ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2011/06/25〜26) @
梅雨真っ只中のこの時期の取材は、本当に苦労させられるもので、今回もそんな週末となりました。
6月25日(土)は、昨晩からの雨が止んで、激しく流れ行く雲間に青空がのぞき始めて、天候の回復が若干期待されました。しかし、山頂方面は厚い鉛色の空がびっしりと覆っていて、山頂付近の回復は少し遅れるものかと思いました。春山バスが到着した大雪渓付近は、予測どおりの濃霧。ただ、濃霧の一日でも、霧が抜けて視界が戻ってくる瞬間に取材をすることが可能なことが通常は多いものの、今日は一切濃霧が抜けることなく、全く取材にならなかった一日でした。
6月26日(日)は、昨晩からの雨が早朝にやんで曇り空の朝を迎えます。天候的にはまったく問題ない状態で、乗鞍スカイラインシャトルバスはAダイヤでの運行が始まりましたが、春山バスは、三本滝ゲート付近の落石のため、第一便は運休となりました。第二便についてはほぼ問題なく運行できる見込みであったものの、安全確認作業に時間を要し、第二便も運休。午後になって、天候は回復しきれいな青空が広がるようになり、最終便だけ運行されましたが、春山バスを目的にやってきたスキーヤー・ボーダーの方々、そして、山頂登山を目指して訪れた登山の方々には、まったくスケジュールの立たない一日となってしまいました。
それでは、この二日間の様子をお伝えします。
【6月25日(土)、観光センター前駐車場】
こちらは朝7時の観光センター前駐車場。
雨はやんで朝日が差し込む | 西の空は鉛色の雲が低く垂れ込める |
昨晩からの雨が6時くらいまで続き、その後はご覧のように雲間に青空と朝日がのぞくようなって来ました。雲は激しく西から東に流れるものの、西の空には鉛色の雲が低く垂れ込めていて、ノリクラの峰々はその姿を見せることはありません。
強風が吹きぬけ... | 音を立てて雨が突然降る |
晴れたかと思うと、強風が吹きぬけ、そして、バラバラと雨が降り始める...周期的にそんな天候を繰り返します。まるで梅雨末期のような激しい変化です。
この天候から、観光センター前駐車場には訪れる方は数えるほど。それでも8時5分発の春山バスの時刻が近づくと、駐車場内を車掌が巡回して、春山バスの乗車券の販売を始めます。
観光センターの売店もご覧のように営業開始。季節の山菜が並べられるときもあって、見ているだけでも季節感を味わうことができます。
先週行われた、第6回乗鞍天空マラソン(2011/06/18〜19)では、コース上にいくつかのエイドステーション(給水所)があります。例年、折り返し地点の大雪渓駐車場のエイドステーションでは、飲料水・スポーツドリンクのほか、おにぎり・バナナも提供されますが、今年は地元で採れた山菜の煮物も新たに登場しました。(参考 → 第6回 乗鞍天空マラソン(2011/06/18〜19) C【大雪渓のエイドステーションを満喫して...】)
乗鞍天空マラソンの様子をWebSiteでご覧になったこちらの女将さんは、「私たちが作った山菜の煮物が、皆さんに喜んでもらえている様子が確認できてうれしいです...」と、おっしゃってくださいました。大雪渓のエイドステーションで好評だった山菜の煮物は、こちらの売店コーナーで購入可能です。(商品名 : 野沢菜炒め煮)
まるで夏の雲のように感じられる躍動感を見せるかと思うと、今にも大粒の雨が落ちてきそうな天候へと、春山バスを待つ間でも、めまぐるしく変化します。
春山バスの運行も残すところ、あと6日。来月からはシャトルバスへと切り替わり、これまで路線バスと兼用だったバス停も、観光センター前駐車場内に専用の発着所が設けられます。
【車窓から】
それでは、春山バスの車窓の様子をお伝えします。観光センターを出発して500メートルほどのところにスキー場前停留所があります。現在、片側交互通行の信号が設けられています。
スキー場前停留所から善五郎の滝駐車場までの数百メートルは道幅が狭く、沿線の旅館・ペンションの撤去や移転が一昨年から実施されていて、拡幅工事が実施されています。これより上部の三本滝から県境までの区間では、大型車両の対向通行ができるように、2005年に待避所や拡幅工事が完了しましたが、その当時はこの箇所の工事は実施されていませんでした。
カラマツ林 − 緑が深くなってきた | 三本滝レストハウスへ |
休暇村から三本滝までの区間に分布するカラマツ林も、新緑から次第にしっかりとした落ち着いた色合いへと変わってきました。
そして、三本滝ゲートではいつものようにバス会社の係員が、春山バスの通過に合わせてゲートの開閉を行います。これも冬季閉鎖が終了する7月からは常時開放され、警備員が通行できる車両であるかどうかをチェックして、交通誘導を行います。
道路脇の法面からは、晴れて日には見られない湧き水が流れ出ています。23日(木)から降り続いた雨の激しさが見られますが、もっとひどい大雨に見舞われた時には、道路が川になるほどの時もあり、雨の引いた後には多量の土砂が道路に残っていることもあって、今回はそこまでの状況ではなかったことがわかります。
日に日に新緑が色濃くなってきます。そのため、針葉樹の深い緑と新緑の若い緑のツートンカラーの模様が山肌にはっきりとしてきました。現在は緑の濃淡で表現されるツートンですが、紅葉の時期には深い緑に赤や黄色が点在する様子となり、紅葉の時期のツートンカラーはかなり目立つ存在です。
冷泉小屋 | 霧の中へ |
観光センターを出発した頃には青空が広がり始めていたものの、冷泉小屋付近に達すると、ご覧にように霧の中に突入します。
そして、森林限界の位ヶ原山荘付近からは完全に濃霧となってきます。
雪景色へ |
位ヶ原山荘を過ぎると、新緑の美しさから雪景色へと一変しますが、今日はその光景は濃霧に煙って残念な状況です。しかし、よく見るといくつもの房をぶら下げたミヤマハンノキが目立って来ました。前述の新緑と同様に、上部エリアでも木々の変化が見られるようになって来ました。
雪の壁 | 大雪渓駐車場に到着 |
いくつもの雪の壁を潜り抜けると、肩の小屋口バス停のある大雪渓駐車場に到着です。(→ Next)
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