ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2011/06/11〜12) D

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(Update:2011/06/16)

 

【頂上小屋、越冬原酒の蔵出し】

頂上小屋

こちらは剣ヶ峰直下にある頂上小屋。今日も小屋周辺の雪かきが行われています。

 

越冬原酒のの蔵出し作業

日本酒を低温熟成させると甘みが増して、まろやかになるといわれていますが、こちらの頂上小屋では、一冬寝かせた生原酒を蔵出しする作業が行われています。

 

600本の日本酒を人力で降ろす

標高2996メートルの頂上小屋で越冬した日本酒は600本(四合瓶)です。それを全て人力で荷降ろしします。

 

ボートの重量は100kg前後 − 稜線から一気に降ろす

一度に荷降ろしされる日本酒は100本ほど。ボートの重量はおそらく100kg前後に達し、スキー場で見かける負傷者を搬送するアキアボート以上の重量になっているはずです。

 

ボートを左右に振りながら − 見事な手綱さばき

「もう何度も降ろしていますから、手綱さばきも結構うまくなりましたよ〜」。ボートを左右に振りながら器用にスピードをコントロールして、稜線から大雪渓へと降ろして行きます。

 

生原酒は高山市内の蔵元から発売

残念ながら、この日本酒は頂上小屋では購入することができませんが、高山市内の蔵元から発売されるとのことです。

頂上小屋は厳冬期になると最低気温がマイナス20℃にも達します。そんな環境で一冬寝かせた生原酒は一段とうまみが増し、最近、話題になりつつある日本酒のハイボールでも、しっかりとした味わいが楽しめるとのことです。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

先週の蚕玉岳山頂
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2011/06/04〜05) D
今週の蚕玉岳山頂
昨年より一週間早い雪解け

 先週は昨年並みの積雪状況でしたが積雪量は1メートルほど減少して、今週は昨年より一週間早い雪解け状況となっています。

 

稜線直下で地肌が − 昨年よりも二週間早い雪解け

稜線直下ではごらんのように地肌が見えるようになってきました。昨年よりも二週間早い雪解け状況です。

 

濃霧でも風がなく穏やかな稜線

一旦、荷物をここにおいて(デポして)、剣ヶ峰山頂まで向かいました。濃霧でまったく視界が利かない状況ですが風もなく、この霧さえなければすごしやすいコンディションといえる状況でした。

 

昨日もWebSiteをチェックして

昨日もWebSiteをチェックしてやってきたというこちらの三人。「こんな日でもホントに現地にきて取材されているんですね〜」と、若干驚かれているようです。
天候の良いときもあれば、悪いときもあるのが、一年の移ろいであると思います。ノリクラに限ったことではないと思いますが、良いときばかりでないことを正確に伝えてこそ、意味があると考えます。

 

濃霧の中に飛び込む

足元すら見えないほどの濃霧に飛び込みます。すぐ目の前に何があるかわかりません。この時期はクレパスの発生や落石に注意しなければならず、滑走には細心の注意が必要です。

 

翌日の画像 − ロケーションが広がる

こちらは翌日の6月12日(日)の画像。視界がよければ、ロケーションを一望できる絶好のエリアなんです。

 

横幅は90メートル

雪解けが進んで、稜線のからの滑り出しのエリアでは横幅が90メートルほどとなってきました。徐々に狭まってきていますが、まだまだ十分な滑走エリアがあります。

 

昨年の位ヶ原
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) D
今週の位ヶ原
昨年より一週間早い雪解け
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2010/06/12〜13) D
今週の剣ヶ峰直下の岩
昨年より二週間早い雪解け

眼下に広がる位ヶ原の唐草模様は、先週と同じく、昨年より一週間早い雪解け状況です。そして、下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、さらに雪解けスピードが遅くなり、先週の三週間程度早い雪解け状況から、今週は二週間ほど遅い程度にとどまっています。

 

3分の1地点 分断箇所(斜面から緩斜面へ)
岩の頭が見え始める − 昨年より二週間早い雪解け

稜線から県道乗鞍岳線との合流地点までの区間を3分の1程度滑走したところ。急斜面から緩斜面に変化する部分です。雪解けが進んで6月中下旬ごろになるとこの付近は左右から岩場やハイマツ帯が延びて来て滑走エリアが上部と下部に分断されて滑走できなくなります

ごらんのように、岩の頭が出始めました。昨年よりも二週間早い状況です。また、この付近が最も横幅が狭くなる箇所で、現在は35メートルほどです。

 

緩斜面には細かなピッチが波立つ

急斜面エリアでは柔らかな雪質でも、緩斜面エリアに差し掛かると雪面が細かなピッチが波立つようになり、滑走しにくい状態となってきます。

 

縦溝はまだ目立ちません たけのこ状の氷柱

雨水が流れてできた縦溝はそれほどではありませんが、再氷結してできた たけのこ状の氷柱がいくつも広がるようになってきました。この縦溝や氷柱が滑走しにくい要因となります。

 

全景 − 昨年より二週間早い雪解け

全体的な雪解け・積雪状況は昨年より二週間程度早い様子です。稜線からこの先にある車道までの滑走は問題ありませんが、途中から右方向に大雪渓方面に抜ける部分は、雪解けで積雪がなくなっていますので、大雪渓には滑り降りることができなくなりました。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。

 

切り通しの高さは2メートル
昨年より一週間早い雪解け

切り通しの高さは先週の2.7メートルから2メートルに...先週と同様、昨年より一週間早い雪解け状況です。

濃霧の一日も、夕方になってようやく天候回復

今日は終日濃霧の一日を送りましたが、そろそろ下山しようとする15時頃になって、視界が開け始め、上空に青空も見られるようになって来ました。

 

雲が勢いよく湧き上がり、駆け抜ける

山麓の乗鞍高原は日差しが差し込んでいる様子も見られ、雲は勢いよく湧き上がり、足早に上空へと駆け上がって抜けて行きます。もう少し早く天候が回復してくれたなら...とちょっと悔しい想いを持ちながら一日が終わって行きます。 Next

 

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