ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.16(2011/08/25〜27) C

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(Update:2011/09/01)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景

それでは、雪渓上部の様子をお伝えします。雪渓上部を左右に分ける中央の尾根が大きさを増してきて、ご覧のように、今週は完全に左右が分離しました。昨年も同時期に分離しましたので、ほぼ同じ推移を見せていますが、尾根の大きさから、昨年より若干雪解けが早い様子を見せています。

 

昨年同時期より一週間遅い雪渓上部右側
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2010/09/04〜05) D
今週の雪渓上部右側
昨年よりやや早い雪解け

こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。前述の雪渓上部を左右に分ける尾根部分は、昨年よりも早めの雪解けを見せていましたが、こちらに関しては、先週までの昨年より一週間早い雪解け状況から、少し雪解けスピードが遅くなっています。

 

雪渓上部右側は上下に分断

そして、雪渓上部右側は、上下に分断されるようになって来ました。先ほど昨年より雪解けが遅いと申し上げましたが、昨年は、下半分の雪渓がすでに消滅していました。

 

上半分の雪渓 − 滑走距離は70メートル

こちらは上半分の様子。かろうじて滑走できる状態で、滑走距離は70メートルほどです。

 

鉄塔土台 − 雪渓からの距離は40メートル、昨年よりやや早い雪解け

雪渓上部右側エリアの下部で、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。土台と雪渓との距離は40メートル。昨年より一週間遅い時期も56メートルで、先週までは、昨年より一週間早い雪解け状況でしたが、今週は、雪解けスピードが遅くなって、昨年よりやや早い雪解けの推移を示しています。

 

こちらは雪渓上部右側の上端部分。

 

先週の雪渓上部右側上端の様子
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2011/08/18〜19) C

先週の上端はご覧のような状態でしたが...

 

雪渓上部右側の上端 − 昨年より一週間以上早い雪解け

上端の位置は、先週よりも10メートルほど下がっています。先週は、昨年よりも二週間早い雪解けを示しましたが、今週は、昨年よりも一週間以上早い程度にとどまっています。

 

上端からの画像
雪渓下端まで185メートル − 昨年よりやや早い雪解け

上端から雪渓下端までの距離は185メートル。昨年の同時期は207メートルで、その一週間後は118メートルと大幅に減少しています。先週は昨年より一週間早い雪解けを示していましたが、下端部分の雪解けがさらに遅くなって、全体的には昨年よりもやや早い程度にとどまっています。

 

【雪渓上部 U − モーグルコース】

雪渓上部左側

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる、8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

上端部分は、昨年並みの雪解けを示していますが、下端部分は、昨年よりも積雪が多い状況が見られます

 

雪渓上部左側下端 − 先週よりも12メートル程度上昇 二本のモーグルコースが確認できる

こちらは雪渓上部左側下端からの様子。下端の位置は先週よりも12メートル程度上昇しています。今週もモーグルコースのの二本の白いラインが確認できます。

 

昨年の雪渓上部左側下端(落書きの岩)
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2010/08/27〜28) E
今週の雪渓上部左側下端(落書きの岩)
昨年よりやや遅い雪解け

下端部分にある落書きの岩が頭を出し始めました。昨年の画像と比べると、やや雪解けが遅い様子がわかります。

 

右側のコブライン上に岩の頭がある

少しわかりにくい画像ですが、この落書きの岩の位置は、右側のコブライン上にあって、右側のラインはかなり短い状況となっています。

8月27日(土) − 週末は常連の面々がそろう

今回は、週末の様子も取材に訪れたことから、雪渓上部左側には、常連の面々の様子があり、平日とは異なる和やかさがあります。

 

右側のライン − 岩を迂回しながら滑走、長さは7ターン

コブのラインは二本あって、その右側のライン上には岩が出てきたことは前述で申し上げました。今日はその岩を迂回しながら、何とか7ターンのコブを楽しんでいらっしゃいます。

右側のラインは上方に空きスペースがあるため、滑走距離を伸ばすことは可能ですが、雪解けにより右側から岩が迫ってきていますので、コブを作る労力と滑走できる期間との兼ね合いを考えると、ラインを伸ばすことよりも、新たなラインを作成したほうが良いかもしれません。

 

左側のライン − コブは完全になくなる

そして、こちらは二本あるラインの左側。完全にフラットになっていて、最初から作り直しです。

 

手分けして作業 − 掘り進めると硬い部分が...

表面はそれほど硬さを感じない状態でも、掘り進めると硬い部分があって、手分けして作業を続けるものの、思ったようにははかどりません。

 

思うように作業は進みません

早朝からはじめて、そろそろお昼時間を迎えようとしていますが、まだ、数ターン分しかコブはできません。このまま続ければ、今日はまったく滑走することなく、一日が終わってしまいます。また、滑走しようにもコブがなければ、ノリクラにやってきた意味がないとばかりに、若干のジレンマがあります。

 

こちらは雪渓上端部分。

 

上端部分 − ほぼ昨年並み

上端部分は、先週と比べてほとんど雪解けが進んでいない状況で、ほぼ昨年並みの積雪。

 

上端から − 下端部分まで135メートル
昨年よりもやや遅い雪解け

雪渓上部左側下端までの距離は135メートル。先週から12メートル短くなっています。先週までは、昨年より一週間以上遅い雪解けを示していましたが、今週は昨年よりやや遅い程度になっています。

昨年よりも積雪の多い箇所は、雪渓上部右側下端部分と、こちらの雪渓上部左側下端部分のみで、それ以外の箇所は、昨年並みか、一週間程度早い雪解けを示しています。

スキーヤーの傍に蝶の姿が

さて、雪渓脇で休憩するスキーヤーの傍に、大きなの蝶がやってきて、カメラを片手にする様子があります。

 

カラスアゲハ

いわゆる高山蝶かと思いましたが、平地から山地にかけて分布するカラスアゲハ。同じ仲間にミヤマカラスアゲハがありますが、後翅の裏側の白帯の有無で判別します。掲載した個体には白帯がほとんどありませんでした。また、蝶には羽化した時期によって春型と夏型があり、ミヤマカラスアゲハの夏型は、白帯が小さくなる傾向があるとのことですから、ミヤマカラスアゲハの可能性もあります。

いずれにしても、この大雪渓で生息しているのかどうか、現段階ではわかりませんが、今後も継続的に観察したいものです。 Next

 

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