ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2011/05/21〜22) A

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(Update:2011/05/26)

 

【畳平に到着】

畳平、気温4℃

シャトルバスの到着した8時前の畳平の気温は4℃。この日(2011年5月21日)は各地で最高気温が30℃を超える真夏日となり、長野県松本市では5月の観測史上最高の32.3℃が記録されました。

 

市街地では30℃を超える真夏日でも、ここでは長袖が必要

畳平は岐阜県高山市にありますが、数百メートル先の県境をまたぐと長野県松本市です。この日の畳平は日中になってもそれほど気温が上昇しませんでしたから、同じ市内で25度以上の気温差となりました。前のページでも申し上げたように、シャトルバスに乗車の際は、山麓で暑くても必ず一枚羽織るものを持参してください。

 

乗鞍環境パトロールに積雪情報などを聞く

乗鞍スカイラインの開通に合わせて、乗鞍環境パトロールの方々も常駐されるようになります。シャトルバスを降りて出発の準備を進めるスキーヤー・ボーダーの方々に滑走指定地などの説明をされます。

毎年ノリクラ通いを続ければ、お互い顔なじみになるもの...ちょっとした朝の挨拶から一日が始まります。積雪状況などをパトロールの方にお聞きして、最新の情報を入手してから出発しましょう...

 

青空が覗き始める

激しく流れる雲の隙間から青空が覗き始めます。太陽の輪郭も少しばかりはっきりしてきて、天候が回復する兆しが見え始めます。

 

山頂登山へ出発

シャトルバスを待ち合わせる間に記念撮影をされていた先ほどの方々も山頂登山に向けて出発です。

 

乗鞍環境パトロール − 登山道などの整備へ出発

スキーヤー・ボーダーの方々への説明を終えて、乗鞍環境パトロールの方々が登山道や標識整備に出かけます。今日は冬季閉鎖されていた公衆トイレを開放する作業に出かけます。畳平以外で山頂・大雪渓方面で利用できるトイレは、大雪渓入口(肩の小屋口バス停)と、肩の小屋横の二ヶ所にありますが、いずれも冬季は閉鎖されています。

今回、開放されるのは肩の小屋横にあるトイレで、大雪渓入口のトイレが利用できるようになるのは、春山バスが大雪渓入口まで延長運行される6月頃のようです。

夕方の畳平、ようやく到着 − 標高差2200m、距離40kmのヒルクライム

さて、時刻が前後いたしますが、こちらは夕方16時過ぎの畳平。ここで二人のヒルクライマーにお会いしました。

先週は平湯峠からヒルクライムして山頂登山でしたが、今週は高山市内からの自転車ツーリング。朝10時に出発し、6時間かけてようやく到着しました。列車で高山までやってきたものの、軽量化のために輪行バックはコインロッカーに預け、補水ボトルも一本しか持参していません...市街地を抜けるとほとんど上り坂ですから、ツーリングというよりも、「標高差2200m、距離40kmのヒルクライム」と、いったほうが良いでしょう。

 

「人間のパワーは限りないものだと実感しました...」

「途中でリタイヤしようと思ったこともしばしばありましたが、ここまでやってきて、人間のパワーは限りないものだと実感しました。」と、今日の感想をおっしゃってくださいました。

ノリクラには色々な方が訪れます。ノリクラは本格的な登山の世界から見ると「気軽な3000m級の山」という印象かもしれません。そのため、観光客などに広く開放されている要因となりますが、その3000m級の山に色々な角度からトライしようとされる方が多く存在することが、ノリクラに多様な魅力があることを証明していることと思います。

 

【畳平周辺】

不動岳とお花畑 − 一ヶ月近く早い雪解け

鶴ヶ池 − 一ヶ月近く早い雪解け

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。こちらは不動岳と鶴ヶ池。かなり積雪の少ない状況で、先週と同様、昨年と比べて一ヶ月近く早い雪解け状況です。

 

肩の小屋への専用道

こちらは畳平から肩の小屋へ向かう専用道。先週もお伝えしたように、例年ならほぼ完全に雪に包まれているはずですが、かなり積雪量が少ない状況で、畳平からこの先にある肩の小屋・コロナ観測所分岐点までの区間では、ほとんど雪の上を歩かなくても良いほどで、畳平から分岐点までなら、一般の観光客の方でもアクセス可能です。ただし、ぬかるんでいる箇所もありますので、スニーカーなど歩きやすい靴が必須です。

 

お花畑 − 昨年より三〜四週間早い雪解け

こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。二つの山肌の谷底がお花畑で、ご覧のように遊歩道が見え始めています。積雪状況は先週から大きな変化が見られず、昨年より三〜四週間ほど早い雪解けです。

 

不消ヶ池 − 昨年より三週間早い雪解け

富士見岳

摩利支天岳の北斜面にある不消ヶ池(きえずがいけ)は三週間ほど早い雪解けです。富士見岳は視界不良で状況が確認できませんでした。

 

肩の小屋・コロナ観測所分岐点へ − この先、視界が開ける

この先が肩の小屋・コロナ観測所分岐点ですが、ここを天候の変わり目となるケースが多々あって、今日もこの先の視界が徐々に回復して行く様子が見られます。

 

【肩の小屋へ】

肩の小屋・コロナ観測所分岐点

畳平から肩の小屋への専用道を進むと、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。

先週からの雪解けは若干少なく、先週の段階では一ヶ月近く早い雪解け状況でしたが、今週は昨年よりも三週間ほど早い状況です。

 

大雪渓 − 昨年より三週間早い雪解け

位ヶ原 − 昨年より二週間早い雪解け

分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。分岐点付近から望む大雪渓・稜線方面は昨年よりも三週間、そして、位ヶ原は二週間早い雪解け状況です。

 

分岐点 − ここからの眺めは絶景

分岐点付近から大雪渓・位ヶ原方面のロケーションは訪れた方の目を奪うもの...初めてお越しになった方はなおさらのことと思います。畳平から分岐点までの道路の積雪量が今年は少なく、アイゼンなどの特別な装備は必要なく、スニーカーなど歩きやすい靴であれば、一般の方でもここまでやってくることが可能です。この雄大な風景を一目ご覧いただければ幸いです。

 

分岐点 − 道路は積雪に埋まっている

この先、肩の小屋方面は道路が完全に積雪に埋まっている状態となります。

 

分岐点 − この先はアイゼンが必要

分岐点までは一般の方でも問題なくお越しになれましたが、この先はアイゼンが必要。今日もここでアイゼンの準備をされる登山の方々の姿がありました

 

この先、急斜面をトラバース − アイゼン必須

ご覧のようにトレースができていますが、トレースがない場合や凍結している場合は、アイゼンがないと急斜面を真横にトラバースすることは不可能です。フェンスの高さから、この付近は先週からほとんど雪解けが進んでいない状況です。

 

この先、積雪で覆われている部分と雪解けが完了している箇所が交互に現れます。

 

大雪渓へ滑り込む急斜面

摩利支天岳の斜面から大雪渓方面の滑り込みができるエリアは先ほどの分岐点付近と、分岐点からトラバース箇所を100メートルほど進んだこちらの2箇所です。例年6月下旬頃まで滑走可能です。 Next


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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