ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2011/06/25〜26) B

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(Update:2011/06/30)

 

【6月26日(日)、落石春山バス運休】

観光センター前駐車場

一夜明けて、こちらは朝7時の観光センター前駐車場。夜明け前に降っていた雨が止んできました。

 

重機が行く...

観光センター前駐車場から一台の重機がうなりをあげて走り去って行きます。除雪の時期ならともかく、この時期はあまり見られない様子です。

 

落石で春山バスは運休 − 係員が説明に巡回

春山バスは運行前に道路状況の確認を毎日実施しています。今朝のパトロールで三本滝ゲート付近に落石が見つかり、春山バス第一便は運休となりました。

観光センター前駐車場では、バス会社の係の方が、状況説明に巡回します。大雪渓に出向こうとしていたスキーヤーの方々も、これからどうしようか思案するところです。先ほどの重機は落石を撤去するために出動したもので、当初の予定では撤去作業が完了すれば、第二便からは運行できるとの見通しでした。

 

観光パンフレットを片手に今日の予定を再検討

乗鞍高原の観光パンフレットを手に取りながら、これからどうしようか考える方々。「雪山を見たくてやってきたのに...」と、おっしゃりながら、乗鞍高原内の観光スポットを探しています。

この時期の乗鞍高原では、一の瀬付近のレンゲツツジが見頃を迎えています。また、善五郎の滝や番所の滝などは、通年に渡って訪れる方の多いところです。

 

激しく流れる雲行きは朝から変わりません

雲は激しく流れ行き、山頂付近ははっきりしない状況が続いています。春山バスを目的にお越しになった方々の多くは、上部エリアの様子が気になります。ここから山頂方面が見られないというときは、おそらく、上部エリアは濃霧に見舞われていることが多く、悪天候であることが想像できます。

また、これからの夏の時期には、乗鞍高原で低い雲に覆われていると、上部の大雪渓・位ヶ原付近はその低い雲の上にあって、見事な雲海を楽しむことができるときあります。そのため、乗鞍高原で悪天候に見舞われてシャトルバスの乗車をあきらめてしまうと、大雪渓エリアでの雲海にめぐり合うチャンスを逃してしまうこととなります。上部エリアと山麓エリアでは大きく天候が異なることもあり、天候が悪くても現地に出向くまでは本当の状況はわからないものです。

 

雲間に青空 − 春山バスの運行再開を願う

時間の経過とともに、雲間から青空がのぞくようになり、早く春山バスの運行再開を願いたいところ...

 

こんなときはのんびりと待つ...

第二便の出発時刻まで二時間以上もあり、あきらめモード半分で、時間を費やすばかりです。

 

【春山バスが動かなければ、自分で動くしかない!】

そして、こちらは三本滝レストハウス前。

 

登山の準備 第二便も運休 − 「歩きコバス」で行きますから!!

観光センター前駐車場と同様、状況としてはこちらも変わりありません。今日は今シーズン最後の春スキーにお越しになった常連の方々も、これではシーズンを締めくくることができません。そのため、ここから登山道を歩いて登ることにしました。

準備を始めている最中、バス会社の係の方がやってきて、第二便も運休が決まったことを知らせてくれます。それに対して...「大丈夫です。『歩きコバス※』で行きますから!」

落石の撤去はすぐに完了したものの、安全確認に時間を要しているようで、第二便も運休となったようです。(※バス会社の正式名称ではありません。)

 

かもしかゲレンデを出発!

かもしかゲレンデから出発ですが、ここから登って行くのは慣れたもの。春山バスが運行されるゴールデンウィーク以前は、ここからツアーコースを経由して上部エリアに向かうのが毎週の日課で、運行開始直後も道路凍結で運休することがしばしばあり、そんな時も歩いて登るのが常でした。
(参考  : この日も道路凍結で春山バスが運休となり、歩いて登りました → ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版Vol.6(2011/04/28〜30) D【4月30日、春山バス今日も第一便運休】

 

水量は普段と変わらない程度に落ち着く 摩利支天の登山道入口まで車道を行く

かもしかゲレンデを登り、摩利支天バス停付近にある登山道入口まで、しばらくは車道を歩いて行きます。周辺には小川がいくつもありますが、水量は普段と変わらない程度まで落ち着いています。

 

摩利支天 登山道入口 − 位ヶ原山荘へ

こちらが摩利支天バス停付近にある登山道入口。ここから位ヶ原山荘方面へと向かいます。

 

新緑のシャワーに包まれて

周囲は新緑に包まれ、春山バスが運休という事態にもならなければ、雪渓に通うスキーヤー・ボーダーの方々にとっては、このような森林の中を歩く機会にはめぐり合えなかったかもしれません。

どんな事態でも良い方向・前向きに捉えることが、日々を楽しく過ごすための心がけといってもよいでしょう。

 

ムラサキヤシオツツジ − 鮮やかな色合いが特徴 オオカメノキ

単に登って行くだけの登山ではなく、周辺の様子にも気をとめる余裕も必要でしょう。左の画像はムラサキヤシオツツジ(紫八染躑躅)。「八染」という名称のとおり、紫の染料で何度も染めたほどの鮮やかな色合いがこの花の特徴です。
そして、右の画像はオオカメノキ(ムシカリ)の花です。春山バスの車窓からでも確認できる花ですが、手に取りながらその美しさを眺めることができるのが、自分のペースで歩きながら進む登山の楽しさです。

 

コイワカガミ

足元にも小さな花々が咲いています。こちらはコイワカガミ。大雪渓エリアでも見られる高山植物です。まだまだ積雪の多い大雪渓では雪解けエリアが少なく、コイワカガミが花を咲かしている様子は全くありません。コイワカガミは常緑多年草ですから雪の中で越冬していて、ご覧のような緑にピカピカ光る特徴的な葉も、雪解け直後には暗紫色を呈しています。

大雪渓エリアでコイワカガミが花を咲かせている様子が見られるのは、一ヶ月近く先のことと考えられます。(参考 : 大雪渓エリアで咲くコイワカガミ → 2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2010/07/24〜25) C【高山植物】

 

所々に残雪があります

浅黄色の木漏れ日がやさしく足元を照らす

冷泉小屋付近から上部は、積雪が残っている箇所が見られるようになります。浅黄色の木漏れ日がやさしく足元を照らす中、森林限界の位ヶ原山荘へと足取り軽く進みます。 Next

 

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