ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.11(2010/07/24〜25) F

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(Update:2010/07/29)

 

【畳平のお花畑】

それでは最後に畳平のお花畑の様子をお伝えします。

 

入口付近 − ハクサンイチゲは終了、ミヤマクロユリが見頃

こちらは入口付近の様子。先週満開を迎えたハクサンイチゲの大半が花期を終え、その代わりにミヤマクロユリが見頃を迎えています。

 

遊歩道分岐点

遊歩道をさらに進んで周回コースを右に回り、お花畑を奥のほうへ(西の方へ)向かいます。

 

ミヤマクロスゲが木道より高くなるまで生い茂る

こちらはミヤマクロスゲ。よく見ると遊歩道の木道よりも背が高くなるほど生い茂っています。例年、これほどまで成長することはありません。

 

ミヤマキンバイ(低)、ミヤマキンポウゲ(高)

そして、黄色の花が点在するこちらには二種類の高山植物が見られます。右の画像の背の低いほうがミヤマキンバイ、そして、背の高いほうがミヤマキンポウゲです。

 

ミヤマキンポウゲの花
つやがあって先端がへこんでいない

背丈の高い低い以外にも、花そのものを見ると、ミヤマキンポウゲは全体的につやがあり、花びらの先端部分がへこんでいないなどその特徴がはっきりしています。

 

ヤマガラシ

そして、こちらにも黄色の高山植物が見られます。ヤマガラシは高山植物の一種ですが、ハルザキヤマガラシ(春咲き山芥子 別名:セイヨウヤマガラシ)は帰化植物(外来種)です。

ハクサンイチゲは全エリアで花期を過ぎる

先ほど申し上げたようにハクサンイチゲはもう花期を過ぎている様子が全エリアで見られます。

 

ヨツバシオガマ − 花をつけると夏本番

こちらはヨツバシオガマ。この高山植物が咲き始めると、ノリクラの夏も本番を迎えます。

 

遊歩道折り返し地点

そして、お花畑の西端の遊歩道折り返し地点付近では...

 

ミヤマクロユリが一斉に開花

一面、ミヤマクロユリが開花しました。つぼみのものはほとんどなく一斉に開花です。

 

ミヤマクロユリ(雄しべのみ) ミヤマクロユリ(両性花)

うつむき加減咲くミヤマクロユリを下からのぞいてみると、雄しべだけのものと、雌しべと両方つけているものの二種類があることが分かります。多年草であるミヤマクロユリは年を重ねることに大きくなり、また、土壌の状態も影響して、雄しべと雌しべをつける両性花となるまでには長い時間が必要となります。

 

ミヤマクロユリの近くにはたくさんの足跡
踏みつけられているのはミヤマクロスゲ − ここに自生するものは全て高山植物

そんなミヤマクロユリをカメラに収めようと木道脇にはご覧のような踏み跡がいくつもあります。ミヤマクロユリは多くの方に人気の高山植物ですが、ミヤマクロユリだけが高山植物ではありません。

ご覧の画像で踏まれてしまった所にはミヤマクロスゲが生い茂っていました。ミヤマクロスゲも今が花期ですが、その花は目立ちにくく、雑草のように見えるところからこのような顛末となってしまったところが残念です。

お花畑を含むノリクラ一帯に自生する植物は、セイヨウタンポポなど山麓から進入した帰化植物以外はすべて高山植物です。

 

踏みつけられると砂地となって何も生えない

そして、踏みつけられて地肌が露出すると、ご覧のように高山植物の分布がなくなります。「何も生えていないから足を踏み入れてもいいだろう...」と、考える方がいらっしゃいますが、「足を踏み入れたから何もなくなった」のです。

 

お花畑の高山植物はハクサンイチゲから別の高山植物へ見頃の時期が移り変わって行きますが、まだまだ色々な花を楽しむことが出来ます。

 

【昨年の今ごろは?】

2009ノリクラ雪渓カレンダーVol.11(2009/07/25〜26)

昨年は梅雨明けしてもカラッとした天候に恵まれる日が少なく、25日(土)は濃霧と強風に加え、次第に小雨が降り始めます。そして、午後には雷鳴の轟く激しい夕立に見舞われました。
翌日の26日(日)も同じような天候で、一時的に青空がのぞくものの、午後は何度もスコールに見舞われました。

 

<編集後記>

世の中に「旅の恥は掻き捨て」という言葉があります。辞書には「旅先では知る人もいないし、長く滞在するわけでもないから、恥をかいてもその場限りのものである。(三省堂 大辞林)」と、記載されています。

この意味を額面通り解釈すると、「知らない土地では失敗することもあり、恥といわれるような行動をしたとしても、それに恐れることはない。」とも読み取れます。しかし、それとは逆に「旅先での無作法な振舞いへの戒め」を謳っていると感じます。

リフレッシュしたいためにノリクラにお越しになる方も多いと思います。それぞれの地域や社会とつながり求められる日常生活では、おそらくそのような発想はしないだろうという行動も、わずらわしいつながりから開放された途端、つい忘れてしまうもの...

同じ行動をご近所や会社で行ったらどのような反響があるだろうか...ノリクラにおいても一般の観光客の方々や地元の方々とのつながりを忘れてはなりません。注意を受けてからでは遅いんです。そんなことを考えながらノリクラでも節度ある行動をして欲しいと感じるところです。

 

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