ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2011/06/25〜26) C

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(Update:2011/06/30)

 

【位ヶ原から大雪渓へ】

標高2350m位ヶ原山荘に到着。

 

萌黄色の屋根板 青空に浮かぶ雲

午後になってようやく天候が回復傾向を見せてきました。ここから望む屋根板方面の光景も、これまで見慣れた白一色の雪景色の中に、淡い新緑の芽吹きが見られるようになって来ました。

 

ミヤマハンノキ 大きく垂れ下がる雄花と角のような雌花

そして、イモムシでもぶら下がっているかのように見られるこちらは、ミヤマハンノキの花。この付近ではダケカンバと同様にあちこちに分布しているものの秋になっても紅葉しないため、あまり目立たない木です。しかし、このときばかりは、ご覧のように自分の存在を主張します。

大きく垂れ下がる部分が雄花、そして、その上部に小さな角のように出ているのが雌花です。ミヤマハンノキに限らず、ダケカンバやシラカバなどのカバノキ科の仲間は、ご覧のような特徴的な花の付け方を見せてくれます。

 

位ヶ原山荘 − ゆっくりとした時間を楽しむ

常連の方にとって、位ヶ原山荘で流れるゆっくりとした時間に浸るのが、いつものノリクラの過ごし方...今日は春山バス運休のため、訪れる人のいない静かな山荘を、自分たちだけで独り占めできる至福の時です。

 

位ヶ原山荘周辺

位ヶ原山荘周辺は森林限界付近とあってロケーションに恵まれるスポットがいくつも見られます。

 

今週の位ヶ原山荘周辺 紅葉を迎えた位ヶ原山荘周辺
2010 ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.22(2010/10/09〜10) E

針葉樹の深い緑と落葉樹の淡い緑が点在する様子は、この時期ならではの光景ですが、9月下旬から10月上旬には、見事に色合いが織り成す光景を見せてくれます。

単に赤や黄色だけなく、針葉樹林帯に紅葉が点在する様子はなかなか見事なもので、ノリクラの紅葉を代表する光景といえるでしょう。

 

午後からは天候が回復

山頂付近を覆っていた雲もすっかりなくなり、流れ行く雲の絵筆の振る舞いは、変幻自在なキャンパスの移り行く様子に時間のたつのを忘れて眺め続けてしまうものです。

 

宝徳霊神付近 − 雪渓を踏み抜かないように注意

こちらは宝徳霊神付近。5月上旬までは一面銀世界だったこの付近も3メートル以上の雪解けが見られます。しかし、登山道はまだ雪の中。雪の下からはせせらぎの音が聞こえてきます。穏やかな雰囲気ではありますが、雪渓を踏み抜くと大変な事態となりますので、雪渓の縁を慎重に歩いて先へと進みます。

 

【春山バスは最終便のみ運行】

春山バス最終便のみ運行 − 肩の小屋口バス停に到着

春山バス第二便も運休となった直後になって、道路の安全確認がようやく完了し、今日は最終便のみの運行となりました。、その最終バスが肩の小屋口バス停にやってきます。

 

最終バスの滞在時間は20分ほど

最終バスが肩の小屋口に滞在する時間は20分ほど。スキーヤー・ボーダーや、登山の方の姿はなく、雪が積もっている光景を一見したいという観光の方々がお越しになりました。

 

短い時間の中でも、ここで思い出を残す

わずか20分のひと時ですが、それが大雪渓の印象を色濃く映し、思い出深くいつまでも心に残るのかもしれません。

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.7(2010/06/25〜26)

27日(日)に開催される第7回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの関係から、この週は一日前倒しして、25日(金)・26日(土)の様子をお伝えしております。

乗鞍スカイラインは四ッ岳カーブ付近の落石危険性のため、23日(水)から通行止めが続いています。
25日(金)は、昨日からの雨が止んで、朝から綺麗な青空が広がり、さわやかな空気に包まれました。春山バス始発便が到着した大雪渓付近は14℃、さほど強い日差しは感じられず、梅雨とは思えない天候です。しかし、その後は上空もうっすらと雲がかかるようになって、登り始めるとかなり汗ばんでくる感覚を覚え、やはり、梅雨の湿った空気に包まれているような感覚になってきます。

26日(土)は明け方から降り始めた雨が、ほぼ一日続きます。南寄りのじめっとした空気に包まれ、お昼近くになると、それまで山頂付近にかかっていた霧が低くなってきます。今シーズンの営業を今日から開始した肩の小屋付近は濃霧に包まれ、ずぶ濡れになった登山客の方々が小屋に立ち寄って一休みする様子が見られました。また、明日開催される第7回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会会場の殿下平総合交流ターミナルは、午後には雨がほぼ止んできたものの、時折まとまった降り方を見せる状況が続き、車検を受ける自転車を片手に、さらにもう片手には傘をさしながら受付を行う選手の姿もありました。

 

<編集後記>

6月も今週で終了し、夏山シーズンといわれる7月がスタートします。今年は電力供給の関係から、各地で節電が求められ、使用電力の多くを占める冷房への対応が大きな課題となっています。

乗鞍地域は岐阜県側・長野県側ともに、中部電力の配電網から電力の供給を受けていますが、乗鞍高原は梓川水系の東京電力の水力発電所から近いという事情もあって、50Hz(ヘルツ)の電力が供給されています。いずれにせよ、節電が求められていることには変わりありません。

ただ、乗鞍地域でピークカット対応の節電を実施することはなかなか困難なものです。というのは、この地域では冷房設備を完備している旅館・民宿がもともと少ないからです。

標高2600mの大雪渓付近では、日中でも20℃を超えることがほとんどありません。また、肩の小屋や位ヶ原山荘では、真夏でも朝晩はストーブに火をつけることもあります。
さらにこんな話も...山麓の乗鞍高原の宿に到着した宿泊者が、「冷房はないんですか?」と、驚いた様子を見せたものの、夕方には長袖が必要になり、冷房設備が不要であることに納得する様子は、毎年どこかの旅館・民宿で見られるようです。

今年の夏は、連休を長期化する企業もあり、灼熱の都会から避暑に脱出するケースもあるかと思います。そんなときは、乗鞍が最適かもしれませんね。

 

Copyright (C)   乗鞍香辛料監視委員会

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