ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.12(2010/07/31〜08/01) E

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(Update:2010/08/05)

 

【8月1日(日)、今日はヒルクライマーの姿が絶えません】

位ヶ原山荘前にはたくさんのヒルクライマーの姿

これまでにも多くのヒルクライマーの方がお越しになっている様子をお伝えしてきましたが、今日は本当にたくさんの姿をお見かけいたしました。

長野県道乗鞍岳線(通称:乗鞍エコーライン)は、国道158号の前川渡(まえかわど)交差点を起点に、乗鞍高原を経て、国内の自動車道としては最高標高地点の畳平を終点とする乗鞍スカイライン(岐阜県道5号 乗鞍公園線)までの約30kmの主要地方道で、特に標高約1500mの乗鞍高原から標高2702mの畳平までの約20kmの区間は「乗鞍エコーライン」と呼称され、その急峻なコースを利用して、毎年8月には全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催されます。この大会には3000名以上の方が参加され、国内のヒルクライム大会の草分け的存在となっています。

 

ちょっと一休み...

県道乗鞍岳線は7月から冬季閉鎖が解除され、それと同時に大会に出場される方々がなどがトレーニングにやってきます。ゆっくり登ればそれほどの負荷ではないとは思いますが、皆さん、トレーニングが目的ですので、心拍数などを計測しながら、ある程度の負荷をかけてゴールの岐阜県境まで一気に上って行く方も多いようです。でも、ここで一旦一休みされても良いでしょう。

 

一休みすると周囲の山の様子をじっくり眺められる

朝一番は晴れていたものの、その後は雲に包まれていたノリクラの峰々が再び姿をあらわすようになって来ました。ヒルクライムの途中ではなかなか写真を撮ることもできませんが、ちょっと休憩を挟むとそんな余裕を作ることができます。

 

この先は薄い空気に過酷さが増す

スタート地点の乗鞍高原から約15kmのところになる位ヶ原山荘はちょうど森林限界付近にあり、ここからの約5kmはそれほど急峻なコースではありません。しかし、空気の薄さとこれまでの疲労の蓄積から、さらに過酷さが増すものです。ゆっくりヒルクライムを楽しみたいという方は、のんびりと休憩しながらも良いでしょう。

 

位ヶ原 −ロケーションが広がる

位ヶ原山荘を出発して森林限界を超えた位ヶ原は、周辺の木々がそれまでのオオシラビソなどの針葉樹やダケカンバから低木のハイマツに変わるためロケーションが広がり、一望に周辺の山々が手に取ることができる眺望となります。

 

パンク − タイヤに突き刺さる小石・鉄片の点検は欠かさずに

多くのヒルクライマーが一度は体験するパンク...県道乗鞍岳線は雨量の多い日は土砂が流出し、路面に小石が散乱することも珍しくありません。また、冬季には積雪が5メートル以上にも及ぶ箇所がいくつもあり、4月から重機での除雪が行われます。そのため、重機のタイヤチェーンやショベル作業に伴って小さな鉄片が散乱し、また、除雪後の道路は土砂が散乱していることが普通に見られ、自動車のタイヤにはほとんど影響のないような鉄片でもロードバイクのタイヤには突き刺さってパンクの原因ともなります。

実際、ヒルクライムから降りてきてタイヤを点検すると、幾つもの鉄片や小石が突き刺さっています。ヒルクライムから帰ってきたときには必ず、タイヤを点検し小石などは抜き取るようにされたほうが良いでしょう。

 

乗鞍スカイラインからやってきました − 雲の切れ間を待つ

県道乗鞍岳線と同様に岐阜県側の乗鞍スカイラインもヒルクライムとしては有名な道路で、こちらでも乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが毎年開催されています。今日は平湯峠から乗鞍スカイラインをヒルクライムされてきたというこちらの方々、ノリクラの眺望をご覧になるために畳平から降りてこられました。周期的に流れる雲の切れ間を待ちます。

位ヶ原周辺はノリクラの峰々だけでなく、穂高連峰や南アルプス、八ヶ岳、浅間山など周辺の山々を一望できるスポットです。一気にダウンヒルするにはもったいないロケーションです。

 

今日は140台以上の自転車が駆け上がる

今日は本当にヒルクライマーの方が多く、今日一日だけで、140台以上の自転車がお越しになりました。

自転車の通行が多くなるに伴い問題となるのが下り走行時のマナー。苦労してヒルクライムしたあと、スピードに乗せて駆け抜けるダウンヒルは最高の楽しさがあります。マイカー規制が実施されて通行する自動車が限られているものの、幅員の狭いヘアピンカーブでは車線いっぱい使って大型車両が登ってくるため、スピードを乗せて下っていると逃げ場を失うことになります。

いくら爽快感を楽しもうとしても、また、二本目のヒルクライムに挑むために時間を惜しんでいても、下りはゆっくり走行してください。対向したときにヒヤッとするのは自転車側よりも自動車側のドライバーの方が強く感じます。

 

【夏の雪渓で雪上訓練】

さて、大雪渓ではこんな様子も見られました。

 

夏スキーには見られない装備

手に持つものはプローブ(ゾンデ棒)、ピッケル、そして、登山用のロープ...

 

ビーコン捜索 − 雪崩を想定した雪上訓練

今日は雪崩を想定した雪上訓練です。皆さん、冬のノリクラには毎週のようにお越しになっている冬の常連さん...今年2月にはここノリクラでも雪崩死亡事故が発生しており、ビーコンなどの使用訓練にも熱が入ります。

 

ビーコンを雪に埋める

雪崩を想定して、送信モードにスイッチを入れたビーコンを雪の中に埋めます。

 

捜索モードに切り替えて対象物に近づく

そして、捜索モードに切り替えたビーコンが指し示す方角に移動しながら対象物に近づいて行きます。

 

至近距離でクロスサーチ − 対象物をピンポイントで探し出す

至近距離まで近づいたら、表示される距離計の数字を見ながら上下左右にクロスサーチしてピンポイントで対象物を探し出す練習です。今回の場合は数十センチ程度しか埋めていませんので、ピンポイントを探し出さなくてもその周辺を掘り返せば良いですが、仮に深さ2メートルも埋まっている場合は、ピンポイントでその位置を割り出してゾンデ棒で確定しないと、掘り出すのに必要以上に時間がかかることになり、生存率に大きく影響するわけです。

 

救助に遭遇した場合にあわてずできるよう日頃から訓練

複数の遭難者が出た場合、救助した人のビーコンを停止させないと次の捜索に支障をきたす場合があり、少なくとも各社のビーコンの電源スイッチの操作を知っておく必要があります。また、捜索方法でも機器によって特徴(クセ)があって、それらを再確認するためにも、あえて夏場にこのような機会を設けることは重要なのです。 Next

 

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