ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2011/07/01〜02) B

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(Update:2011/07/07)

 

【雪渓下部 T】

ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。

車道に対して斜めに雪解けが進む

雪渓下端部分は、大雪渓入口のある付近(画像右側)のほうが早く雪解けが進み、ご覧のように雪渓下端は車道に対して斜めに雪解けして行きます。画像右端の箇所から車道までの距離は28メートルです。

 

昨年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) D
今週の大雪渓入口
ほぼ昨年並み
昨年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) D
今週の大雪渓入口
ほぼ昨年並み

雪渓下端の位置は、先週よりも8メートルほど移動しています。昨年並みの雪解け状況です。

 

登山道入口 − 昨年よりもやや遅い雪解け 車道との幅は2メートル

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。先週は昨年よりもやや早い雪解け状況でした。昨年は登山道を示す柱から5メートルほど先まで積雪がありませんでした。そのため、今週はやや遅い雪解けを示しています。しかし、右の画像の車道との間の距離は2メートルで、こちらは昨年と同様の推移を見せています。

登山道の一部が見え始める

こちらは10メートルほど登ったところ。登山道が一部見え始めています。

 

高山植物 − 雪解けとともに芽吹く

雪解けが進んだところからは、新しい芽吹きがすでに始まっています。雪に閉ざされた大雪渓エリアは日照期間が短く、雪解けとともにいかに早く芽吹くかが勝負となります。高山植物も命がけでしょう。

 

コバイケイソウ(新芽) シナノキンバイ(新芽)

どちらもよく似ているように感じますが、左の画像の高山植物はコバイケイソウ、そして、右の画像はシナノキンバイ。これだけでは高山植物の種類を特定するのは困難ですが、もう少し大きくなって、花が咲けば全く違う高山植物であることがわかります。、開花の時期になりましたら、再度ご案内いたします。

 

スキーヤー専用道

こちらは大雪渓入口から雪渓上部につながるスキーヤー専用道。

 

ウラジロナナカマドの新芽が咲き誇る

沿道にはウラジロナナカマドの新芽が咲き誇る様子が見られます。花ではなく若葉ですので、本来なら「咲く」という表現は正しくありませんが、輝く緑はまるで花が咲いたような美しさがあります。

 

【雪渓下部 U】

クラック

雪渓下部にはご覧のようにクラックが入っています。このクラックは5月初めには確認できず、大雨で激しく雪解けした5月中旬から確認されました。急激な雪解けによって発生したものと考えられますが、毎年、ほぼ同じ位置にできています。

 

開口幅は3メートル

クラックの開口幅は先週とほぼ同じ3メートルです。ただ、今週はクラックの深さが少し低くなり、雪解けとともにクラックが浅くなってきています。そのため、今後は小さくなって行きますが、クラックを横断することが不可能な状態は続いています。そのため、ここを横断するには、クラックが閉塞する北端、または、南端から登って行くこととになります。クラックの全長は約100メートル。北端はモーグルコースの岩の下部付近で、南端は石碑の岩の下部付近です。

 

肩の小屋への登山道 − 誘導ロープに従って進む

大雪渓入口から北に50メートルのところの登山道入口から肩の小屋方面へは、まだ、雪に閉ざされています。そのため、この誘導ロープに従って登ってください。

 

モーグルコースの岩の左側を進む

登山道入口をそのまま直登すると、この大岩(モーグルコースの岩)の右側へ進んでいってしまいます。大岩の右側はハイマツに閉ざされて、その先を進むことができませんので、必ず、大岩の左側を進むようにしてください。

 

昨年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) E
今週のモーグルコースの岩
昨年より一週間早い雪解け

そして、こちらがクラックの南端の上部にあるモーグルコースの岩。大雪渓の中で最初に出現する岩で、7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

先週からの雪解けは高さ1メートル近くにも達し、先週と同様、昨年よりも一週間早い雪解け状況となっています。

 

雪渓下端まで129m − 昨年より一週間早い雪解け

そして、モーグルコースの岩を中心に雪解けとともに上下方向に岩が延びて行きます。こちらはモーグルコースの岩の下端部分。ここから雪渓下端までの距離は129m。昨年よりも一週間早い雪解け状況です。

 

昨年の石碑の岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) E
今週の石碑の岩
昨年より一週間早い雪解け
昨年の石碑の岩の下部のバーン
2010ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2010/06/30〜07/04) E
今週の石碑の岩の下部のバーン
昨年より一週間早い雪解け

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらの石碑の岩は先週より1メートル近く雪解けして、先週と同様、昨年よりも一週間早い雪解け状況となっています。また、石碑の岩の下部のバーンでも岩がいくつか見え始め、昨年よりも一週間早い雪解け状況です。

 

チングルマ 枯れ枝から新芽 − 小さくても木本

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。単なる枯れ枝のように見られますが、枝の先端からは新たな芽吹きが見られます。草本(木に対して草のことをさす言葉)であれば、一般的に茎の部分は翌年には枯れてしまい、このように芽吹きは見られません。つまり、チングルマは草本ではなく、木本(草に対して木のことをさす言葉)であることがわかります。こんなに小さくても、チングルマは木なんです。 Next

 

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