ノリクラ 雪渓カレンダー

プレリリース版 Vol.5(2011/04/23) B

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(Update:2011/04/28)

 

【ツアーコース  T −入口】

それではここからはツアーコースの様子をお伝えします。

 

バーンは完全にウェット状態

バーンはこれ以上水分を吸い取ることができないスポンジのような状態。シールを滑らすように歩くと、まるで水の上をすいすいと進んでいくような、つるつるとした足裏感覚があります。

 

雨水が流れて表面に縦溝が見られるようになってきた

春先になると雪面に細かな凹凸が発生することを先週お伝えいたしましたが、今週はそんな状況に加えて縦溝が幾分見られるようになっています。これは雨水が表面を流れたためです。程度はごくわずかであるため、ほとんど気になりません。

ツアーコースは5月下旬ごろになるとかなり雪解けが進んでくるため、この縦溝は問題となることはありませんが、雨量の多くなる6月になっても残雪のある屋根板ではかなり大きな縦溝となって、積雪はあっても滑走することがかなり困難な状況となります。

 

こちらは入口急斜面。全体的には先週とほとんど変わらない積雪状況のようです。

 

昨年の急斜面入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.5(2010/04/24) A
今週の急斜面入口
切り株が頭を出し始めた − 積雪量の推移は昨年並み

ほとんど変化がないように見られますが、よく見るとご覧のように切り株の頭が見え始めています。今年の入口急斜面は昨年よりもブッシュが目立つ状況で、積雪量が少ないように考えられましたが、左の画像と比較すると切り株の見え方がほぼ同じで、この状態から、積雪量としては昨年とほぼ同等であることがわかります。

 

露出した地面は先週よりも10センチ程度高くなる

圧雪車で雪面が削り取られたため、入口急斜面では地肌が見えているところが一部あります。その箇所を見ると先週よりも10センチ程度高くなっていますので、これからの時期は降雪があっても積雪量は減少傾向に向うことがわかります。

 

上端部分はうっすらと積雪

それでも急斜面を登りきる上端箇所では、地肌を隠すようにうっすらと雪が積もって来ています。

 

削り取られた箇所を迂回して登る必要があります

先週もお伝えしましたが、削り取られた箇所から急斜面を登りきることができませんので、削り取られた箇所を迂回する必要があります。この画像は削り取られた箇所を上から見たところですが、左に迂回して樹林帯の中に少し入ってください。

 

【ツアーコース U】

入口急斜面を登りきって、ツアーコースはさらに続きます。

 

昨年の1番標識付近(手前)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版
Vol.5(2010/04/24) B
今週の1番標識付近(手前)
切り株が頭を出し始めました − 昨年とほぼ同じ積雪量

樹林帯を伐採して作られたツアーコースは切り株が多数残っていて、急斜面を登りきった箇所からこの先の1番標識付近までは切り株がもっとも多いエリアです。

先週までは見られなかった切り株が頭を出し始めています。昨年もほぼ同じ時期に切り株が出現しており、積雪量としては昨年並みといえます。

 

ベタベタの新雪 − 5センチ程度の積雪

1番標識付近からうっすらと新雪が降り積もる様子が見られます。積雪量は5センチ程度。ただ、ベタベタの湿雪で、直滑降で滑走しても止まってしまう「ストップスノー」といわれるコンディションです。

 

昨年の3番標識
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版
Vol.5(2010/04/24) B
先週の3番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版
Vol.4(2011/04/16) B

今週の3番標識
先週より10センチ減少、昨年より15センチ多い

こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週よりも10センチ減少して、昨年より15センチ多い状況です。

 

天候は雨からベタ雪へと変化 − ウェアの防水性が雨天以上に求められる

3番標識付近から天候が雨から雪へと変化し始めます。このときの気温は2℃。雪がウェアに張り付き、ザックカバーが真っ白になって行きます。

厳冬期の乾いた雪はウェアに付着せず、雨はウェア表面を流れ落ちます。しかし、湿雪の場合、ウェア表面に付着するため、雨降りの時以上に防水性のよいウェアが求められます。また、表面上の損傷がないウェアでも、内部の損傷により防水性が低下することもあり、少しでも浸水しはじめたら「そろそろ寿命...」と考えたほうがよいかもしれません。

 

風向きがいつもと逆 − 南面に雪が張り付く

いつもなら、西または北から吹き付ける雨や雪が、今日は南寄りで風向きが逆です。南に面した部分は一様に白く着雪しています。

 

昨年の5番標識
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版
Vol.5(2010/04/24) B
先週の5番標識
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版
Vol.4(2011/04/16) B

今週の5番標識
先週とほぼ同じ、昨年より20センチ多い

こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週とほぼ同じで、昨年より20センチ多い状況です。

 

降雪が激しくなる − 午前中のトレースは次第に消えて行く

ツアーコース上部エリアに差し掛かると、雪面の水分が徐々に乾いた状態になってきていることをシールで歩く足裏から感じ取ることができるようになってきました。そして、先行して登っていった方々が付けた午前中のトレースが次第に消えて行くほどの降り方となってきて、天候は回復の兆しどころか、さらに悪化して行きます。

 

6番標識手前のウェーブ

5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。ウェーブの形状は先週とほとんど変わらないため、登行でも滑走にも問題はありません。また、積雪量はほぼ先週と同じです。

 

そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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