ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2011/07/07〜09) G

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(Update:2011/07/14)

 

【畳平、お花畑】

それでは、畳平のお花畑の様子をお伝えします。7月中を中心にいろいろな高山植物が見られる時期を迎え、畳平のお花畑は、ノリクラの中で気軽に訪れることができる箇所としてはもっとも大規模な高山植物のお花畑といえます。

 

入口付近

お花畑の雪解けは、このあとご案内する周回コースの奥のほう(西側)から、入口方面(東側)へと順番に進んで行きます。そのため、高山植物の生育も、周回コースの奥のほうが先に進み、入口方面へと順番に進んで行きます。

こちらは階段を下りてお花畑入口付近。全体の中でもこの付近は雪解けの遅いエリアとなります。

 

先週、つぼみの状態だったハクサンイチゲ。

 

ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイの開花が始まる − 昨年並みの状況

左の画像のように開花を始めている様子が見られます。昨年よりも開花が若干遅い推移です。右の画像はミヤマキンバイ。こちらはほぼ昨年並みといえるでしょう。

 

遊歩道分岐点

遊歩道をさらに進んで周回コースを右に回り、お花畑を奥のほうへ(西の方へ)向かいます。

 

ハクサンイチゲの開花が始まる − 昨年よりやや遅い推移

周回コースに入ってすぐの場所でも、入口付近と同じく、ハクサンイチゲは開花が始まったばかりで、昨年よりも若干遅い推移を見せています。

 

ミヤマホタルイ − 今年は周囲のハクサンイチゲが小さいため、よく目立つ

まるで針のように林立しているのはミヤマホタルイ。例年だと、ハクサンイチゲが優位に生育しているためその傍らに隠れてしまいますが、今年は、林立しているようがはっきりとわかります。

 

高山植物の観察

今日もたくさんの方がお花畑の木道で足を止めて高山植物の様子を観察しています。

 

パンフレットで名前を確認 カメラにおさめる

高山植物のパンフレットは畳平バスターミナル内の案内所で配布されています。パンフレットの写真を見ながら、花の名前を探し出します。そして、カメラに納めます。高山植物は特殊な環境の元でしか生育できません。そのため、手で取ることは絶対にせず、カメラで撮るだけにしてください。

 

巡回中のグリーンサポートスタッフも高山植物の説明を...

お花畑を巡回中の飛騨森林管理署のグリーンサポートスタッフも、訪れた観光客から声を掛けられれば、高山植物の説明に応じます。

 

周回コース中央付近

周回コースの中央付近までやってくると高山植物の種類が多くなってきます。

 

コイワカガミ ミヤマキンバイ

この時期、ピンクの高山植物といえば、ショウジョウバカマが終わりに近づき、こちらのコイワカガミが優勢になってきました。ここを訪れる観光客の方々は「コマクサはないか?」と、おっしゃる様子が見受けられますが、高山植物も分布するエリアに特徴があり、雪田エリアのお花畑には、砂礫地帯を好むコマクサは見られないかもしれませんね。

右の画像はミヤマキンバイ。このエリアで最初に咲く黄色の高山植物です。もう少し経過すると、ミヤマキンポウゲが優勢になってくるかと思います。図鑑などの花の部分をアップにした写真ではどちらも良く似たように見えますが、ミヤマキンバイは背が低く、地面から10センチ程度の高さしかありませんが、ミヤマキンポウゲは30センチ以上になりますので、葉の形状とか花の形とか細かな違いとは別に、それらの大きさの違いだけでも一目瞭然です。

 

周遊コース奥

そして、周遊コースの奥に進むと、もっとも雪解けが早いエリアですから、さらに生育が進んでいて、いろいろな高山植物が見られます。

 

ハクサンイチゲが満開
 
ミヤマクロユリも開花
 昨年よりも早い推移

左の画像のとおり、ハクサンイチゲは満開状態。時間の経過とともに伸びてくる花茎の様子も見られます。そして、ミヤマクロユリの開花も始まり、例年よりも早い推移を見せています。

 

周回コース西端(折り返し地点)

そして、こちらが周回コースの一番奥の西端エリア。ここでコースは折り返して入口へと戻って行きます。

 

開花するミヤマクロユリが多くなり
ハクサンイチゲの花期は終わりに

この付近に達すると、開花しているミヤマクロユリが多くなり、その反面、ハクサンイチゲの花期が終わりに近づいている様子が見られます。

 

お花畑の見頃は例年よりも早い傾向です

入口付近では、花期の推移が遅いものの、西側では昨年よりも早い状態となっていますので、見頃の時期を逃さずに、お花畑の高山植物を楽しんでください。

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.9(2010/07/10〜11)

梅雨の末期に近づき、めまぐるしく変化する天候の二日間となりました。

10日(土)は翌日からの雨はやんで、乗鞍高原は綺麗な青空が広がるすがすがしい朝から始まります。しかし、大雪渓では濃霧に覆われるものの、10時ごろから天候が回復して青空が広がり始めます。しかし、午後からは雲が低く垂れ込め始め、15時からまとまった雨降りに見舞われてしまいました。

11日(日)は午前中は曇りでしたが、正午を境に雨となり、午後からは横殴りの荒れた天候。梅雨明けの待ち遠しい、二日間となりました。

 

<編集後記>

今年の梅雨入りは、東海地方・関東甲信地方ともに5月27日で、昨年よりも17日早く、平年よりも12日早い状況でした。そして、梅雨明けは、東海地方では7月8日に発表され、昨年よりも9日早く、平年よりも13日早い状況です。また、関東甲信地方は7月9日に発表され、平年よりも8日早く、平年よりも12日早い状況でした。梅雨の期間は、東海地方で42日間、関東甲信地方で43日間でしたから、平年の43日間とほぼ同じで、今年は早く始まって、早く終わったという結果となりました。

松本の梅雨入り期間中(5月27日〜7月8日)の降水量は、193.5mmで平年並み。また、上高地の6月中の降水量は263.5mmで、平年値302.3mmを下回っています。ただ、土砂災害の発生した6月23日の降水量は86.5mmに達し、電力・通信網が途絶えたと見られる23日14時から27日12時までのアメダスデーターがないため、実際には6月中の降水量はもう少し多いと考えられます。

初めてノリクラにお越しになってノリクラデビューを果たすには、梅雨明けからお盆くらいまでの期間が最適と考えられます。向こう一ヶ月間の予報では、晴れる日が多く、気温も高いとのこと。涼しいノリクラでも大雪渓では日差しは強く、水分補給・日焼けの対策を万全に整え、お越しください。

 

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