ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.15(2011/08/18〜19) D

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(Update:2011/08/25)

 

【雪渓上部 V − モーグルコース】

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる、8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

上端部分は、昨年並みの雪解けを示していますが、下端部分は、昨年よりも積雪が多い状況が見られます

 

雪渓上部左側 −二本のコブライン

こちらは雪渓上部左側下端からの様子。下端の位置は先週よりも5メートル程度しか上昇していません。そして、今回も二本のコブラインがあります。

左側は上端から下端までピッチの短いラインが、そして、右側は雪渓中間付近から、ややピッチの広いラインがあります。

 

右側のライン

先週は左側のラインをご紹介いたしましたが、今日は右側のラインを滑走する様子をお伝えします。

 

コース整備に2時間かかったよ〜

朝一番にお越しになったこちらの方、「コース整備に2時間かかったよ〜」と、おっしゃっています。バーン表面は、比較的やわらかめですが、バーンの深部には、氷の部分が随所にあって、一日経過すると、それが棘状にこぶの表面から突き出し、滑走前には整備が必要な状況です。

 

ウチの職場のメンバーはみんなWebSite見てますよ〜 長さ73メートル×19コブ
ピッチ3.8メートル

「ウチの職場のメンバーはみんなWebSite見てますよ〜」と、おっしゃってくださった左の方。現地でお会いしたときに、その一言が本当にうれしいものです。そして、バーンの長さは73メートル×19コブで、ピッチは3.8メートルです。

 

今日のモーグルコースはまずまずの人出

お盆が終わって、通常の平日となっていて、天候もあまり芳しくない状況ですが、今日のモーグルコースはまずまずの人出です。

 

大学のスキー部の方々 − 夏合宿でノリクラへ

こちらは大学のスキー部の方々。夏合宿の一環でノリクラにお越しになっています。先輩から後輩へワンポイントの指導もあって、コブの滑走に慣れていない部員も何とかレベルアップしていこうという意気込がありました。

 

こちらは雪渓上端部分。

 

上端部分 − ほぼ昨年並み

上端部分は、先週と比べてほとんど雪解けが進んでいない状況で、ほぼ昨年並みの積雪。

 

上端から − 下端部分まで147メートル
昨年よりも一週間以上遅い雪解け

雪渓上部左側下端までの距離は、147メートル。先々週は50メートルも短くなりましたが、今週は8メートルしか短くなっていません。先週と同様に、昨年よりも一週間以上遅い雪解けとなっています。

昨年よりも積雪の多い箇所は、雪渓上部右側下端部分と、こちらの雪渓上部左側下端部分のみで、それ以外の箇所は、昨年よりも一週間程度早い雪解けを示しています。

 

【昨年の今ごろは?】

2010ノリクラ雪渓カレンダーVol.15(2010/08/21〜22)


お盆は終わると秋の気配を感じさせるようになってくるのが常ですが、このところの猛暑がノリクラにも多少影響しているかのようで、今回は日中を中心に真夏モードのノリクラとなりました。

21日(土)は、朝から雲ひとつない快晴の空が広がります。早朝はひんやりとした空気に包まれ、大雪渓に到着するすると、強い日差しが燦々と降り注ぐ状態ではあるものの、アウターが欲しいほどの空気が流れています。ただ、この冷たさも次第に熱気に変わってきて、大雪渓エリアでも20℃を越すほどの状態。久々に夏らしい暑さを覚えます。ただ、このように一気に気温が上昇すると、地表が温められてできる雲が山麓から湧きあがり、大雪渓エリアは雲に覆われるようになって、日差しが遮られ、再びクールダウンして行きます。
いつもなら、ここで夕立に見舞われるパターンが夏山特有の天候ですが、今日はそこまでの激しい気象変動はなく、まずまずの一日で終わって行きました。
しかし、昨日に引き続き、魔王岳周辺でクマの出没が確認され、魔王岳登山道入口は一時閉鎖され、クマの出没にはしばらく警戒が必要な状況が続きます。

そして、翌日の22日も朝から雲一つない快晴。第25回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の開催を一週間後に控え、ヒルクライムの方々がトレーニングに励む姿が今日もたくさん見られます。昨日と同様、午前中には雲が湧きあがるようになりますが、それも午後になると再び青空と強い日差しが戻ってきて、大雪渓エリアでも暑い一日となりました。

 

<編集後記>

お盆が終わると、ノリクラの夏も終盤へと進んで行きます。そして、今週末に迎える全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終了すると、完全に秋へと向かって行きます。秋の紅葉シーズンが始まると、ノリクラは夏のお盆以上の人出があって、今シーズン最後の賑わいを見せてくれるものです。そして、紅葉シーズンが終わって11月になれば、県道乗鞍岳線・乗鞍スカイラインは冬季の通行止めに入り、長い冬へと突入して行きます。

まだ、夏が終わっていないのに、冬の話をするのは、少し早すぎる感がありますが、お盆が終わると一気に季節が変わって行く様子に、そのスピードにあわせて動いて行く必要もあるかと思うのです。

人々はなぜ、ノリクラにやってくるのか?他にはないものがここにあるから訪れるのだと思います。おそらく、想像もできないような多様なニーズが潜在的に存在し、それを満たすものがあるところに、人々は訪れるのではないかと思います。

自然の移ろう速度。それは、人々が要求するブームとかニーズの変化のスピードと必ずしも同調しているものではありません。しかし、その二つの間に、なにか接点を作り続けることができないかと、常々考えます。

 

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