ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2011/06/17〜18) D

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(Update:2011/06/23)

 

【6月18日(土)、三本滝レストハウス前駐車場】

三本滝レストハウス前駐車場 − 乗鞍天空マラソン開催のため、一部駐車規制

こちらは朝7時の三本滝レストハウス前駐車場。明日(6月19日(日))開催される、第6回乗鞍天空マラソンのため、三本滝レストハウス前駐車場は一部のエリアで規制が実施されています。

観光センター前駐車場においても同様の規制が行われ、明日の春山バスは全便運休になります。また、観光センターから三本滝までの県道乗鞍岳線も、7時30分から9時30分までは通行止めです。

 

出発の準備

このような事情もあって、今日は訪れる方はまばら...

 

訪れたのは常連の面々だけ...

三本滝バス停に並ぶ面々は、よくお見かけする常連の方々...そろそろノリクラの春スキーのシーズンも終わりに近づいてきました。最後の最後までノリクラを楽しみます。

 

乗車券の購入 − 係の方とも顔なじみに...

春山バスの到着が近づくと、乗車券の販売が始まります。この場所で何度も乗車券を購入していますから、係の方とも顔見知りの仲...

 

春山バス到着 大雪渓へ!

いつものように春山バスが到着し、そして、いつものようにバスのトランクに板を搬入して、いつものようにバスに乗り込みます。そんな週末が続きます。

 

【春山バス、車窓から】

それでは、ここからは春山バスの車窓の様子をお伝えします。

 

新緑は刻々と変化 ムラサキヤシオツツジなどの花々も

同じように見られる車窓の風景もよく注視していると、一週間の経過を感じられるものです。春山バスの大きな特徴に間近に雪景色が見られることがあげられますが、新緑のこの時期は、浅緑(あさみどり)とか浅黄色(あさぎいろ)・萌黄色(もえぎいろ)など、さまざまな語彙で表現される緑の明るさを体験してもらいたいものです。

また、緑の中に、オオカメノキ(ムシカリ)の白い花、そして、ムラサキヤシオツツジのピンクの花が点在し、さらにウラジロナナカマドの開花も加勢して、何気ない新緑の風景にも、数々の発見ができます。

 

標高が高くなると、ほんのりと色づく早春の模様に

そして、標高をあげて行くにつれて、新緑の分布がまばらになり、まだ、これから生い茂って行く状態となります。ほんのりと緑が感じられる早春の様子ともいえますが、標高の違いで季節の移ろいが表現されているともいえるでしょう。ちなみにこの付近は標高2000メートルほどです。

 

位ヶ原山荘からは一気に雪景色へ

そして、標高2350mにある位ヶ原山荘を過ぎると森林限界を超えて、新緑の風景から雪景色へと一変します。新緑の微妙な色合いの変化から、季節が逆戻りしたように一気に冬の情景へと変わるのです。

 

唐草模様 雪の壁

緑のハイマツと残雪の織り成す唐草模様と雪の壁の中を春山バスは進んで行きます。

 

急いでカメラを構えて...

この景色にカメラを車窓に向けないわけには行きません。近年の山ブームもあいまって、同時にカメラも始めるという方もいらっしゃるかと思います。晴れた日は確かに良い写真が取れる確率が高いと思いますが、前述の新緑などは、雨に濡れたときのほうがしっとりと写るものです。

 

大雪渓に到着

そんな車窓の移ろいを楽しみながら、肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)に到着です、

 

【大雪渓に到着】

山頂目指して準備開始

春山バスを利用される方の大半はスキーヤー・ボーダーの方々ですが、最近は観光の方の姿も見かけるようになってきました。春山バスが到着した肩の小屋口バス停(大雪渓駐車場)周辺には、トイレと避難小屋以外の設備は何もありません。

スキーヤー・ボーダーの方々は、ここか稜線を目指して登って行くという明確な目標がありますが、一般の観光客の方にとっては、「何もないところ...」という印象をお持ちになるかもしれません。

観光地には人為的な何かが用意されていますが、本来、自然は人間に対して何かを用意しているわけではありません。むしろ、何もないか中から、何かを見つける喜びを持てば、どんな旅先でも、面白い発見を必ず見つけることができるでしょう...

 

アイゼン履いて山頂へ!

アイゼンを装着して、稜線に向けて出発です。常連の方にとっては、どんな装備を持って来たら良いかということは、言うまでもない周知のこと...

 

雪がこんなにあるとは想定外 − 一歩一歩慎重に...

しかし、登山を始めて間もない方々にとっては、この時期に積雪があることなど、想像にも及ばないもの...一つ一つの体験を積み重ねることで、状況を推測しながら対応できるようになって行くものです。

 

グリーンサポートスタッフ − 登山ルートに案内ロープを設置

さて、こちらは中信森林管理署のグリーンサポートスタッフの方々。例年7月からの活動ですが、今年は6月から活動されています。そのため、大雪渓から肩の小屋への登山道上にはロープの設置が早々に行われました。

例年、この付近は7月中旬ごろまで積雪があり、実際の登山道は左上に進んでいるものの、積雪のためにルートを間違えて、そのまま直登する方がいらっしました。しかし、直登した先はハイマツ帯に阻まれて進むことができなくなります。

 

今年は6月から活動を始めています

例年、グリーンサポートスタッフの方々によるロープ設置は7月から実施されていましたが、直登した先のハイマツ帯が出現するのは6月中旬ごろですから、このように6月からロープ設置がされたことは、登山者、及び、自然保護の観点からも有益なことと考えられます。

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.6(2010/06/18〜19)

昨年も乗鞍天空マラソン開催のため、一日前倒しして取材に訪れました。
6月18日(金)は雲間に青空が所々に見られる朝を迎えます。上部エリアの畳平や大雪渓などでは、視界ははっきりしているものの、午後からは雨が降り始めます。しかし、降ったり止んだりを繰り返す天候に、雨が止むとウェアが乾きはじめるほどで、雨降りの中でもさほど辛い状況ではありませんでした。

そして、6月19日(土)は、乗鞍高原では雨は止むものの、大雪渓では終日濃霧で、小雨が時折降る状況。乗鞍スカイラインは昨晩からの雨で連続雨量規制のため、11時20分まで通行止めの措置がとられ、訪れる方のほとんどいない寂しい状況でした。

 

<編集後記>

今回は6月19日(日)に、第6回乗鞍天空マラソンが開催されました。毎年、この大会は雨に見舞われることが多く、大会が始まって5年目の昨年はようやく晴れて、まさに「天空マラソン」となりました。今年は、昨年ほどのよい天候ではありませんでしたが、暑くもなく寒くもないほどの曇り空の中での開催となりました。

エントリー数も年々増加し、今年は昨年よりも約250名多い1807名が申し込みされました。直接選手の方にお話を聞くと、初めて参加するという方が多く、近年のマラソンやトレールランの人気振りを反映しているかのように感じられました。中には、これまで運動などの経験はなく、マラソンそのものがはじめてという方もいらっしゃいました。
また、景色に移ろいがすばらしいところが他の大会にないところと、おっしゃる選手もいらっしゃり、これを契機にノリクラにお越しいただくようになれば幸いかと思います。

近年の山ブームで登山者も増えていますが、単なるブームに終わらず、緑の移ろいを本当に感じられるようになるまで、通い続けていただきたいと思うものです。

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

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