ノリクラ 雪渓カレンダー
番外版(2010/12/25〜26) @
ノリクラ雪渓カレンダーは、5月中旬から10月末までのグリーンシーズンにお届けする正式版と、3月下旬からゴールデンウィークまでの春スキーシーズンにお届けするプレリリース版があります。しかし、ウインターシーズンは、天候的に取材そのものが過酷であり、そのため、トップページの速報のみとさせていただいております。
ただ、速報の4コマだけでは、真冬のツアーコースなどの状況を詳細にお伝えすることが困難で、今回は寒波に見舞われた過酷な状況下でも何とか取材ができたこともあって、番外版としてノリクラ雪渓カレンダーを臨時でお届けいたします。
また、年末年始営業中の位ヶ原山荘に集うノリクラの常連の方々の様子も合わせてお伝えいたします。
それでは、寒波に見舞われた過酷な状況をお伝えします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【12月25日(土)、乗鞍高原温泉スキー場 第3駐車場】
こちらは乗鞍高原温泉スキー場 第3駐車場。グリーンシーズンはシャトルバスの停留所のある観光センター前駐車場がベースとなりますが、スキーシーズンは第3駐車場がメインとなります。また、この第3駐車場は、グリーンシーズン中はすずらん橋駐車場と呼称され、観光センター前駐車場と同様にシャトルバスの乗り換え駐車場として利用されています。そのため、観光センター前駐車場が満車となった場合、こちらのほうへ誘導されます。
8時現在の乗鞍高原はマイナス8℃。一週間前までは、まだまだ雪不足の状況でしたが、ご覧のように真っ白に雪化粧され、完全に冬モードとなってきました。
時折地吹雪の悪天候 | 常連の方々は装備を整えて出発 |
時折、地吹雪に見舞われる天候で、今シーズン一番の寒波が到来しています。もちろん、山麓の乗鞍高原ですらこの状況ですから、これから向かおうとする上部エリアもかなりひどい天候であることは容易に想像できます。
通常、このような天候であれば、行動をあきらめるのが普通と考えられます。しかし、今日のメンバーは状況を熟した冬のノリクラの常連ばかり...山麓の天候状況から上部エリアの様子がある程度想像できる方々で、その判断からどのルートで位ヶ原山荘に向かえばよいか判断して出発します。
乗鞍高原温泉スキー場は、12月月11日(土)に一部ゲレンデがオープンしましたが、12月23日(木)には全面オープンとなり、ツアーコース入口までリフトを利用することが可能となりました。
そのため、一回券を購入して、リフトを乗り継いで上部エリアに向かいます。先週は休暇村ゲレンデからツアーコース入口まで1時間30分程度かけて歩く必要がありましたが、リフトを乗り継げば、30分程度でツアーコースに向かうことができますので、かなりの時間短縮を図ることができます。
スキー場最上部のかもしかゲレンデにある国設第3リフトを降りるとツアーコース入口。ここから今日の本番が始まります。
【ツアーコース入口 − ここからが本番】
スキー場のリフト営業開始は8時30分。そのため、ツアーコース入口には9時過ぎにはたどり着くことができます。今日の気温はマイナス12℃。先ほどまでぼんやりとのぞいていた太陽の輪郭は完全になくなり、雪の降り方も徐々に強くなってきます。
ツアーコースにはリフトはありません。ここからはスノーシューやシールで登って行きます。スノーシューを装着したり、スキーやスプリッドボードにシールを貼るなど、それぞれの道具に合わせた準備が始まります。
ツアーコースはスキー場ではありません。そのため、ここからは誰の責任でもなく、自分の判断の下で行動することが求められます。
「自己責任」という言葉がありますが、事故が発生した場合、人間個人がすべての責任を取ることは不可能です。そのため、「自己責任」という言葉を「責任はすべて自らが負うつもりですから、何をやっても他人には迷惑をかけません。」ととらえず、他人に頼らなければならない状況に陥らない行動を心がけることが「自己責任」という言葉に込められていることを、忘れてはならないと考えられます。
ツアーコース入口の急斜面は、ツアーコース内でももっとも雪付きの悪いエリア。先週まではほぼ全面に渡ってブッシュだらけの状況でしたが、この一週間でまとまった降雪があり、積雪エリアの方が多くなり、何とか登って行くことができる状況となりました。
ツアーコース入口急斜面はストックで突き刺して50センチほどの新雪が降り積もっています。また、先週はストックで突き刺したときに下地の底打ち感がありましたが、今回はそんな状況はなく、柔らかな新雪が足裏からも十分に感じ取れます。
例年、年が明けて暖かい日が訪れるようになると雪面が緩み、さらに夜間の再氷結で凍りつくようになってくると、入口急斜面はシールで登ることが困難な状況に見舞われることも多々あります。しかし、今日はそんな様子は皆無で安心してシールで登って行くことが可能です。
入口急斜面を登り切ったところで一休み...
今回のメンバーは冬のノリクラ常連の方が3名に加えて、初めての方が1名という構成。そのため、登行ペースが若干遅れ気味となって来ます。今回の天候・積雪条件は常連の方でもなかなかハードなコンディションと考えられ、荷物を常連のメンバーで分担し、初心者の負担を減らしながら登行を続行します。
メンバーの足取りの様子などをお互いに常に観察し、体調などを気遣いながら行動を共にする気遣いは、常連という余裕があってこそできるもの...常連自身が目一杯の状況に陥ってしまっては、とても「自己責任」というスタンスを保持することすらできません。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |
|