ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.4(2011/06/04〜05) E

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(Update:2011/06/09)

 

【6月5日(日)、乗鞍スカイライン、ヒルクライム】

早朝のほおのき平駐車場 − 曇り空

一夜明けて、翌日の6月5日(日)は、曇り空の朝から始まります。6時のほおのき平駐車場の気温は14℃。暑くもなく寒くもない程よい気候。いつものようにシャトルバス始発便を待つ方々の姿が目立つようになってきます。

 

シャトルバスは通常運行が始まる

乗鞍スカイラインはいつものように7時に平湯ゲートが開門し、6時55分に発車するシャトルバス始発便も通常通りの運行が始まります。

 

畳平は濃霧

しかし、シャトルバスが向う畳平の天候は濃霧と発表され、視界がかなり悪い状況のようです。

 

平湯峠ゲート − 電光掲示板には「濃霧」の文字

こちらはほおのき平から7km先の平湯峠ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。電光掲示板にも「濃霧」の文字があります。

 

シャトルバスが通過 − 自転車の方が見守る

ほおのき平駐車場から畳平に向うシャトルバスが平湯ゲートを通過します。その傍らには自転車でお越しになった方がシャトルバスの通過を見守っています。

 

上部エリア濃霧のため、自転車の通行は一時見合わせ

自転車の方がここで足を止めているのは、上部エリアの濃霧がひどく、自転車の通行が一時見合せとされているからです。

今回のようにバス・タクシーなどの通行ができても、濃霧や強風により自転車のみ通行が見合わせられるケースは多々あります。また、バス・タクシーなども含めた乗鞍スカイラインの通行規制は、連続雨量・時間雨量・風速が規制値を超えた場合に実施され、道路パトロールが定期的に巡回して観測・測定しています。

 

ここで足止めされてちょっと困惑...

平湯峠を含めて山麓エリアでは濃霧など全くない状況から、乗鞍スカイラインが自転車の通行見合わせとなっていることなど想像もできません。平湯峠ゲートにやってきて係の方から説明を受けて、ちょっと困惑されている様子...

 

規制解除を待つヒルクライマーが集まる

通行見合わせ解除の判断は次回の道路パトロールの結果次第ですが、徐々に日差しが明るくなってきて、平湯峠から望む大崩山などがはっきりとしてきました。そして、平湯峠にはヒルクライムに向う自転車の方々が徐々に集まってきました。

 

天候回復 − 9時から通行可能

そして、パトロールの結果、上部エリアの濃霧が解消したことが確認され、今日は9時から自転車通行が可能となりました。解除を待っていたヒルクライマーが一斉にスタートです。

 

畳平に向けて、一斉にスタート!

乗鞍スカイラインのヒルクライムをされる方は、平湯峠までマイカーでお越しになってここからスタートされる方もいらっしゃれば、シャトルバス乗り換え駐車場のあるほおのき平駐車場や平湯温泉方面からスタートされる方もいらっしゃいます。

 

自動車の少ない道路でのヒルクライムは人気

2003年から開始されたマイカー規制の翌年からは、ヒルクライムの大会(乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム)が開催されるようになりました。第1回大会(2004年)から第5回大会(2008年)までは、平湯峠がスタートでしたが、第6回大会(2009年)以降は、標高1684mの平湯峠より4.4km下ったところにある標高1360mの殿下平総合交流ターミナルからスタートするため、大会に出場される選手の方々は平湯峠よりも山麓からトレーニングを始める様子もあります。

昨年の第7回大会は、乗鞍スカイラインが雨量規制のため通行止めとなったことから競技中止となってしまいましたので、今年は無事に開催されることを期待したいものです。

 

【鶴ヶ池雪渓 − モーグルコース】

鶴ヶ池雪渓 − 畳平から約200メートル

この時期のノリクラでの滑走は長野県側の大雪渓・山頂方面がメインですが、岐阜県側でスキー滑走が指定されている鶴ヶ池雪渓もポピュラーな存在です。

畳平から約200メートルというアクセスの利便性が特徴で、天候の急変などへの対応が容易であることから、ノリクラでの春スキーが初めてという方にもお勧めできるエリアです。

 

鶴ヶ池雪渓での滑走は6月下旬頃まで可能

鶴ヶ池雪渓は魔王岳の北斜面から大丹生池に流れるなだらかなエリアにあります。左の画像のように雪解けとともに周囲にハイマツ帯が目立つようになりますが、奥に見られる滑走エリアに向うまでの部分でハイマツ帯が多くなると、自然保護の観点から滑走禁止の措置がとられます。例年、6月下旬ごろまでは滑走可能です。(2010年は6月27日まででした。)

 

モーグラーの方々が練習

魔王岳直下の北斜面では、今日もモーグラーの方々がコブラインを作って練習される様子があります。

 

ラインの長さは16コブ×66メートル(ピッチ:4.1メートル)

魔王岳直下の部分は中〜急斜面のレイアウトで、練習には最適なバーン構成。ラインの長さは16コブ×66メートル(ピッチ:4.1メートル)。

 

ゴール付近にハイマツがあって、ラインは伸ばせません

ラインのゴール近くにはご覧のようにハイマツ帯が広がっていて、これ以上長く伸ばすことはできません。また、今後はさらにハイマツ帯が大きくなってきますので、ラインの長さはさらに短くなってくることが予測されます。

 

一本一本を大切に滑る

稜線から大滑降する山スキーの醍醐味とは異なって、自分の納得する滑りを追及することが大きな目的...登っては滑る 登っては滑るといった単調な繰り返しと思われますが、一本一本の滑りが試行錯誤の繰り返しなんです。

 

ヘロヘロになるまで滑り続ける

ゲレンデでリフトを使えば何本も滑走可能ですが、歩いて登るここでは、一日の滑走本数は自分の体力次第...

 

黙々と登る

「何ターン目が良かった・悪かった〜」などと脳裏でつぶやきながら、黙々と登って行くのです。

 

今度は奥さんを連れてノリクラに...

モーグルコースのすぐ上には魔王岳の展望台が間近にあります。展望台へは畳平から約10分ほど向うことができ、ノリクラの中で最も登りやすい山です。そのため、バスツアーでお越しの観光の方などが畳平周辺を散策するコースの一つとなっているようです。

夏のモーグルコースには毎週のようにお越しになっているこちらの方。「この先にそんな展望台があったんですね〜。今度は奥さんをノリクラに連れて来て、展望台から自分の滑りを見せてやりたい...」と、おっしゃっていました。

畳平のような一般観光客を受け入れるエリアもあれば、バックカントリースキーに訪れる方も多くあり、また、トレーニングを目的としたモーグラーの方々などがお越しになる...ノリクラはそんな幅広さが魅力の一つといえます。

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.4(2010/06/05〜06)

6月5日(土)の畳平は濃霧の朝から始まります。気温はマイナス1℃で冷たい空気が流れています。しかし、天候は次第に回復し、夕方までにはほぼ快晴となりました。雲の動きがドラマチックに流れて行く様子が自然の雄大さを物語っているようでした。春山バスの運行が肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)まで延長されたこともあって、始発便は5台が運行され、多くのスキーヤー・ボーダーでにぎわいました。

翌日の6月6日(日)は、ジリジリと照りつける太陽に朝から初夏を思わせるような快晴。それでも乗鞍スカイラインはは暑くも寒くもないコンディションで、桔梗ヶ原付近は気持ちの良い青空に四方八方包まれて、まさにヒルクライム日和となりました。鶴ヶ池雪渓では、ザクザクに緩んだ雪飛沫を撒き散らして、果敢に攻めるモーグラーの姿が今年も現れ、夏スキー到来を思わせるような一日でした。

 

<編集後記>

今週から春山バスが肩の小屋バス停まで運行されるようになり、多くの方々と再会することができました。

夏スキーには何度もお越しになっているものの、稜線までやってきたのは初めてという方。そして、そろそろバックカントリーの季節が終わり、今シーズンのノリクラ通いは今日で最後という方など...この時期のノリクラは「シーズン始め」という方と、「シーズン終わり」という方の両者がお越しになっています。

この時期はシールで稜線まで登る様子が普通に見られますが、夏スキーのシーズンになるとその姿は皆無となり、シールで登る様子を始めてみた夏の常連は、「どうしてスキー板がズレ落ちずに登って来れるんだろう?」と、不思議がる様子もありました。

ちょっと別のものを見てみる・触れてみる。そんな接点がここにはまだまだたくさんありそうに感じます。

 

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