまだたくさんのコイワカガミを見つけることができます。花期が終りに近づくと、花のピンクが薄くなってきますがしっかりとした色合いを見せています。

 

アオノツガザクラ(花)

こちらはアオノツガザクラ。上を向いているつぼみが開花するとうつむく様子がはっきりと分かります。

 

ミヤマダイコンソウ(つぼみ) ミヤマキンバイ(花)

高山植物がピークの時期を迎える7月中下旬には数々の花が咲き始めます。高山植物の大半は小さなものばかりで、なかなか判別が難しいもの。左の画像はミヤマダイコンソウ、まだ、花期を迎えていません。しかし、右のミヤマキンバイはいたるところで花をつけています。

花期を迎えると一週間ほどしか見頃はありませんが、このように種類によって少しずつ花期が異なり、また、雪解けが進んだ箇所から花が咲き始めるため、長いスパーンで高山植物を楽しむことができます。

 

シナノキンバイ(花)

こちらは先週つぼみの状態だったシナノキンバイ。

 

花弁に見えるのは萼

ご覧のように立派な花を見せてくれています。花の直径は5センチ程度もあり登山道脇にあることから多くの人の目を引く存在となっています。ご覧になっているのは花ではなく花をガードする萼(がく)です。

通常、萼は花弁(花びら)の裏側と花茎の付け根にあります。シナノキンバイにはそれがなく、花そのものが萼であることが分かります。それでは実際の花はどこになるかというと、右の画像の右側のシナノキンバイにオレンジ色の小片が数本見られるのがお分かりですか?それが実際の花弁です。

また、萼は花期が終わって実の時期なっても残っていると、今度は「蔕(へた)」と呼ばれるようになります。(例:茄子のへた、柿のへた) Next

 

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